めちゃトク!黄金の80年代、王道コンピの黄青コンビ!
レコード屋、もといCDショップに出かけるとイヤでも目につくコンピ盤。特にあのR35の爆発的成功以来、80〜90年代のナツメロ系の企画がとっても目立ちます。
メーカーの枠を越えていろんなものが出るようになりましたが、何台もの試聴機を陣取り、ポスターやPOP付きで平積みなんていうのは当たり前。もちろんプロモーションもスゴくて、地上波での大量のCMスポットにも驚きますよね。でも、アラフォーど真ん中世代の購買力というか、大量消費の申し子たちの底力みたいなものを実感するようで、同世代でありメインターゲットであるワタシもとてもウレシク感じたりしています。
そんなコンピ全盛の昨今ですが、今年の成功組の筆頭に挙げられるのが、ソニーから発売されオリコン最高6位を記録した2枚組の「 クライマックス ロマンティック・ソングス 」ではないでしょうか。年末に向けてまだまだ伸びそうな感じではありますが、これに続く強力コンピ2タイトルがクリスマスイブの贈り物のごとく発売されることになりました。
それが80年代前半を中心とした「 クライマックス 80's YELLOW 」、そしてエイティーズ後半をメインに構成された「 クライマックス 80's BLUE 」の2作です。2枚組で3,150円と超おトク、1曲100円を軽〜く切るプライスで、もはや配信の方が激高に感じてくる安さとなっております。
などとワタシが申しますと「何を今さら王道コンピなんて!」とシラけたご意見を頂戴しそうな気もしますが、あなどることなかれ。何だかんだ言っても、流行り廃りがすべての流行歌。その中心でヒットを記録し、時代のいろんな匂いをたっぷり吸収したヒット曲は、やっぱりそれだけのチカラがあるのです。
特に普段聞き返していない場合にはタイムスリップ度が高くて、忘れ去った出来事や封印していた想い出が、まあ次から次へとよみがえること。正直、数年前のワタシなら「あんなメガヒットばかりのコンピなんて興味ないもーん。音源だって押し入れに眠ってはいるけど、ちゃんと持ってるんだし」とばかり、ヤな感じのスルーを決め込んでましたが、今は素直にあれこれ反芻したい気分になっております。やっぱり多くの人の心をつかんだヒット曲には、疑うことなき素晴らしさがあるのは事実ですもんね。
と話がそれましたが、黄色い「 クライマックス 80's YELLOW 」は80年代前半の37曲を収録予定。一部どう考えても79年に完結したものも見られますが、久保田早紀「異邦人」、クリスタルキング「大都会」、もんた&ブラザーズ「ダンシング・オールナイト」、八神純子「パープルタウン」、五輪真弓「恋人よ」、シャネルズ「街角トワイライト」、松山千春「長い夜」、寺尾聰「ルビーの指環」、あみん「待つわ」、中島みゆき「悪女」、薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」、岩崎宏美「聖母たちのララバイ」、チェッカーズ「涙のリクエスト」、松田聖子「天国のキッス」など、80年からの歴代ナンバーワンヒットやミリオンセラーがこれでもかと目白押し。
さらに西田敏行「もしもピアノが弾けたなら」、MIE「NEVER」といったドラマ主題歌や、渡辺真知子「唇よ、熱く君を語れ」、山下久美子「赤道小町ドキッ」などの化粧品CMソング、斉藤由貴「卒業」、中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」のアイドル勢。はたまた山口百恵「さよならの向う側」という時代のトピックあり、村下孝蔵「初恋」や上田正樹「悲しい色やね」のシブイ系あり。ついには大滝詠一「恋するカレン」、一風堂「すみれSeptember Love」、佐野元春「ガラスのジェネレーション」、YMO「RYDEEN」などなど、元ロック少年もテクノフリークもニッコリというバランスが取れた選曲。ユーミン、みゆき、桑田さんの書いた作品がそろっているのも見逃せません。あの頃、クラスではいろんなアーティストのファンがいっぱいでしたけど、何だかみんなが納得しそうな内容です。
一方、青い「 クライマックス 80's BLUE 」は、80年代後半の33曲収録予定。こちらの特長は、ほとんどのヒット曲にはワケのあったタイアップ全盛期、いろんな冠がついているものが多い点ですね。中でも何度励まされたか分からない渡辺美里「My Revolution」、爆風スランプ「Runner」、岡村孝子「夢をあきらめないで」、プリプリの「Diamonds」など、勇気の出る応援ソングや一大ムーブメントを巻き起こしバンドものが目立ちます。
ほかにもYMO「君に、胸キュン。」、浜田麻里「Return To Myself」といった化粧品系はもちろん、中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」、大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」、ハウンド・ドッグ「ff (フォルティシモ)」、鈴木雅之「ガラス越しに消えた夏」というカップヌードル系など起用されればヒットが約束されたCM枠や、H2O「想い出がいっぱい」、岩崎良美「タッチ」など邦楽アーティストの進出がめざましくなったアニメ系も。そしてレベッカ「フレンズ」、久保田利伸「You Were Mine」、小林明子「恋におちて」などトレンディーものを含むドラマ系など、全体を見わたしてもテレビとヒット曲の密接な関係がより浮き彫りになっているようです。佐野元春「SOMEDAY」や浜田省吾の「ラストショー」など時が経つにつれて名曲の誉れが高くなっていったものも感慨深いですし、鈴木聖美 withRats&Star「ロンリー・チャップリン」のカラオケ系なんかを聴いてると、カラオケボックスがあちこちにできた頃を思い出します。
いずれにしても、今やスタンダードと呼べる楽曲も多く、今あらためて聴くといろんな感動に包まれそう。発売はクリスマスイブということですから、あの頃をともに過ごした方や、いま大切な人へのクリスマスプレゼントにも喜ばれるかも。
初回盤は特製スリーブ付ということですから、メッセージをサインするのもよさそうです。そんなコト、あの頃は恥ずかしくてとても無理だったのに、今なら臆面もなくできたりして。それもオトナの楽しみですよね。
という2タイトル、リーズナブルなCDからあふれ出すのは、モノという価値を超えた、きらめくダイアモンドのような想い出たち。聴けばきっと青春時代に味わったたくさんの幸せがリアルによみがえってくるはずだし、それこそお金では買えない、まさに賢者の贈り物というヤツですね。
(2008.11.6)