71年のソロアルバムが初CD化！ 

　今春行われた筒美京平先生のトリビュートコンサート「～筒美京平 オフィシャル・トリビュート・プロジェクト～ ザ・ヒット・ソング・メーカー 筒美京平の世界 in コンサート」では、松崎しげるによって歌唱された名曲「さらば恋人」。
 
　ご存じマチャアキこと堺正章さんが、71年に放ったソロデビューシングルですが、このたび、その曲を含む同年のソロアルバム「 (コロムビア昭和歌謡アーカイブズ) ひとりぼっちのマチャアキ 」が、UHQCDによる「コロムビア昭和歌謡アーカイブズ」シリーズの1枚として、初CD化されることになりました！
 
　このアルバムのオリジナルリリースは71年9月。北山修＋筒美コンビによる「さらば恋人／気らくに生きよう」「青空は知らない／恋人なんかすてちまえ」という既発シングル2枚を収録した上、同時発売でTBS系水曜劇場「時間ですよ」の劇中歌として「涙から明日へ／朝の手紙」をシングルカットと、3枚のシングルをフィーチャー。そのほかは洋邦のカバーという当時らしい構成となっております。
 
 　オリジナルではやはり筒美ナンバーといいたいところですが、「青空は知らない」はマイナーフォークにつき、オススメは「恋人なんかすてちまえ」。翌年の全曲筒美作品のよる名盤「サウンド・ナウ」（ こちらで紹介）に連なる、グッド・フィーリングなフィリーソウルです。
　ドラマ制作陣の小谷夏（久世光彦）＋山下毅雄コンビによる「涙から明日へ」はドラマでは天地真理とデュエットしていましたが、レコード会社の壁が厚かった当時ですから、当然マチャアキのソロで収録。ちなみに真理ちゃんの方はファーストアルバム「水色の恋／涙から明日へ」で、こちらも1人で歌っています。
 
　カバー曲としては、まず邦楽がザ・スパイダース時代はかまやつひろしのナンバーだった「どうにかなるさ」、坂本九ちゃんのレパートリーとしても知られる「見上げてごらん夜の星を」、当時、デューク・エイセスが歌う番組主題歌がリバイバルヒットしていた「遠くへ行きたい」の3曲。
　洋楽の方は、フレンチポップスがベストテン入りしていた時代ならでは、アダモの「雪が降る」、エルベ・ビラールの「さよなら」、エンリコ・マシアスの日本語版「わかっているよ」というフレンチな3曲です。
 
　なお、今回の「コロムビア昭和歌謡アーカイブズ」シリーズには、弘田三枝子の「 (コロムビア昭和歌謡アーカイブズ) ミコR&Bを歌う」「 (コロムビア昭和歌謡アーカイブズ) ミコR&Bを歌う(第2集)」（追悼BOX「 弘田三枝子・プレミアム ［6CD+DVD］ 」のリリースも決まったとか！）、いしだあゆみの「 (コロムビア昭和歌謡アーカイブズ) アワー・コネクション」、雪村いづみの「 (コロムビア昭和歌謡アーカイブズ) スーパー・ジェネレイション 」というおなじみの名盤がラインアップされ、マチャアキだけが浮いているみたいですが、オンデマンドCDサービスもなくなっただけに、今後も初CD化のタイトルが続いていくことを願っています。
 
　ところで、コロムビアではこれまで、プラケースに加え紙ジャケこれくしょんなど幅広いジャンルで展開された「コロムビア昭和アーカイブス」や、ちあきなおみのアルバム復刻これくしょんのイメージが強い「コロムビア昭和歌謡アーカイブス」というシリーズがあったと思いますが、今回はUHQCDにつき、濁点が付いた別シリーズとなっているのでしょうか。そんな疑問が頭をもたげております…。