買っときましょうか? 一応な! 待望の久世ドラマDVD化!
天才・久世光彦さんがお亡くなりになって3回忌の今年。ついにあの作品がDVD化されます。そう、あの「ムー一族」!
久世さんご存命の時に出たBOX「寺内貫太郎一家」から始まって「寺内貫太郎一家2」「時間ですよ1971」「時間ですよ1973」とTBS水曜劇場の名シリーズが順調にDVD−BOXで発売されてきました。
そして今回、77年に大きな話題を呼んだ「ムー」の続編として翌78年に放映された「ムー一族」がBOXになるのです!
皆さんご存じの通り「ムー」シリーズはドラマ、バラエティー、歌番組など、さまざまな芸能が渾然一体となって宇宙化しちゃったような不思議な魅力をたたえた作品でした。
特に続編となる「ムー一族」は、ドタコメなんていうレベルを超えてエスカレートしまくり、幼児期から久世さんのドラマに魅せられてたワタシさえ、ちょっとあきれたりしておりましたが、今ではある意味、久世さんが突き詰めた人間の本能に訴えかけるドラマの真骨頂であり、エンタテインメントの最高峰ではないかと思っています。
で、今回のBOXは2つに分け2カ月連続でリリースされるようでして、前編の「 ムー一族 DVD-BOX 1 」は6枚組で1話〜18話を、後編の「 ムー一族 DVD-BOX 2 」は7枚組で19話〜39話を収録というビッグスケールになっております。特典も豪華で、BOX1には「謎が謎呼ぶムー一族ガイドブック」(読みたい!)、BOX2にはあのヘンでカワユかったオリジナルキャラクターのフニフニ&お化けステッカー、エジプトロケ用特製ステッカーが封入されるそうです。
まさに永久保存版と言えるこのBOX、久世さんやひろみファンのみならず、樹木希林、岸本加世子、清水健太郎、桂木文、近田春夫、日吉ミミらそれぞれのファンの皆さんにもぜひオススメしたいものです。
伊東四朗さん、渡辺美佐子さんという芸達者な2人が夫婦という設定で、老舗の足袋屋・うさぎやを舞台にしたこのドラマ。シリアスな部分もギャグシーンもその魅力は限りないんですが、ウチ的には歌の話題をするべきでしょうか。
となれば、やはり拓郎&金田(カネタです!)コンビこと、郷ひろみ&樹木希林の活躍でしょう。「ムー」の時はオーバーオールで劇中歌「お化けのロック」(両A面のB面扱いでした)を歌い踊ったこの2人、「ムー一族」でやったのはご存じ「林檎殺人事件」でした。久世さんと作詞の阿久悠さん、CBS・ソニーの酒井政利さんという好敵手同士だった鬼才トリオが団結したうえ、作・編曲の穂口さんも「微笑がえし」で絶頂期でしたから、ビックリするほどの名曲ですよね。PL全盛期ならでは、コミカルな振り付けも素晴らしかったし、ザ・ベストテンでは1位をマークしています。
アドリブも多く、寺貫のヒデキに続き、ひろみの局部にもよくタッチしていた希林さん。テレビで見るワタシたちは抱腹絶倒でしたが、久世ドラマってリハーサルの積み重ねに尽きるそうですから、かなり苦労したそうです。ムーって、久世さんお得意の生放送が特に多かったですしね。当時から折に触れ、希林さんを恩人と語るひろみですが、それは芸に厳しい希林さんにかなりシゴかれたからなんだとか。
ほかにも、日吉ミミが歌い阿久さんの手腕が光る中島みゆき作曲の「世迷い言」、岸本加世子に代わって劇中歌を努めた桂木文(ひろみのGF役だった)の「短篇小説」、横尾さんの絵が浮かぶクリエイションのオープニング「暗闇のレオ」、突然ディスコと化した部屋でひろみが歌う「HELL OR HEAVEN」、シミケンと司美穂のシーンに流れる「しのび逢いのテーマ」など伝説の名曲がテンコ盛り。リリースまでは間があるので、サントラのCD「 「ムー」サウンドトラック 」や、いつもの「 TBS 水曜劇場の時間ですよ 」を聴きながら待つことにしましょうか? 一応な!
あ、関係ないけど、シミケンで思い出した。ワタシ、清水健太郎の復刻を切望してるんですけど、いろいろ問題がありましたんでムリでしょうか。セカンドアルバム以降も名盤が多いし、未CD化のシングル曲も「きれいになったね」とか「さらば」「ドロウ」とか、名曲がいつかまた聴ける時がきますように。
時の流れという恩赦が訪れて、「 清水健太郎/DREAM PRICE1000 失恋レストラン 」だけじゃなくフルベストぐらいは出る状況になればいいなと思ってます。
(2008.4.23)