J.Iの新作は、筒美京平を歌う！
期待せずに聴いた昨年のカバーアルバム「 RevivalII
」もとても良かったしね。で、12月16日、シングルを集めたベスト「 コンプリート・シングル・コレクション
」が発売されるので、それを取り上げようかとも思いましたが、やっぱニューアルバムをご紹介することにします。なぜって、新作「 Unchained Melody
」は「稲垣潤一、筒美京平を歌う」という企画だから。「ドラマティック・レイン」 「夏のクラクション」など筒美先生の書き下ろしでビッグネームになったJ.I。筒美作品はお手のものという感じですけど、今回はなんとプロデューサーに松尾潔を迎えてます。
これって絶対松尾Ｐの夢だったんだと思うけど、やっぱケミストリーやゴローでは無理だと思ったのかな。
そんなことはさておき、このアルバムは監修も筒美先生が務め、セルフカバーや女性歌手の作品を含むヒット曲＆名曲のカバー、さらには17年ぶりの書き下ろし新曲「Unchained Melody」も収録されております。
ワタシ、女性歌手の曲を歌うと聴いて、やはり太田裕美とかを期待してたんだけども、蓋を開けたら大橋純子の「たそがれマイ・ラブ」や高橋真梨子の「とまどい小夜曲」と、当たり前という感じでちょい落胆したんですけど…。
そんな気持ちを吹き飛ばしたのが、ジャニーズ作品の数々。少年隊の「君だけに」なら、ああなるほどネ！というリアクションでしたが、なんと、トシちゃんの「抱きしめてTONIGHT」をやってるのですぞ！ あのJ.Iが！ できんの？と思ったものの、今ではトム・ジョーンズばりのノリで決めるJ.Iもアリかな、なんて感じてます。
シティ・ポップス同士、毛色が似てるってゆーか、どう見てもJ.Iフォロワーだった池田聡の「マリッジ」もやってるけど、ワタシ、あの詩にJ.Iってどうかと思う。絶対、鶴岡雅義とロマンチカとかに歌ってほしい世界だと思うけどな。
あとは、やっぱ松尾Ｐの偏愛の賜物、ゴローの「グッド・ラック」ですかね。松尾さんは前からコレをケミストリーでやりたいって公言してるみたいですけど、そんな思いがそこはかとなく漂ってます…。
という好企画、ホントはオリジナルの新曲で構成したのも聴きたいのですけど、しばらくは愛聴盤になりそーな、魅力あふれる一枚です。
（2005.10.3）
