怒濤のビクターG☆B、目玉は太陽くん!
遅れてきたのが功を奏したのか、これまでの重い腰が上がっただけか、最近その精力的な再発が各方面で高い評価を受けているビクター。
実績から言ってもベストが発売されていないのが不思議なアーティストがたくさんいましたから、それぞれのファンの皆さんにはやるせない思いをしていた方もいらっしゃったことでしょう。
そんな皆さんの積年の思いが晴れる日がついにやって参りました。そう、あの名ベストシリーズ・G☆B。後発参入ながら、ビクターのスゴイラインアップが発売されることになったのです。
他社はもうG☆Bからエッセンシャル・ベストにシフトしているのに…という声も聞かれますが、こんなにゾクゾクと出るなら、そんなことはもういいじゃないですか!
まずは、目玉として挙げたいのが“昇れ!太陽くん”こと太川陽介くん。
サン・ミュージック所属、淳子の弟分のイメージで久々の大型新人として76年暮れにデビューを飾りました。当初、ティーン雑誌とかは超期待の扱いでしたよね。結局、歌だけでなく、俳優や声優、司会にコントに、何をやらせてもそつなくこなすマルチタレントになるワケですけど、そのせいで、レコ大新人賞受賞曲「Lui-Lui」のアクションくらいしか人々の印象に残ってないようですが、いい曲はたくさんあります。
穂口さんが手がけた哀愁フォーク歌謡のデビュー曲「陽だまりの中で」(作詩がいではくって、演歌班だったってこと?)は真面目な人柄が感じられましたし(この頃はヘタなダジャレを飛ばす人とは思わなかった)、正統派っぽい感じがとても支持されていたように記憶してます。
余談ですが、この人や渋谷哲平が成功しなかったのは、新御三家の壁があまりにも厚かったせいだと思う。ジャニーズでさえ、ひろみが出ていった後は総倒れでしたもんね。
で、今回のCD初ベスト「 GOLDEN☆BEST 」には、そんなヒット曲をはじめシングルがテンコ盛り。
現時点での収録予定曲は、上記に加えセカンドの「南風」、2年目の勝負曲だったハズなのにあまりプッシュされなかった「Cry Cry Cry」や青春歌謡「もって行け思い出」、筒美先生のトレンド歌謡「ヨーヨー」など試行錯誤の跡が伺える作品や、倍賞千恵子と共演したNHK銀河テレビ小説のテーマ「ぼくの姉さん」、筒美作品にして本人キャラと最もマッチしていた「それはないよお嬢さん」、ディスコティークな「ビーナス・イン・ブルージン」、レッツヤンのテーマでもしかしたら太川陽介の中で一番有名な「ムーンライト・カーニバル」、あの頃の青春を感じる「走れ!江の電」、ギターを弾きながら歌ってた自作の「おとぎ話」、「西遊記」みたくブームになると思ってたけどならなかった日テレドラマ「猿飛佐助」の主題歌「心の翼」と並びます。
声優を務めた「白バイ野郎ジョン&パンチ」改め「パンチ&ボビー」(ボビーが陽介くん)の日本版テーマ「Hey、ミスターバイク!」(たぶん他社音源)が入ってるのに、ドラマ「かくれんぼ」の「そこに微笑みが」が漏れているような気がしますが*、ディスコグラフィーをちゃんと覚えてるワケではないので何とも言えません…。
その代わり、モリケンやヒデキなどLPで歌った先輩男性アイドルや、さだま系フォークのカバーが入るようです。
そういえば、松田聖子演じる松田聖子初のキスシーンのお相手は陽介くんだったなあ…などと感慨にふけりながら、耳を傾けることにいたしましょうか。
(2007.7.30)
*シングルA面+話題曲という構成で「そこに微笑みが」も収録される模様ですが、上記はあくまでも予定曲ですので正式な情報をご確認の上お求めください。(2007.7.31追記)