荒井&松任谷ユーミン、シーズンコンピ後編!
ユーミンの持ち味である、季節の移ろいを表現した曲を集めた四季ベスト「SEASONS COLOURS」シリーズ。
前に春夏編を紹介しましたが、予定通り第2弾「 SEASONS COLOURS-秋冬撰曲集-(初回生産限定盤)(スペシャルボックス仕様) 」の発売が決定しました。
収録曲には、「ノーサイド」「BLIZZARD」「リフレインが叫んでる」といった、シングル化されていないのに誰もが知っているヒット曲をはじめ、「一緒に暮らそう」「かんらん車」「冬の終り」など、オータム&ウインターソング33曲が勢ぞろい。
かつてはセレモニーのように毎冬にニューアルバムをリリースしてた時期もあったユーミン。スキーのBGMの定番でしたし、冬と言えばユーミンの季節ですし、曲を聴けば冬景色の思い出がよみがえる人も多いことでしょう。
最新リマスタリングのおかげで、35年の音のバラつきもさほど感じさせない仕上がりになっているのもウレシイ。
で、今回の目玉は何と言っても初回盤で、なんと通常盤「 SEASONS COLOURS-秋冬撰曲集- 」より1曲多く全34曲を収録。
そう、荒井由実時代のサポートメンバーを中心に共演を果たしたキリンラガーのCMソング「あの日にかえりたい」の新録バージョンがボーナストラックとして入っているのです。
また、新旧ユーミンの写真をあしらったスペシャルボックス仕様は、春夏編と一緒に収納できるということです。
なお、セピアカラーのたたずまいが印象的なジャケットは、前回と同じく風景写真。前回はなんと熊本の水前寺公園だったとかで驚きましたが、今回はどこなんでしょうね。
お年を召されて、いろんな意味で丸くなった気がするユーミン。
そしてその分だけ、アーティストパワーも戻ってきたように思います。先の「シャングリラIII」を拝見して、ユーミンとマンタさんがずっとめざしてたエンタテインメントと芸術性の融合の到達点を実感して、そう実感しました。
この夏、ユーミンの強靱なプロフェッショナルさというか、底意地というか、それをずっと維持している裏側の努力に感服したワタシ。演出と相まって、どうしてそこまでして…という、やりきれない悲壮感みたいなものを感じて泣いたりしましたが、今思うのは、演出であろうがユーミンたちがけして見せなかった部分を今回さらけ出したことの潔さへの感情ではないかと思います。
そして確信するのは、ユーミンがたぶんここ何年か、ずっと何かに迷ってたことへの答えが明確に出たのではないかということです。
みんなが惹かれてやまない、ユーミンの本物の一流品という部分を、これからも見せ続けてほしい。
80年代、亜流をダイレクトに駆逐するユーミンも勇ましかったけど、受け手のレベルが落ちて亜流が本流みたいになってしまった現在、今のユーミンができるやり方で、世にはびこる偽物を駆逐していってほしい。
甚だ偏った考え方ではありますが、このベストを聴きながら、ワタシはきっとそんなことを思うような気がします。
(2007.8.17)