太田裕美も参加! 美しきにほんのこころ再発見第2弾!
復刻盤ではないのですが、第一集も紹介したことですし、今回は太田さんも参加していますし、ご紹介しましょう。「 にほんのうた 第ニ集 」。
坂本キョージュをはじめとするアーティストが音楽の新たな可能性を追求するためにエイベックスグループとともに設立した新プロジェクト「commmons(コモンズ)」レーベルが放つ、日本の歌再発見とでもいうべきこのシリーズ。第一集「 にほんのうた 第一集 」では、大貫妙子、くめさゆり(久米小百合=久保田早紀)、コーネリアス&三波春夫、カヒミ・カリィ、キリンジ、キセル、ヤン富田、八代亜紀らさまざまなメンツが参加。もちろん現代音楽っぽく、難解な解釈のものもありますけど、こころに響く美しいうたがずらりと並んでいました。
で、今回の第二集ですが、ワタシにとっての目玉は、もちろん太田裕美の「みかんの花咲く丘」。選曲の妙に唸ってしまいましたが、童謡集「 GOLDEN☆BEST/太田裕美 どんじゃらほい~童謡コレクション 」とはひと味もふた味も違った、太田さんのボーカルの素晴らしさが堪能できること請け合いです。裕美ファンの皆さんもこの1曲だけを目当てに買ってもソンはないと思いますので、ぜひどうぞ。
ほかのラインアップはと言いますと、高橋ユキヒロが新バンドpupaのメンバー・権藤知彦くんと一緒にやった「シャボン玉」、そのバンドの紅一点を務めている原田知世ちゃんが鈴木ケーイチさんとコラボした「あめふりくまのこ」、さらにはエンケンが「黄金虫」を歌ったり、香西かおり+仙波清彦の「村祭り」が聴けたり。このへん、舌なめずりする人も多そうです。また、ビューティフルハミングバードの小池光子「椰子の実」、ピエール・バルーのお嬢さんのマイア・バルー「美しき天然」、おおはた雄一「おぼろ月夜」など、若き素敵な顔ぶれがそろっていますし、まさに一聴に価するコンピと言えるでしょう。にほんのこころが歩いてきた道を振り返りながら、これからのこころが進むべき方向を指し示す、にほんじんのうた。ジャンルを問わず、うたを愛する人にオススメしたいですね。
第一集のとき、とてもオーバーな紹介の仕方をしてしまいましたが、今回、拙文を読み直してたら、もう一度書いておきたくなっちゃった。また抹香臭いと言われそうですが、以下、コピペしますんで、ご興味がおありの方はご一読ください。
これは単に日本の原風景や当時の暮らしに思いを馳せたり、それを伝え、共通理解を得るために親子で聴く、というものではないように思えてしょうがありません。まずは、現在の日本をリードしてきた世代を中心に大人たちが、ノスタルジーや思想にとらわれずに聴くこと。そして、目に見えないという理由だけで、大切なものを失くさせてしまったことに罪の意識を感じ、深く後悔すること。唱歌の背景だとか日本がたどってきた道とか、そういうものを超えて、いやすべてをしっかりと受け止め、現実を直視しながら聴けば、これらのうたたちが必死で守ってきた大切なものが取り戻せるかもしれない。日本のこころを復権できるかもしれない。もう最後のチャンスだから、ワタシはそこに望みをつなぎたい。そんな風にさえ思うのです。だから聴いてほしい。いや、聴かなきゃならない。縁あって、この国で今を生きる日本人ならば。
(2008.6.18)