少女時代のアンに逢える! カーペンカーズのカバー傑作!
紙ジャケで復刻が進むアンですが、やった!
かねてから熱望していました名盤チークシリーズ三部作が、ラインアップに加わりました。
78年の「女はそれを我慢できない」から過激なロック歌謡を繰り広げていたアンですが、80年、竹内まりやが提供した「リンダ」から、オールデイズへの取り組みもはじめます。それがこの「チーク」シリーズ。
まずは、その「リンダ」の英語バージョンが聴ける「 CHEEK(紙ジャケット仕様) 」。同じくまりやの「涙のワンサイデッド・ラヴ」に加え、「ワン・ボーイ」や「リーダー・オブ・ザ・パック」などのオールデイズを、エレガントなアレンジと流ちょうな英語(当たり前か)で歌っています。
狙いは、まりや言うところの「すてきなヒットソング」の60年代で、ジャケットも当時ホントにオシャレで憧れたものです。
これが好評だったために出た続編「 CHEEKII(紙ジャケット仕様) 」も、その延長線上にある作品。「ジョニー・エンジェル」「忘れたいのに」「逢ったとたんにひと目ぼれ」「ウイル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロウ」などの60年代ヒットに、大瀧御大の「夢で逢えたら」などを絶妙にプラス。
違和感がないのもお見事ですが、国内制作のカバーにありがちな和製感が一切感じられないのがスゴイ。原宿の60年代ショップとかで流れてても何ら違和感のない、まさに本物という感じの仕上がりです。
そしてワタシがイチオシするのが第三弾の「 CHEEKIII(紙ジャケット仕様) 」。
コレは時代が下がって、アンの青春時代という、カーペンターズ集。これまでにもさんざん書いてきましたけど、マジに超名盤なのです。
「愛にさよならを」「ア・ソング・フォー・ユー」「雨の日と月曜日は」「愛は夢の中に」「ふたりの誓い」「愛のプレリュード」「スーパースター」などなど…平たく言っちゃえばまんまコピーなのですが、アンの歌声はまるでカレンに生き写し。
独自の解釈というものではないカバーはオリジナルを超えられるはずがない、なんてお思いの方も多いとは思いますが、コレは別格。オリジナルよりもなんとも言えない深みを感じてしまうのは、これらの曲とともに過ごしてきた彼女自身の日々や思い出が、歌声にギュッと詰まっているように聞こえるからなのでしょうね。
そういう意味では、ボーカリストとしてのアンの力量が発揮された一枚と言うべきでしょうか。初期のアンがこういう路線を貫いていたらよかったのに、なんて思わせる仕上がりです。
また、ハイスクール時代のアンのポートレートをベースにしたイラストも、ノスタルジックで素敵です。そしてワタシはこのアルバムを「六本木心中」の頃に出していることに、大きな意義を感じますね。
ワタシはこの三部作を20年以上も愛聴していますが、今年の冬はヘビロテになりそう。
なお、クリスマスソングを集めた驚きの「 Pink Christmas~Pukkalicious CHEEK IV~ 」も同時発売されるそうです。さあ、次は「ピンク」シリーズだ!
(2007.9.28)
*2013年9月には、タワーレコード限定で「
CHEEK III<タワーレコード限定>
」の再復刻をはじめ、初CD化となるピンクシリーズの「
シンクピンク!<タワーレコード限定>
」「
ピンク・キャット<タワーレコード限定>
」や「
リンダ<タワーレコード限定>
」などアン・ルイスの旧譜が一挙再発&初CD化されています。