天国のカメ吉君に感謝をこめて…
シュリークス時代は知らなくても、イルカファンにとってカメ吉君(故 神部和夫さん)はラジオなどを通じて、とても親しみを感じる人であったと思います。
アイドルファンの皆さんには、小沢なつきのプロデューサーとしての姿がおなじみでしょうか。
そんなカメ吉君が長い闘病生活を送っていたことを全然知らなかったワタシは、突然の訃報を聞いてとてもショックでした。
イルカの心中を察するにつけ、なんだか泣けてきましたが、ワイドショーで見たイルカは、すべてをきちんと受け入れ、愛を信じる者だけが持つ瞳をしてた。変な同情みたいな気持ちを抱いてたワタシは、そのしっかり生きていこうとする様に、自分を恥じ、そして逆に励まされた思いでした。
愛にあふれ、エハラーとしても知られるイルカのことですから、きっと今も目には見えない手紙のやりとりをしていることでしょう。
山田パンダや、今ではレポーターの所太郎ら初期シュリークスのメンツが集まって再結成をしたという話も聞かれましたが、やはりシュリークスはカメ吉君なしにはありえないでしょう。
そんなシュリークスの1stアルバム「 ふるさと(紙ジャケット仕様) 」が久々に再発されることになりました。
カメ吉君が書いたオリジナル曲や山本直純作の「きみまつと」のほか、「知床旅情」や「琵琶湖周航の歌」などの叙情歌から「コキリコの唄」といった民謡まで、カメ吉君の素朴で優しいボーカルを中心にした永遠の名曲たち。
同じ伝承歌であっても、赤い鳥のような完璧な美しさとは全く違う味わい。例えるなら、懐かしい故郷を訪ね、縁側でお茶を飲んでるような…素というか、ありのままというか、日常の積み重ねの延長にある、うたの世界ではないかと思います。
今回は紙ジャケでの復刻ですから、「 イルカのうた(紙ジャケット仕様) 」とペアでそろえたいですね。
ワタシは子どもの頃から「クジラのスーさん空をゆく」が大好きで、今でもカメ吉君がメインボーカルのシュリークス版を聞くと、どんなにイラだっている時でも、たちまち優しい人になってしまいます。カメ吉君の隣で、おどけて歌い踊るイルカの姿を思い浮かべて…。
イルカを通して、愛と夢をいっぱい届けてくれたカメ吉君。ワタシたちは、その愛と夢をムシャムシャいただいて大きくなってこられた。
アルバムを聴きながら、ワタシたちにできることを、諦めないで、少しずつでもいいから、やっていこう。できないかもしれないけれど、努力していこう。シュリークスとイルカのうたを口ずさみながら。カメ吉君たちがくれた、愛と夢をいっぱい抱えて。
(2007.6.16)