Perfumeへと連なる、テクノ歌謡の歴史を!
往年のテクノ歌謡と最近のPerfume人気。どういった関係性があるのかは存じませんが、テクノ歌謡世代である中年層からの支持も高いようですし、逆にPerfumeからテクノ歌謡へと遡っていくヤングも多いと聞きます。そういうPerfume人気のなせるワザなのか、ニュースになってたイモ欽トリオの再結成が背景にあるのか(ナイと思う…)、いやYMOから始まるテクノ生誕30周年を記念した「 テクノ歌謡 アルティメット・コレクション 」のリリースがアナウンスされました。
真っ先に思い出すのがP-ヴァインが世紀末に出した名シリーズ・テクノ歌謡コレクション。おバ歌謡的な趣が強かったり、発売が中止になったタイトルがあったり、話題に事欠かなかったように記憶していますが、近年の復刻ラッシュへと連なる再評価ムーブメントの一翼を担ったのは確かです。で、今回、かのソフトロック・ドライヴィンみたく、“遅れてきたソニー編”になるのかと期待しましたが、内容は初心者向けの入門編という感じ。
そう思ってしまうのは、やっぱり2005年のYMO復刻の流れで発売された「イエローマジック歌謡曲」や「テクノマジック歌謡曲」が出ているせいでしょう。今回はそのダイジェスト版といった印象が強いものとなっています。とゆーか、あの2作がソニー編だったと見るべきなんでしょう。
収録予定曲は、ソニーのトンデモ(?)テクノ歌謡の代名詞であるアパッチ「宇宙人ワナワナ 」、南佳孝「憧れのラジオ・ガール」、聖子の「わがままな片思い」、真鍋ちえみ「ねらわれた少女」、シーナ&ザ・ロケット「浮かびのピーチ・ガール」スネークマン・ショー「咲坂と桃内のごきげんいかが 1・2・3 」、戸川純ちゃんの「玉姫様」、小池玉緒「鏡の中の十月」といったソニー&アルファ系から、テクノ歌謡草創期の榊原郁恵「ROBOT」やジューシィ・フルーツ「ジェニーはご機嫌ななめ」をはじめ、山下久美子「赤道小町ドキッ」、高見知佳「くちびるヌード」など例のシリーズの時に発売中止となってしまったコロムビア勢、イモ欽のNo.1ヒット「ハイスクール ララバイ 」やピンク・レディーの実験作「Last Pretender(ラスト・プリテンダー)」、テクノなことが当たり前になってしまった時代のTPO「HOSHIMARU音頭」、宍戸留美「コンビニ天国」まで、新旧の王道的テクノ歌謡がざっくりと網羅されています。
最近よく思うのですが、もし前世紀末に出てたならマニア垂涎となるナンバーでも、今ではらくらく音源入手できますからねえ。アパッチなんか、オーダーメイドとは言えベストCDが販売されるご時世。ホント、つくづく良い時代になったものですね。
なお、続くタイトルもブリッジから連続リリース予定、書籍の方でも「 テクノ歌謡マニアクス 」を彷彿とさせるガイド本「テクノ歌謡 ディスクガイド」が近々刊行予定だそうです。
(2008.10.17)