シリーズ最大の目玉はリンリン・ランラン初ベスト!
レコードメーカー5社共同による新企画、エッセンシャル・ベストシリーズ。
15曲入りで1470円也、1曲100円を切るお得なプライスは、持ってないアーティストの音源をそろえるのにうってつけ。選曲は王道ですが、とりあえず押さえるのには便利なシリーズです。
3社については前回紹介しましたが、その後編、残る2社、ビクターとソニーのラインアップです。
このエッセンシャル・ベストは、年内の期間限定生産盤にもかかわらず、GOLDEN☆BESTの後継に位置するんだとか。G☆Bも初登場からもう5年が経ちましたし、もう特設コーナーを設けているショップもないでしょうし、特定の人気アーティスト以外は在庫がハケたとしても発注をかけることも少なく既に生産中止がアナウンスされているタイトルもあるようですから、こういう流れになるのが自然なのでしょう。
しかし、ワタシはベストしか出ないアーティストでさえ素敵な切り口で届けてくれたり、収録時間ギリギリまでめいっぱい収録してくれたりという親切心が大いにあったG☆Bがお気に入りだったものですから、カタログにはずーっと残してほしいなと思っています。
さて、残る2社、まずはそのG☆Bに参入したばかり(と言ってもヒロリン、淳子の単発)のビクター。
エッセンシャル・ベストでは、麻丘めぐみから渡辺はま子まで、時代もジャンルもバラバラなのがビクターらしいかも。
それはおいといて、ここでの大注目は、急きょ発売中止になったヒロリン(G☆B、復刻とリリースが続いたせいかな?今後登場することでしょう)に代わって滑り込んだ「 エッセンシャル・ベスト リンリン・ランラン 」! カンゲキの初ベストです。
淳子の妹分でもあったし、「スタ誕」のレギュラーでその人柄がいっぺんに好きになって、ファンでした。偶然にも最近、友人が彼女たちの音源をデジタル化してくれ、後期のシングルなど(サードアルバム「夢の世界」は最高傑作だと思う)を30年ぶりぐらいに聴いたのですが、忘れていたフレーズもしっかり歌えて、ちょっと驚くほどだったのです。
番外編のうたノートにもリンリン・ランランの想い出を書こうかな、なんて思ってた矢先でしたから、もう舞い上がっちゃって。
しかし、現時点の収録予定リストには、その「恋はラブ・ラブ」も、「恋の雨音」も、おそらくラストシングルの「小さなプロポーズ」も入っていない…。ガイド本でも欠落しているせいかもしれませんが、もしまだ間に合うなら、そのへんよろしくお願いいたしま~す。
ワタシ的には、今回は出るだけで満足ですので、シングルが欠落してたってかまわないんですけど、迷ってるコレクターの方たちはフルコンプだったら即買いして、売り上げがもっと伸びそうです。
あとは久々のリニューアルベストとなる麻丘めぐみ「 エッセンシャル・ベスト 」がオススメ。あ、「そこまで言って委員会」を欠かさず見てるワタシは「 エッセンシャル・ベスト 」もスイセンしておきましょう。
そして、ソニーミュージックはと言いますと、目新しいラインアップではないのですが、今ではベストが入手困難な「 エッセンシャル・ベスト にしきのあきら 」。今回は初CD化の曲も入っているみたいです。
そして、忘れてはならない、CBS・ソニー邦楽部門初のオリコン1位獲得アーティスト、真理ちゃんの「 エッセンシャル・ベスト 天地真理 」。
ワタシとしては初の全音源BOX「 天地真理 プレミアム・ボックス 」を聴いていただきたいのですが、ドン引きしてるようでしたら、まずはこの廉価盤で真理ちゃんの魅力を再確認してみてください。
ほかには30周年でますますパワフルなまっちゃん「 エッセンシャル・ベスト 渡辺真知子 」に、ユーミン作品集としても楽しめる「 エッセンシャル・ベスト 小林麻美 」などがオススメです。
いずれも、レコ屋でフツーに買える市販商品としては何年も新ベストが出ていなかったメンツがほとんどですから、店頭で見られるのも楽しみです。
ただ、通販専用商品や別ルート商品と混同して、「ベスト乱発」とか「ファンをバカにしている」なんていう短絡的な意見を仰せの方もいらっしゃいますが、もう社会や企業の仕組みも十二分に理解できるイイ年をした大人なのだから、いい加減にすれば…なんてつくづく思います。
お客様第一主義のはき違えが招いた1億総クレーマー時代ですし、関係各所もつい敏感に反応してしまうのも存じてはいますが、買ってもないのに文句だけ言う人が多いみたいなんだもん。
ついゴタクばかり並べてしまいましたが、このエッセンシャル・ベストシリーズ。第2弾、第3弾と順調に続き、ラインアップが広がることを祈っております。
個人的な希望を言えば、今回の偶然の産物、リンリン・ランランみたくエッと思うのを各メーカー1タイトルでもいいから混ぜてほしい。
例えば、コロムビアなら渋谷哲平や大橋恵理子とか、ユニバーサルは小川みき、鹿取洋子や松居直美(コロムビアと連携で)、EMIミュージックは川島恵、ビクターなら佐良直美にシェリー、あゆ朱美、太川陽介、BIBI、ソニーなら清水由貴子や相本久美子(ワタシは今、クリッパーが聴きたい)とか。
世間を揺るがした大ヒットはなくても、一部の人の心には大きな足跡をに残したアーティストを。そのためにも、このシリーズが成功することを祈っております。
(2007.7.4)