ヒロリン&ヨシリン、初の姉妹コンサートがDVD化!
去る5月16日、東京の文京シビックホールで開かれた岩崎宏美・良美姉妹のジョイントコンサート「Precious Night~二人だけの大切な時間~」。どちらのファンでもあるワタシもめったにないチャンスだと思い観覧させていただきましたが、この模様を収録した2枚組DVD「 岩崎宏美・岩崎良美 Precious Night 」のリリースが決定いたしました。
ディナーショーなどでの共演はあっても、コンサートは初めてという姉妹ジョイント。神奈川フィルハーモニー管弦楽団&ヒロリンのサポートメンバーがバックということもあり、皆さん、落ち着いたコンサートを予想されると思いますが、その通り。ヒロリンのカバーアルバムの「Dear Friends」シリーズで披露したデュエット曲を中心に、それぞれのオリジナルやヒット曲という構成でした。ワタシはお二人ともノリノリだった頃のライブを何度も見たことがあるせいで、あれから長い歳月が経ったなあ、などと感慨にふけったりしましたが、内容を思い出しつつ簡単に紹介しましょう。
オープニングはアルバムでおなじみのデュエット「白い色は恋人の色」。ヨシリンはカチンカチンに緊張していたらしく、歌詞を間違えて、本編終了後DVDのために歌い直すというひとコマもありましたが、一部はヨシリンのコーナー。デビュー曲「赤と黒」やおなじみの「タッチ」のメドレーより、近年のフレンチものがとにかく出色でしたね。CDで聴くよりずっとよくて、やはりサウンドに問題があったことを再確認したりして。とは言えお客さんはちょっと引いてたみたいだったし、アルバム曲とはいかなくても「恋ほど素敵なショーはない」とか「愛してモナムール」とか、昔のシングルをもっと演っても良かった気がしましたね。
中盤からふたたびヒロリンが登場し、「恋は水色」「誰もいない海」「卒業写真」などをまたまたデュエットと相成るワケですが、一部のオーラスはうれしいサプライズ! なんと「ごめんねDarling」だったのです。コーラスでは久々に黒いヒロリン登場という感じで、聴きようによってはビッグママのゴスペルみたいな雰囲気も。オーケストラではありますが、あのグルーヴ感にゾクッときて、思わずノッてしまっワタシでありました。年齢層がかなり高く、大人しいお客さんばっかりだったので、残念ながら客席一体のノリは見られませんでしたが、このコンサートではとにかくコレがキモ。今回のDVDの目玉とも言えるでしょう。
そして二部はヒロリンの独壇場。 このところクラシックづいているヒロリンですし、カンロク十分でございますから、序盤の「好きにならずにいられない 」から決まる決まる。大好きな「思秋期」もレミゼの「夢やぶれて」も、声を詰まらせた大江千里クン提供の新曲「始まりの詩、あなたへ 」も感動的でありましたが、やはり「ロマンス」「万華鏡」「シンデレラ・ハネムーン」のメドレーが圧巻でした。
全編を振り返ると、クラシカルなだけにのっぺりした構成のように思われる部分もあり、聴きたい曲が聴けないコアファンならではのもどかしさも感じる人も多そうですが、そこは姉妹の競演が実現した好企画ということでよしとしてくださいね。DVDは2枚組で特典映像も満載でしょうし、お2人のファンならとても楽しめることと思います。
ワタシは、やはりヨシリンが全盛期の堂々とした素振りとは正反対、借りてきた猫というか、終始「私はあくまでも添え物なので…」というような自信なさげな態度だったのがちょっと残念でした。でも、仲睦まじいMCもたっぷりでしたし、安田・由紀姉妹の跡を継ぐのはやっぱりこの2人しかいないと実感。なんとなく、この路線の興行が続くのではないかな、などとニラんでおります。そのうちヨシリンも堂に入ってくるんだろーな。
(2008.7.25)