バブルに咲いた無機質デュオのシングルBOX!
翔子とさっちんのWINKも、デビュー20周年目突入へ。
ということで、これまでにリリースされた全音源と全映像作品をボックス化するという記念企画が立ち上がりました。
まずは第1弾として、88年から96年まで、8年間の活動期間(今は活動中止らしい…)のシングル全25枚をマキシ化したCDボックス「 WINK CD SINGLE COLLECTION~1988‐1996シングル全曲集~ 」が発売されます。
88年のデビュー曲にして、南野陽子主演ドラマのテーマだった「Sugar Baby Love」は、懐かしいルーベッツ(当時はこの表記でしたよね)のカバー。子どもの時から大好きな曲でしたけど、あまりの声量のなさにビックリしたものです。
3曲目のこれまたナンノ主演のドラマ主題歌にしてカイリー・ミノーグのカバー「愛が止まらない~Turn it into love~」でブレイクを果たすんですけど、有線から火がついた感じでしたね。
バブル終焉期の濃ゆい時代、あの狂乱の彩りとは異なる無表情と機械仕掛けのアクション。可憐だけれど無機質な造花の魅力に似ていましたね。
結局5枚目のオリジナルシングル「淋しい熱帯魚」でレコード大賞に輝いてしまうのですが、WINKの良さって、やはり卓越した選曲センスにあったように思います。
大好きだったドゥーリーズの「ボディ・ランゲージ」のカバー「Only Lonely」(「涙をみせないで~Boys Don't Cry」カップリング)にしても、PPMの「500マイル」の「背中まで500マイル」(「淋しい熱帯魚」カップリング)にしても、ともすれば全盛のユーロビートオンリーに流れそうなのに、ジャンルも年代も問わず、いい曲を持ってくる姿勢。
WINK自体にはさほど惹かれなかったワタシでしたが、あのカバーセンスには脱帽したものでした。こういうカバーも、キャラクターが立っていないからできたことかもしれず、逆にWINKというデュオの魅力を再認識したこともありましたっけ。
と言いつつ、結局はそのアクのなさも飽きられたのかどんどん下降線をたどります。
フツーならそのままフェイドアウトということになりそうですが、そうじゃないのがWINKのスゴイところかも。
93年の「咲き誇れ愛しさよ」で見事返り咲くんですよね。これは、資生堂CMソングとして大量のスポットが投入されたせいでもあるし、大黒摩季を作詞に起用し、織田哲郎(ワタシの高校の先輩)が作曲と当代売れっ子のビーイング系だったことに起因しますけど、コレが意味するのはWINKって実は曲で勝負するデュオだったってことですよ。
というワケで、ワタシにとってのWINKって、思い入れはなくとも、たまに聴きたくなってCDを引っ張り出してしまうアーティストなのでした。
と、またゴタクを並べ立てましたけど、楽曲は素晴らしいのは間違いありませんで、コレクションしたい方にはぜひオススメしたいですね。
WINKの根強いファンがどれほどいるか存じませんし、シングルボックスの需要がどこまであるかは分かりませんけど…。
なお、このボックスには、特典として未発売音源をパッケージした1枚が付き、26枚組になるそうです。
(2007.10.22)