うたを口ずさみながら、チッチとサリーに逢いにゆく。
チッチとサリーの小さな恋のものがたり。みつはしちかこさんの叙情漫画に触れたのは確か4、5歳のころ。
年の離れた従姉妹によく子守りをしてもらっていたワタシですが、家の中では本とレコードさえ与えていれば、ホントに手のかからない子どもだったといいます。近所の下宿に住んでたイトコはそれをいいことに、さほど面倒を見ていなかったよーな気もするのですが、とにかくそんな幼少期を過ごしたワタシは、ティーンのコが見聞きするレコードや雑誌、漫画などにいつも囲まれていたのでした。
その中の1冊がコレで、イトコが持ってたフォーリーブスやポルナレフなんかのLPを聴かされながら、コレと「つる姫じゃ~っ!」をよく読んだものでした。
というこの漫画、昔女のコだった人の部屋に行くと、必ずと言っていいほど本棚にあるイメージですが、最初に描かれたのはなんと昭和37年だとか。近年も本屋さんで目にしてまだ連載が続いていることに驚かされたものですが、今でも毎年1冊ずつ新刊が出ているそうです。ホント、親子3代にわたって読み継がれる長寿漫画になっているんですね。初期の作品のよりぬきも愛蔵版「 小さな恋のものがたり初恋セレクション 」として毎年刊行されていますが、今年はその第3集の発売に併せ、イメージCD「 小さな恋のものがたり~初恋CDセレクション 」が出るのだとか。
“普遍的なメロディーと歌詞の名曲を、レコード会社の枠を超え、オリジナル楽曲で収録”ということですが、どうしても発売元のビクター中心になってしまうせいか、少しギモンを感じるフシもあったりして…。
大まかに分類すると、原作の二人のイメージは、チューリップの「ぼくがつくった愛のうた~いとしのEmily~」、チェリッシュ「てんとう虫のサンバ」、ベッツィ&クリス「白い色は恋人の色」、キャンディーズ「春一番」とかで、素敵な抒情詩の部分は、加藤和彦「あの素晴らしい愛をもう一度」、ビリーバンバン「白いブランコ」、イルカ「なごり雪」が受け持ち、チッチの気分としては桜田淳子「わたしの青い鳥」、岩崎宏美「ロマンス」、麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」、サリーはガロ「学生街の喫茶店」、村下孝蔵「初恋」とかいうことになるのでしょうが、小泉今日子「素敵なラブリーボーイ」、アン・ルイス「リンダ」とかはテーマ的には合ってるとしても…。
でもチッチとサリーの熱心なファンには受けるのかな? それとも、このCDを聴きながら原作を読んでみたら、選曲の妙が分かるのかな?
個人的には、それぞれの時代のチッチ、すなわちメインの読者層がサリーのように恋い焦がれ支持していたメンツ、たとえば60年代はGS、70年代は新御三家、80年代はたのきん…なんかも入れると、より頷ける感じが出てたかも、なんて思います。
もしワタシなら、ブームだった時代、この作品に影響を受けた曲、例えば真理ちゃんの「ちいさな恋」、アグネスの「小さな恋の物語」やミヨちゃんの歌なんかも入れたかったりして…。
そんなことを考えてたら、焼きイモが大好きなチッチが、屋台で買ってるとこをサリーに見られて顔を赤くするシーン(色つきじゃないのに真っ赤なほっぺが見えたような気がします)が印象的だったことを思い出した。
F5のあきらのプロマイドをしおりがわりにはさんでた隣の席の子の横顔と、財布につけてたパンダのキーホルダーも。ちょっと恥ずかしい気もするけれど、今は無性にチッチとサリーに会いたくなっています。
(2008.5.2)