会員番号38番、工藤静香。今、みゆきさんを歌います!
またまた復刻盤ではないけれど、もともとは古いナンバーだし、あまりにもハマりすぎた好企画なので、ついつい取り上げてしまいました。こちらに来られる方の中には、みゆきファンもかなり多いようですしね。と、のっけからエクスキューズなのも、ある意味らしい感じな工藤静香、中島みゆきを歌う「 MY PRECIOUS -Shizuka sings songs of Miyuki- 」。
この企画の一報を耳にしたのは確か春先ぐらいのことだったのですが、最初は提供曲を集めたリイシュー盤だと思っていたワタシ。80年代後半から90年代初頭にかけてのみゆき+静香のタッグマッチ(曲は大半がゴッキーですが)は当時から大好きで、一連のヒット曲や「群衆」「秋子」「コール」といったB面名曲、「つぎはぎのポートレート」などのアルバム曲など、友人にまとめてもらった自家製CDを長年愛聴してるぐらい。そんなワケで、ベスト盤であっても買う気マンマンだったのですが、今回はみゆき作詩作曲の曲を集めた新録音盤ということを聞き、その選曲に期待しておったのでございます。
で、蓋を開けたら、70年代の歌こそ入っていませんが、新旧の有名曲をピックアップした内容に。詳しく紹介しますと、メインはドラマ主題歌として大ヒットした「銀の龍の背に乗って」「空と君のあいだに」「浅い眠り」「命の別名」に、真偽は分かりませんが中森明菜のために書いたとまことしやかなウワサが残る「見返り美人」、「やまねこ」といったシングル曲がメインで、みゆきオリジナルのアルバム曲は「土用波」のみ。あとは、さまざまな歌手に書いた提供曲でして、前川清の「涙〜made in tears〜」、柏原芳恵の「カムフラージュ」、ピンク・レディーのケイちゃんソロ第一作「すずめ」、TOKIOの「宙船」となっています。作詩作曲という形で静香に提供したシングル3曲「激情」「雪・月・花」「Clavis〜鍵〜」もボーナストラックで収録。うーん、かなり力の入った構成ではないでしょうか。
コアなみゆきファンからしたら一家言ありそうな気もしますし、個人的にもやっぱりねと思うモノが多いので、意外性を感じる歌を入れるともっと良かったようにも思いますが、どれもヤンキーロック的な歌声が容易に重ね合わせられるほど静香にハマってる感じで、お見事な選曲ですねえ。ワタシは大好きな「涙〜made in tears〜」にとっても期待しています。よく「同類項にしか書かない」と言っていたみゆきさんですが、ある部分に限ってはチョー同類項と言える静香との融合が楽しめそうです。あとはおニャン子からソロ初期みたいに、ちょっとあぶなげでも日本語をちゃんと発音してた時を思い出して歌ってくれたらいいなあ…。
というこのアルバム、古くは研ナオコの「 中島みゆきを唄う 」、桜田淳子の「 20才になれば 」、柏原芳恵の「 春なのに 」(単品は廃盤のため現在は「 柏原芳恵25周年記念BOX ~25TH ANNIVERSARY COMPLETE ALBUM (DVD付) 」で入手可能)と並び、みゆきを歌うシリーズとして愛聴盤になりそうな予感。淳子や芳恵を嗤う人は多いけど、そういう方は彼女たちの中にある、みゆきの同類項的部分に心をすましてお聴き直しください。
(2008.7.1)