みんなで歌おう!平凡ソングの歌本コンピ4タイトル!
あなたは平凡派?それとも明星派だった?
ワタシはと言いますとダンゼン明星派だったワケですが(月刊誌のハナシです)、幼なじみとテレコで買っていましたし、70年代後半は2誌をとっていたり、立派な平凡愛読者でした。
明星派だったのは、企画はもとより、写真やコピー的な見出しの取り方、記事の内容から歌本やポスターなどの付録、紙質に至るまで全部が垢抜けてて、デザインやレイアウトもドキッとするほどカッコよく思えたからなのですが、よく考えると、ワタシ世代でも、ananやPOPEYE、Oliveなど、集英社より平凡出版の方が群を抜いてあこがれる雑誌が多かったんですよね。
もちろんマガジンハウスとなった今でもそうだと思いますが、なぜかあの月刊平凡は違ってた…。とゆーか、明星がカッコよすぎたのかもしれませんが。
いずれにしても、それぞれの時代を映し出す芸能誌だった月刊平凡。終戦まもなくの創刊時の読者や、ワタシたち昭和40年代後半からの読者、1980年代の読者によって持つ印象も違いましょうが、ひばりちゃんら三人娘の時代から貫かれ、他誌にけしてマネできなかった独自性がありました。
それは言うまでもなく、何よりもスタアの気持ちを大切にしてきた編集方針でしょう。結局、CIや部数問題もあってか、87年に休刊、平凡は42年の歴史に幕を閉じてしまうワケなんですが、最終号を読み直すとその思いやりに満ちた方針が逆の形で表れていて驚かされます。例えば、既に引退していた三浦百惠さんや聖子が寄せたメッセージ、各レコード会社がこの号のために制作した広告などなど、スタアたちから平凡に注がれた特別な愛情がのぞいているのですね。
と、またまた前置きばかりが長くなりましたが、何でこんことをグダグダ書いたかといえば、月刊平凡の付録、平凡ソング(HEIBON SONG)をイメージしたコンピ盤シリーズが企画されたからなのです。かつて東芝から明星編が2枚出たこともありましたが、アレは昭和30〜40年代前半のアダルト歌謡曲、しかも偏ったメンツだったせいか、芸能月刊誌のピークとはズレてたせいか、今一つウケなかったようです。
が、今回の平凡ソングは昭和40年代から60年代まで、平凡が隆盛を極めた頃の4タイトル。後半駆け足なとこもあるけど、歴史をザックリ追う内容となっています。
まずは若大将の「君といつまでも 」から「星のフラメンコ」「虹色の湖」「天使の誘惑 」「恋の季節」「恋の奴隷」などのいわゆる昭和歌謡、「君だけに愛を」GSなど、濃ゆい感じの「 懐かしの「平凡ソング」ヒット・パレード Vol.1 昭和40年代1号 」。次はルミ子に真理ちゃん、めぐみタン、モリケンにヒデキ、F5にアグネスといったヤングアイドルと、ガロやビリー・バンバンらフォーク系でまとめた「 懐かしの「平凡ソング」ヒット・パレード Vol.2 昭和40年代2号 」。
そしてPLにMAKOちゃん、太田裕美、アリス、ニューミュージックにレイジー、ツイストなどのお茶の間ロックも入った「 懐かしの「平凡ソング」ヒット・パレード Vol.3 昭和50年代号 」、最後はゴダイゴから郷ひろみ、吉川晃司、C-C-B、小泉今日子、森川由加里まで、年代が幅広くて世代交代感いっぱいの「 懐かしの「平凡ソング」ヒット・パレード Vol.4 昭和50年代・60年代合併号 」です。
ジャンルやメーカーの枠は超えてはいるものの、残念なのは御三家、新三人娘、花の中三トリオなど、幾度となく歌本の表紙や2色のヒットパレードページ、カラーピンナップを飾り、公録番組「平凡アワー」のメインゲストを張ったトップアイドルの一部がこぼれてるらしいこと。
なんだか「お目当ての歌手は新曲なのに巻頭に載ってなくてガッカリ」みたいな感じもあります。あるいは、ギターをやってたお兄さんが「平凡はコードが載ってないからね…」などとつぶやいた感じ、というべきか…。
平凡の読者で平凡ソングでたくさんの新曲を覚えた皆さんからすれば、少なくとも時代を彩ったスタアぐらいは網羅されたものをという人も多そうです。
とはいえ、一通り流行歌の変遷を追ってザックリと思い出に浸ったり、懐かしのBGMとして楽しんだり、という一般の方にはちょうどいい感じ。
また何より、こういう企画が通って世に出るというのがウレシイですね。ジャケットや歌詞カードも平凡ソングを彷彿とさせるモノなら、なお素敵。こういう企画が後に続くことを祈ってます。
(2008.5.8)