元・子猫ちゃんのかわゆいフレンチポップ!
昭和歌謡の殿堂、コロムビアの復刻ライン、昭和アーカイブスシリーズ。
ワタシ的にはちょっと傾向が違うので、第2弾はスルーしてましたが、第3弾には食いつきます。
中の1枚ですが、あのミミのファーストアルバム「 かわいいシャトン 」がまさかの復刻なんですもん。
ミミというと、ワタシ世代ではやはり「仮面ライダー」でしょうね。先達であったリンダのラインに位置するキャラで、ちょっとヘンテ子でしたが、ワタシはいつもお守りをしてもらってたイトコにとても似ていたので、かなり好きでした。
そしていつの間にかぐんとカワユクなって、フレンチポップな「おしゃれな土曜日」でデビュー。チョップするような振り付けを覚えている人も多いでしょうね。
結局、あんまり後が続かず、女子プロレスラー・ミミ萩原になって再出発したり、教祖様になって世間を驚かせたり、その波瀾万丈さは筆舌しがたいものがあります。
最近は宗教からは離れ、広島を中心にライブ活動してるといいますから、ホント、人生ってわからないものですね。
さて、そんなミミのこのアルバムは、ご本人の出自と大いにリンクしているであろうフレンチテイストいっぱいの仕上がり。
2枚のシングルをはじめとしたオリジナルもその雰囲気だし、「シェリーに口づけ」「夢みるシャンソン人形」「オー・シャンゼリゼ」といったフレンチポップスとしておなじみの楽曲もカバーしています。
舌足らずで甘い歌声とメイクも含めたコケティッシュなルックスは、センスの光るタイトル通り、子猫ちゃんという感じですね。なお、このアルバムには、ボーナスとして、ミミ時代の残りのシングル「恋愛志願/渚の予感」「水色の予感/恋の部屋」も収録される模様です。
ワタシは、70年代半ばまでの、フレンチソングが普通にヒットしてた頃の素晴らしいトラウマがあるので、この路線には理屈抜きに惹かれてしまいます。
例えば香水(例えるならニナ・リッチ)に混ざったポップコーンのバターの香りとか、デパートや映画館の人混みでかいだ匂いみたいなのがよみがえってきて、ノスタルジックな思いに駆られるのです。そういう場所では、必ずミッシェル・ポルナレフとかがかかっていましたし。
あの時代までおフランスものが持っていた特別な高級感。現在ではけして得られないからこそ、思いが募るのかもしれません。
それと、こういう路線は近年の昭和歌謡ブームでもまだドップリとは侵されていない領域のように思いますし、ワタシ自身もあまり聴き返さないでいたものですから、余計におしゃれに感じるのかも。
あの時代の空気感を覚えておいでの人ならば、きっとキュンとなること請け合いのコンプリート・コレクション。ワタシも存分に味わいたいと思っています。
(2007.8.22)