オススメ復刻盤「アン・ルイス 紙ジャケット・コレクション」

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  ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#203

アン・ルイス 紙ジャケット・コレクション

HEAVY MOON(VICL-62422)、I Love Youより愛してる(VICL-62423)、ROMANTIC VIOLENCE(VICL-62424)、Dri夢・X-T-C(VICL-62425)

*2007.6.21発売、各¥2,500

元祖ロック歌謡の女王・紙ジャケ再発!■

 近年ではセルフカバーを出したりしているものの、デザイナーを生業にしてロスに引き込もったままだというアン。

 バリバリ過激な歌謡ロッカーのイメージが強い皆さんには意外に思われるかもしれませんが、ワタシはもう30年以上も前の「うわさのチャンネル」で、オドオドしながらハチャメチャになろうとしてた表情が忘れられないので、現状もさもありなんだと思っております。

 親友だった太田裕美さんがアンと一緒にやってたラジオで「アンは私と違って、古風で大人しいもんね」という言葉も、それを裏付けるモノでありましょう。

 そういう意味でも、ワタシははにかみ屋のハーフタレントという位置づけだったアイドル時代や、♪リンリンリンダのナイーブさを映し出した企画もの「チーク」シリーズが好きなんですけど、ここに来て83~85年まで、分かりやすく言えば「ラ・セゾン」の後から「六本木心中」前夜までのアルバムが紙ジャケ復刻されることになりました。

 なんだかんだ言っても、渡辺プロ友の会会員でしたから、アンの情報は熟知してましたし、よく聴いたアルバムも含まれておりますから、ご紹介しておきましょう。

 まずは、83年の「 HEAVY MOON(紙ジャケット仕様) 」。
 チャーのプロデュースで先行シングル「LUV-YA」はスリーター(分かる?三輪スクーターでした)のCMソングにもなりました。
 NY帰りの太田さんとノンストップ・ダブルプロモーションみたいな2人セットのメディア露出も展開してたので、太田さんの「Far East」とセットで聴いた人も多そう。タイトルは「思いつき→重い月→HEAVY MOON」になったとか言ってたように思います。

 お次は百恵ちゃん作詞のタイトル曲がスマッシュヒットしたUK録音の「 I Love Youより愛してる(紙ジャケット仕様) 」。
 キャンディーズのバックでもおなじみだった西慎二くんのサウンドプロデュース。前作のボロルックとは一転したエレガントなジャケにも注目です。
 こうして見ると、ホントエリザベス・テーラーに似てますね。

 そして、この中ではワタシがイチバン好きな「 ROMANTIC VIOLENCE(紙ジャケット仕様) 」。
 伊藤銀次プロデュースですが、これはマジに素敵なSMロック歌謡!16才のワタシは言葉の意味は知ってたものの「SMスナイパー」なんてもちろん見たことがなくって、とても勉強になりました…。
 タイトル曲とシングル「薔薇の奇蹟」が秀逸で、ジャケットの世界が映像で繰り広げられるプロモーションビデオには目が釘付けになったものです。このアートワークが大好きで、部屋に張ってたポスターは、いまだに持ってると思う…。

 そして、過激さを継続した同じく伊藤さんプロデュースの「 Dri夢・X.T.C(紙ジャケット仕様) 」。
 冒頭では幼き美勇士くんの声も聴けますし、80年代後半の大ブレイクを予感させる好盤でしょう。早見優をロックへシフトさせ「Tonight」を歌わせたり、アネゴ的存在になっていった頃の自己解放パワーが心地よいですね。

 なお、ビクターの紙ジャケは帯の再現性がいいですし、再発ならではのリマスタリングも期待したいところです。

 と振り返ってみて、ライブにも行ったことを思い出したりしましたが、その浮揚がなんとなくバブルと重なってしまったのは実に残念な限り。
 でも近年もドラマの主題歌に起用されたり、カバーされたり、再評価の気運が高まっていることはうれしいですし、この後のアルバムへと言うよりはホントに再発してほしい「ピンク」シリーズや、「チーク」三部作へとつながればいいですね。
 やはりワタシの場合、ちゃんとしてる表情のアンが最も好きだから。

 余談ですが、アンの転機って78年の「女はそれを我慢できない」でしたけど、あの衝撃ってスゴかったですよね。大好きな歌でしたが、なんだか人格が豹変した感じがしたことをハッキリ覚えています。
 新婚さんユーミンの「甘い予感」でメロウな感じだっただけにそのギャップはスゴかった…。

 さらに蛇足ですけど「甘い予感」で思い出すのは、その昔、ビクターがやってたテレホン歌謡曲というテレホンサービス(シングルのレコ袋に電話番号が載ってました)。ワタシは一時期、PLやヒロリンの新曲とおしゃべり目当てにこっそり電話をかけてたものですが、そこではよくアンも登場していました。
 77年の夏の終わり、「ウォンテッド(指名手配)」と「思秋期」を聴きたくて毎日のようにかけたけれど、アンの「甘い予感」からちっとも切り替わらなくて悔しい思いをしたりして。

 というアン・リンダ・ルイスの思い出でした。

(2007.5.2)

*2013年9月には、タワーレコード限定でこれらの再復刻をはじめ、初CD化となるピンクシリーズの「 シンクピンク!<タワーレコード限定> 」「 ピンク・キャット<タワーレコード限定> 」や「 リンダ<タワーレコード限定> 」などアン・ルイスの旧譜が一挙再発&初CD化されています。


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