第7弾はノエルのクリスマスプレゼント！

　イルカさんのデビューといえば、夫君でありプロデューサーでもあったカメ吉君こと神部和夫さん率いるシュリークスに、女子美の学生・保坂としえとして加入したのが始まり。それが1971年ですから今年でちょうど半世紀、めでたく50周年を迎えられております。
　昨年のプレ50周年には「シュリークス復活！with冬馬」をテーマに愛息とニューアルバム「 原石時代 」（ こちらで紹介）を制作。そして本番となる今年5月には、ヒストリーブック付きの2枚組記念ベスト「 あたしだってLove song!」をリリースするなど記念企画は着々と進められ、コロナ禍で延期を余儀なくされていたイルカの魅力全開のライブも今月には「イルカ 50th Anniversary コンサート ～ほのぼの行こうね！～」もの東京公演も開催。さらには南こうせつおいちゃんや太田裕美さんとのジョイントコンサートも活発化し、ファンの間では大きな盛り上がりを見せています。
　そんな中、恒例のアーカイブ・シリーズ第7弾「 イルカ アーカイブVol.7 「冬の贈り物」 」のリリースも決定！　まさにイルカからのクリスマスプレゼントという感じの内容に仕上がるようです。
 
　これは、イルカの軌跡をたどり過去のアルバムを復刻する企画として、2013年にスタートしたものですが、ただのリマスタリング復刻ではなく、ボートラやイルカの秘話満載のライナー付きという、コアなファンほどが大喜びする好企画。
　これまでにVol.1「イルカの世界」＆「夢の人」とVol.2「イルカ・ライヴ」＆「植物誌」（ こちらで紹介）、Vol.３「我が心の友へ」＆「FOLLOW ME」とVol.4「ノエルの不思議な冒険」（ こちらで紹介）、 Vol.5 「いつか冷たい雨が」「あしたの君へ」（ こちらで紹介）、Vol.6 「BIG CHALLENGE」（ こちらで紹介）が発売。
 
　いずれも好評を博しておりますが、今回はVol.4「ノエルの不思議な冒険」と同様、オリジナルアルバムとは一線を画すノエルシリーズのスペシャル企画。
　構成は、77年にリリースされた「ボヘミアの森から」と、90年の「Noël ファンタスティックな冬物語」という2枚のクリスマスアルバムのCDに、83年の短編アニメ映画「ジェレミーの木」のDVDをプラス。まさに、イルカからのクリスマスプレゼントという内容になっています。
　イルカのライフワークの絵本「ちいさな空」シリーズのクリスマス版といえばわかりやすいでしょうか。イルカの分身でもあったノエル君と、実際の愛犬をモデルにしたきんのすけ。ファンシー文具としても人気を博したあのコンビと一緒にクリスマスを祝うような、温かくほのぼのとした世界に包まれること請け合い。
 
　CDの方は、讃美歌をはじめとするカバー曲やオリジナルによるクリスマスソングが満載で、イルカのおはなしも収録。これまでに何度もCD再発されていますが、今回は１つのパッケージとしてまとまることがキモでしょう。
　DVDの「ジェレミーの木」は、大作「ノエルの不思議な冒険」と同時上映された心温まる短編アニメ。80年に発表された「ちいさな空」シリーズの絵本を原作に、80年のアルバム「我が心の友に」に収録された同名曲や「鳥の記憶」などが使用されているほか、大のイルカファンで楽曲提供も受けていた大場久美子が声優として出演しています。
 
　コロナ禍で身も心も殺伐としてしまう今だからこそ、やさしい気持ちを取り戻せるようなイルカの冬の贈り物。
　いつも言ってますが、イルカの音楽って、一見するとちいさな空に浮かぶ雲みたいにのんびりほんわか、性善説のメルヘンに見えるんですけど、実はそうではない。根底には現実を見据えた厳しい瞳があり、音楽には大地に根を張ってたくましく生き抜く生命力を映し込んでいるような気がします。
　だからこそ、これからも大切に聴き続けたいし、イルカの歌う、人間いや生き物である限り持ってる良心みたいな音楽をやっぱり大切にしていこうと思います。　
　忘れかけていた大切なことを思い出すためにも、今年のクリスマスは、ノエルときんのすけと一緒に過ごしてみませんか。