80年代女性アイドルが歌う、青春のページ!
笑い転げたり、泣き暮れたり、悩み多きティーンエイジだったけど、毎日が輝きに満ちていた80年代。そんなパステルカラーにふちどられた青春が、リアルによみがえるコンピ盤の登場です。80年代の少女たちが残した胸キュン16バラッズ「 少女時代~胸キュンばっか。~ 」。
聖子に明菜、伊代ちゃんに知世ちゃん、由貴、ミポリン、ナンノ、おニャン子まで、今や大御所となって第一線で活躍するメンツがこれでもかと勢ぞろい。「SWEET MEMORIES」「北ウイング」「時に愛は」「早春物語」「Rose Color」「氷のダイアモンド」「海の足跡」「サリーの愛のめるへん」エトセトラ、泣き系、哀愁系のバラードを中心に、いわゆる代表曲ではないチョイス。世にアイドルコンピは数々あれど、こういう面々のこういう曲というラインアップは珍しいのでは?
と思いましたら、なんと森田記さんこと康珍化さん監修。なるほど納得です。ワタシ的には「AXIA~かなしいことり〜」「さよならと言われて」「ちいさなBreakin’ my heart」あたりが1枚のCDに入るなんて、自家製で作るしかないと思っていたのでオドロキです。
これを機に康さん(秋元ではないよ)の作品集も出るといいんだけどな。このコンピには入りませんが、胸キュンという意味で言えば、康さんの「天国にいちばん近い島」「ヨコハマ・スイート・レイン」「涙はどこへいったの」あたりはいつ聴いても泣けます。
80年代って、カオス的70年代をくぐり抜けたポップス歌謡が成熟の域に達した時期。であるからして、アイドルポップスは、職業作家さんとニューミュージック系のライターさんのバランスが最高の状態だったと思うんです。もちろんそれには少女歌手の歌唱レベルがグーンと落ちてしまったことが大きいのでしょうが、大衆性と私小説の見事な融合と申しますか、さまざまな才能がタッグマッチして、エバーグリーンな魅力を放っているんですよね。このコンピの収録曲を見ても、康さんをはじめ松本隆、大村雅朗、林哲司、銀色夏生、ユーミン、大江千里などなど、やっぱり80年代とは切っても切れない顔ぶれとなっていますし。
ちょっと通好みな一面もありますが、時代を映した名曲ぞろい。80年代を過ごしてきた人なら、きっと胸キュンキュンのこのコンピ盤。すっかり忘れてしまっていた思い出たちが、色鮮やかによみがえりそう。そして、ひとしきり今日という日を頑張れそう。そんな力のあるCDではないかな、なんて歩いてきた道を振り返りながら、つらつらと思ったりしています。
(2008.5.2)