復刻なるか?! アーリー70´sフィーメイル・ アイドル!
今やオーダーメイドファクトリーの主力オリジナル商品となった感がある、アイドル・ミラクルバイブルシリーズ。毎回毎回好評のようで、手堅く復刻が実現するシリーズとしてすっかり定着しておりますね。シングルの枚数が少ないいわゆるB級C級アイドルのAB面がCD化するという、マニアにとっては夢のような抱き合わせ企画ですから、当然と言えば当然なのでしょう。
で、早くも第4弾なるそうですが、基本80年代で続けてきたシリーズにしては珍しく、今回は70年代!「アイドル・ミラクルバイブルシリーズ 73~76 Girls 鮎川由美 石井まゆみ 池田ひろ子 景山美紀 」として、 73年から76年にデビューした4人がラインアップされました。ソニーだけでなくナベプロ音源も入っていますが、すわ、前世紀末に企画されマニアたちを魅了した「アーリー70´sフィーメイル・ アイドル・コレクション」のVol.3か!とでもいうような、かなりカルトな趣となっています。
トップバッターは、73年の新人としてナベプロがアグネスとともに推してた鮎川由美。ちっちゃなマリリン・モンローという意味合いのニックネーム“リトル・マリリン”のキャッチフレーズで颯爽と登場しましたが、そんな彼女の2枚のシングル「私達/恋の祈り」「明日もふたり/夕陽に祈る」を収録。「明星」なんかではカラーページによく載ってたように記憶してますし、いつもミニの赤いワンピを着てテレビにもよく出てましたし、曲も併せていかにも売れそうな感じだったとは思いますが、フレッシュな大型新人が続出したこの年では影に隠れちゃった感があります。
続いては74年デビュー、ヤマハ音楽振興会所属だった実力派、石井まゆみ。千家和也+穂口雄右コンビや、あの林哲司が手がけた2枚のシングル「甘い暴走/あしたは日曜」「ごめんなさいねママ/春風のささやき」は、ヤマハ出身らしいうまさが魅力。でも、そのクセのない優等生的な部分が、スタ誕アイドルを中心に不安定さが受けるようになった当時の歌謡界ではアダになったんでしょうか。
そして今回の目玉と言えそうなのが、ホリプロが誇った“タップリンセス”、池田ひろ子ではないでしょうか。75年のデビューシングル「恋のABC/ブルージーン同志」はともかく、ホリプロ所属だった浜田省吾の提供曲としてハマショーファンから切望されていた「制服をぬいだら/友達の兄貴」、A面がホリプロ・タレントスカウトキャラバンのテーマ曲「友達から恋人に/さよならの意味」とコレクター垂涎の作品ぞろい。中でもワタシがCD化を願っていたのは、筒美京平フリークはもちろん、優雅のファンも必携盤「緑のカーニバル/わたしは舟」でした。いずれも優雅のファーストアルバムからのカバーで、「緑のカーニバル」は「故郷の春」を改題したものです。ワタシは鮎川由美とこの2曲のために予約を決定。皆さんもそうじゃありませんか?
最後は、サーカスの叶正子お姉さんがリーダーを務めたコーラスグループ・ピーマンのメンバーだったことで知られる景山美紀(影山美紀)。ソロデビューは76年、ソニー系のエイプリルミュージック所属で、CBS・ソニーのエイプリルレーベルからの発売でした。
余談ですが、ご存じの通りワタシは昔からCBS・ソニーが好きで、所属の歌手なら無条件にヒイキしてしまう性癖があったのですが(代表例は三波豊和クン)、景山さんのシングルは見慣れないマークだったのでスルーした記憶があります。ミヨちゃんのエピックは知っていても、エイプリルのロゴなんか認識できるはずもなく。もうちょっと年長だったなら、シンシアや百恵ちゃん、ひろみやキャンディーズの楽譜がエイプリルミュージックから出てたコトと関連づけることができたのでしょうけど。
そういうこともあってか、有馬三恵子先生の詩も、景山さんの歌い方もちょっとキツめで引いてしまった印象しか残っておりませんが、その感じはデビュー盤「青春のしぶき/ひとりぼっちのカーニバル」と、A面が里中満智子センセイの同名マンガのイメージソングでジャケもイラストの企画盤「季節風/恋のイニシャル」の2枚を聴けばお分かりいただけるでしょう。
という、今回を逃せば二度と手に入らないような奇跡的なコレクション。A面曲にはCD化されているものもありますが、現在ではそれも入手困難なようですので、やはり貴重音源ばかりと言えますね。1st、2ndステージともにすぐクリアするような気がしますが、70年代はイマイチ弱い様子のオーダーメイドですので、やっぱり皆さんのリクエストを。懐かしさを感じるアナタも、歴史の勉強をしたいキミも、ぜひご協力ください。
個人的には、歌が上手くて大好きだったコブシ系アイドル、青木美冴や西村まゆ子を加えてほしかったんですけど、それはまた次回に期待ということで。
(2008.9.10)