昭和50年代を彩った、歌謡ボッサの世界
なんでも今年はボサノバ生誕50年なんですと。
それにあやかってか、このたび史上初のボサノバ歌謡コンピ「 ボサノバタイム〜魅惑のボサノバ歌謡ヒットパレード〜 」がリリースされることになったそうです。
ボサノバ歌謡と言えば、ちょっと前、ソフトロックや喫茶ロックと称して、日本の歌謡ボッサが一部で脚光を浴びましたが、あれは主に昭和40年代の超マイナーな歌謡曲が中心でした。今回は、昭和50年代、すなわち70年代後半から80年代初頭にかけての比較的よく知られたニューミュージックがメインとなっています。
音楽市場の幅が広くなり、ボサノバのポピュラー性も高まっていった頃ですから、歌謡ボッサの大ヒット曲も多数生まれましたよね。このコンピもシングル曲がずらりと並んでいます。
例えば、代名詞的に取り上げられる丸山圭子の「どうぞこのまま」、尾崎亜美の「マイ・ピュア・レディ」といったオリコントップ5の大ヒットから、カバー曲であるサーカス「Mr.サマータイム」、ハイ・ファイ・セット「メモランダム」、南佳孝「日付変更線」、麻倉未稀「ミスティ・トワイライト」などのオシャレなナンバーまで。
さらには実験作として有名な太田裕美「恋愛遊戯」、長谷直美「街はボサノバ」、渡辺真知子「ブルー」、郷ひろみ「ハリウッドスキャンダル」、中村雅俊「恋人も濡れる街角」などなど、モロにボサノバといった曲のみならず、リズムやテイストがボッサな雰囲気のもの、アンニュイ、ポップも取り混ぜて収録。松田聖子の結婚前のラストアルバムから「Vacancy」が収録されてたり(通好みですな)、百恵ちゃんの「夢先案内人」も入ってます。
こうして見ると、ソフトロック系コンピでもてはやされた森山良子の名曲「雨あがりのサンバ」だけが時代が古いようで、リアル体験のないワタシたちにはその分異質な感じがしてしまうかも。
いわゆるソフトロック系の歌謡ボッサと比べてしまうと、ヒットした分下世話な感じもしますが、ワタシ的には大好きな曲がいっぱい入っているし、この夏のリラクゼーションBGMにしたい感じかも。
皆さんも知っている曲ばかりだと思いますが、こういうくくりで聴くと、逆に新鮮に感じられたりして。ソニーはこういう類のオシャレな音源の宝庫でもありますから、今度は歌謡ボッサマイナー編やAOR歌謡なんかも聴きたいなあ。
(2008.5.8)