MAKOちゃんの紙ジャケ復刻、全10タイトル!
3月に発売された27年ぶりの「 MAKO PACK-Premium- 」も好評を博したMAKOちゃん。100万ドルの微笑も健在の様子ですが、30th Anniversary Special第2弾として、ファンの皆さん念願の紙ジャケ復刻がいよいよ発表となりました。
MAKOちゃんのアルバム復刻は、ビクター の“YOUNG POPS FOR YOUNG ADULT”2in One定番コレクション以来17年ぶり。オリジナルアルバムとしてはラストの「ジーンズにはきかえて」を除く「微笑+MAKO II」「MAKO III+恋のディスク・ジョッキー MAKO IV」「私のしあわせ+TWENTY MAKO・6」の6枚がCD化されていましたが、MAKOちゃんに限らず収録時間の関係からか一部カットされたものもあったりして、完璧を望むファンからは酷評されたこともありましたっけ。結局、Q盤ブームが巻き起こった時代にもビクター定番COLLECTIONにラインアップされないまま、ずーっと切望されていたんですよね。
そして2008年、BOXの封印も解けた今、満を持しての紙ジャケットコレクションと相成ったワケであります。今回リリースされるのは、第1期が「 微笑(ほほえみ) 」「 MAKO2 」「 MAKOライブ1 」「 MAKO3 」「 恋のディスク・ジョッキーMAKO4 」の5タイトル、第2期が「 私のしあわせ MAKO・5 」「 TWENTY MAKO・6 」「 ジーンズにはきかえて MAKO・7 」「 BYE BYE MAKO LIVE〜8月の太陽より燃えて〜 」「 サフラン 」の5タイトル、合わせて10枚となっています。しかも、第1期の5タイトルにスペシャルCDと特製BOX(後の5タイトルも収納可能)が付いた「 オリジナル・アルバム・コレクション 30th Anniversary Special BOX 」も3000セット限定で第1期と同時発売。コアなファンは第1期はBOX、というところですが、薄いファンや欠けたCDだけ欲しいという人のためにバラ売りしてくれるのもウレシイですね。
3月のBOXにも一部入っていましたが、ボーナストラックも充実のうえ最新デジタル・リマスター音源、LPを忠実に再現した紙ジャケで、MAKOちゃんのインタビューもリレー収録と、ヒロリンや淳子を踏襲した構成だとか。
まずは78年のファースト、ジャケがとにかくカワユイ「微笑」。PLがピークを迎え、ニューミュージックが台頭、演歌も復興するカオス期にデビューし80年代アイドルブームの前に引退したMAKOちゃんですから、人気のワリにレコードの売り上げが今一つでしたが、彼女の正統派アイドルポップスは今聴いてもとっても良質。吉田拓郎や谷山浩子らの起用を見ても分かる通り、後に花開くアイドル歌謡とニューミュージックのぎこちないけれど、それがまた魅力となった融合の素晴らしさよ。近年のセルフカバーも素晴らしい「詩生活」や、「イカルスの子守歌」「私はオレンジ」が大好きでした。阿久さんがとらえたチャームポイント「苺になるな野いちごよ」は本当に的を得ていたと思います。ワタシ、当時からMAKOちゃんはノベルティソングでいく必要は全然なかったんじゃないか、そうしない方がもっと売れたのではないかと思っていますが、それは阿久さんとビクター、日テレ音楽が、PLの終焉を見越し、その後釜にMAKOちゃんを据えてしまったせいだと邪推しております。でもPLファンでもあったワタシは「狼なんか怖くない」も「わたしの首領」も大好きでしたし、MAKOちゃんをポストPLとして勝手に認定してたりして…。
そして新人賞レース参加曲にして哀愁いっぱいの第3弾シングル「失恋記念日」を含むセカンド「MAKOII」。オススメなのはシングルのB面でしたが、なぜかウチのクラスの女子の間でヒットしてた「決定的瞬間」。穂口さんっぽい凝ったアレンジがカッコよいです。そして誰もが認めるおセンチな名曲「ぽろぽろと」。コレはデビューにあたって拓郎が作ったシングル候補らしいのですが、アルバムに入っているから際立つのかもしれませんね。ボートラでは、MAKOちゃんが歌うマコの「同級生」、「夢みるシャンソン人形」が初CD化となって収録されることでしょう。
次は初CD化となるライブ盤「MAKO LIVE」をはさみ、阿久さんのエッチな詞が多い「MAKOIII」と、阿久さん断筆後の「恋のディスク・ジョッキー」ですが、パブリックイメージとしてのMAKOちゃんを体感したいならこの2作がオススメ。79年から80年前半まで、名実ともにトップアイドルの座に着いた頃の、自信に満ちたエネルギーというか、キラキラしたオーラみたいなものがアルバムを包み込んでいます。アイドルポップスがお好きな皆さんも、きっと気に入ることだと思います。ナレーションも楽しめますしね。
そんで、表現者となった「私のしあわせ」はスルーしておくとして、今回ぜひ聴いてほしいのが筒美フリーク必携、音楽的にはMAKOちゃんの最高傑作と呼びたい「TWENTY・MAKO6」。80年、イメチェンを図った「めまい」で有馬三恵子先生を起用した後、バーニング直系だったからか初期の南沙織をカバーした「彼が初恋」を発表。81年には全曲筒美作品によるこのアルバムをリリースするのですね。有馬さんのほか橋本淳さんら筒美系作詞家を起用、当時でも古くって面白いんですが、やはり有馬+筒美のシンシアコンビが光っております。有馬さんお得意の比喩とか暗喩とか、まさに70年代、ヤングのテーマ的な世界です。シングルとして切ったのがテレビでは違和感のあった「思いっきりサンバ」というのもイカしています。
アイドル時代のラストは念願の初CD化「ジーンズにはきかえて」。肩の力を抜いてバイバイするような、MAKOちゃんらしい終わり方と言えそう。ラスト曲といい、二人歩記のあの方の影響も色濃いような気もするけれど、よそゆきのワンピースを脱ぎ捨てジーンズにはきかえた、等身大の素顔をのぞかせています。「ママの日記帳」などイルカ作品との相性もいいですよね。
というMAKOちゃんの紙ジャケット・コレクション。今回は上記、すなわち81年の引退までのアルバムに加え、さよなら公演を収めたライブ(結果的にはダイジェスト盤となった)「BYE BYE MAKO LIVE〜8月の太陽より燃えて〜」と、復帰後の85年に出した「サフラン」もラインアップに入っています。ワタシは第1期でBOXを買って、第2期に臨むつもりですが、PLの時みたく歯抜けにならないよう頑張ります…。
(2008.6.2)