85年に生えた、まつげちゃんのフルコンプ!
まつげちゃん! デビューした時は絶対売れると思ったんですがねえ。
まつげのみならず眉毛も濃く、ちょっと毛深くてニキビにも悩んでいそうだったけど、石野真子っぽいルックスと、野太くてしっかりしとした歌唱力だったし、初期聖子を思わせるアイドルポップスの王道をゆくデビュー曲「メロウ・シーズン」もよかったし。
「明星」なんかでも単独カラーページを割いてましたし、サンミュージック&ワーナー・パイオニアで事務所的にも、レコード会社的にもイチ押し的なカラーだったんですけど。
密集したまつげにマッチをのせたりお決まりのことをしつつも、雑誌でのコメントやテレビの発言なんかではワリと我の強そうな印象もありましたし、少なくとも最初は網浜直子あたりよりはイイ感じでした。
しかし、85年という時代的には、なんとなく中途半端だったんでしょうね。中山美穂はおいといても、もう夏の音楽祭なんかでは本田美奈子、芳本美代子の競り合いに負けちゃったイメージがあります。
確かにクオリティの高い曲をちゃんと聴かせる数少ない実力派ではありましたが、2曲目3曲目と進んでも、他の子たちみたくビジュアル的に開花することがなかったのが、抜けきれなかった原因ではなかろうか…。ワタシも、第2弾が出る頃には松本典子へとシフトしましたから…。
方向性を迷っていろんな曲調にトライしたり、途中で“実加子”と改名するも結局は不発に終わり、ついにはヌードにと、お決まりのコースをたどってしまったまつげちゃん。なんだか罪の意識に苛まれてしまうんですけど、ワーナー・パイオニア所属だったことが功を奏してか、アルバムがCD化(「Blossom+2」)されたこともありましたし、後にそのCDが中古市場で高騰するほど、隠れた人気を誇っていたのでした。
再CD化なんかはもう無理だろうなと思ってたとこへ、このニュース。VIVIDから復刻されます「 コンプリート・ブラッサム 」です。
タイトルでも分かるように、最初で最後のアルバム+未収録のシングルなどを含んだ2枚組の完全版。
すなわち、シングルで言えば「メロウ・シーズン」 「蒼いときめき」 「個人生活(プライバシー)」 「ちょっと告白」 「ハート秒読み」 「TOUCH MY HEART」 「ツイン・ホリデー」に、12インチのプロモ盤「TOUCH MY HEART」 まで入っているという、オールソングス・コレクションなのです。
典型的アイドルポップからユーロビートまで、安定したボーカルが楽しめますので、橋本美加子も橋本実加子も知らない、という人にもオススメ。
作家陣も結構豪華ですので、三浦徳子+小田裕一郎の聖子コンビの曲が好きだという人も、阿木耀子+来生たかおという組み合わせに興味をそそられる方も、神田広美ファンのあなたも、ぜひどうぞ。
(2007.4.26)