デビュー50周年突入で555曲の配信解禁！

　芸能生活としては、ジャニーズ事務所でフォーリーブスの弟分として初舞台を踏んでから今年でちょうど50周年の郷ひろみさん。岩谷時子＋筒美京平コンビによる「男の子女の子」でのレコードデビューから数えると、この8月1日で50周年目に突入するんですよね。
 
　4月の「～筒美京平 オフィシャル・トリビュート・プロジェクト～ ザ・ヒット・ソング・メーカー 筒美京平の世界 in コンサート」で久々にナマのひろみを拝見しましたが、リアル“ソニー坊や”としてゴーゴーレッツゴー、レッツゴーひろみ！などと黄色い声援を送られていた当時を鮮烈に覚えている身としては、永い永い歳月が経ったと思うと同時に、光陰矢の如しであることも実感します。
　育ての親であるジャニーさんも、筒美先生も、岩谷先生も、酒井さんもこの世を去ってしまって余計にそう思うのかもしれませんが、新御三家だったヒデキやゴローと同じく、何があろうとひろみは永遠のアイドルであることに相違ありません。
 
　さて、そんなひろみの50周年イヤーの幕開けということで、8月4日には106枚目となるニューシングル「 100GO!回の確信犯」をリリース。この曲は、なんと18歳のトラックメイカー・SASUKEが作詞、作曲、ミックスを担当したことで若い世代の間でも話題を呼んでいますが、我々リアル世代にとってビックリしたのは、数々のヒット曲のサンプリング。
　いきなり「お化けのロック」の樹木希林の声が聞こえた（ホントのお化けかと思ってドッキリした…）かと思ったら、楳図かずお＋筒美京平の大名曲「寒い夜明け」のフレーズが飛び出したり、「20才の微熱」のカックイーサウンドで締めくくられたり、ほかにも「男の子女の子」「よろしく哀愁」「お嫁サンバ」「2億4千万の瞳－エキゾチック・ジャパン－」「GOLDFINGER '99」といった代表曲16曲のサンプリングが随所に施されているのですから、往年のファンも大喜びしている様子です。
　しかもカップリングはバート・バカラックの最新作からのカバー。両面の企画の素晴らしさに天国の筒美先生も手を叩いて喜んでいらっしゃる気がします。
 
　というように、いつまでも現役バリバリで常に進化を続けるひろみらしい旧譜の使い方だし、もはや基本がデジタルなのは当然だと思っていましたら…なんと、数多くのヒットナンバーや代表曲を完全網羅した全555曲（一部バージョン違いや外国曲などを除く）のサブスク＆ダウンロード配信も解禁とのこと！
 
　ひろみの場合、節目の周年には何らかの企画商品をリリースしていて、4年前の45周年には70年代のオリジナルアルバム復刻BOX「The 70's Albums」（ こちらで紹介）が満を持してリリース。ゆえに50周年は80年代オリアルBOXかと期待していただけに、正直ちょっとガッカリしてはいますが、一気に聴けるようになることだし、初期の筒美作品をはじめ、ひろみの名曲群を、若い世代にも世界の皆さんにも届けられる配信を素直に喜びたいと思います。
　ちなみにサブスクは Apple Music、 Amazon Music Unlimitedなど。
　ダウンロードは iTunes、 レコチョク、 amazonデジタルミュージックなどの各ストアで、1曲から購入が可能です。ベスト盤も多数対象となっている上、かなりディスカウントされていますので、ひろみビギナーの方がまずダウンロード購入するなら、最もお得な25周年の97年にリリースされたシングルAB面全147曲入り8枚組方CD-BOX「 ALL THE SINGLES 1972-1997」（Amazonなら12,000円ポッキリ）をどうぞ。
 
　なお、未CD化タイトルがある80年代のオリアルですが、CD草創期だった82年の「 哀愁のカサブランカ」「 愛の神話」、83年の「 TAILORED SONG」はオリジナル発売時にCD化されていますし、オリジナルのCD発売はなかった「 比呂魅卿の犯罪」ですらテクノ歌謡がらみで2005年に復刻済み。
　84年の「 ALLUSION」からはLPと同時でCD発売となりますから、ひろみのオリアルで未CD化なのは、80～81年にリリースされた「 MAGIC」「 How many いい顔」「 PLASTIC GENERATION」「 アスファルト・ヒーロー」という4作のみ。
 
　今の時代の流れでは、アナログ盤復刻が現実的で、CD化は期待薄な感じもしますが、やっぱり70年代の紙ジャケ復刻アルバムと同じく、パッケージとして欲しいのが人情というもの。フォーリーブスとのジョイントを含め、ほとんどが未CD化のライブアルバム（今回も配信対象外の模様）や、主演映画のサントラも含め、いつまでも待ちたいと思います。