ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#1091
アグネス・チャン SMS時代オリジナルアルバム復刻 2タイトル
ABC AGNES +11(BRIDGE-341)・美しい日々 +7(BRIDGE-342)
*2022.2.23発売、各¥2,750<税込>

初CD化!英語教育&「ひとつだけ」初出盤!

 今年の11月で日本デビュー50周年を迎えるアグネス・チャンさん。
 オミクロン株の感染拡大が進む中ではありますが、1月26日には記念コンサート「アグネス・チャン 平和の歌声よ、届け! 歌でつづる私の半世紀」を無事開催し、テレサ・テン路線に転向したクラウン時代の3枚組ベスト「 ~アグネス50周年記念~クラウンコンプリートコレクション しあわせの花束をあなたに」もリリース。
 お祝いムードで盛り上がっている様子ですが、このタイミングでブリッジからの紙ジャケアルバム復刻の続編、SMS(サウンズ・マーケッティング・システム)時代の第2弾2タイトル「 ABC AGNES +11」「 美しい日々 +7」の発売もアナウンスされました!
 
 ちなみに、アグネスが最初に所属したワーナー・パイオニア時代のアルバムは、昨年5月のライブアルバム3タイトル復刻( こちらで紹介)を皮切りに、オリジナルアルバム第1弾3タイトル( こちらで紹介)、第2弾3タイトル( こちらで紹介)、第3弾1タイトル( こちらで紹介)、第4弾4タイトル( こちらで紹介)、第5弾1タイトル( こちらで紹介)と続いて完結済み。
 よって今回は「ヨーイドン +10」「不思議の国のアグネス ~AGNES IN WONDERLAND~ +12」( こちらで紹介)に続くSMS時代の第2弾で、いずれも初CD化となります。
 
 まず「 ABC AGNES +11」は、1979年8月リリースの企画盤。“聴きながら楽しく学べるアグネスの英語教室!!”という帯コピーや、角帽をかぶったアグネスのジャケットでも分かるように、国際児童年にふさわしい子ども向けの英語教材といった趣のアルバムです。
 しかし、侮ることなかれ! シングル「鏡の中の私(Through the Looking Glass)」を手始めに「不思議の国のアグネス ~AGNES IN WONDERLAND~」へと続いたゴダイゴとのコラボレーションアルバムで、インターナショナルアーティスト同士の企画の延長線上といいますか、オマケ的な位置づけとなっているのです。
 当時の最新シングル「100万人のJabberwocky」の原曲「Talkin' Jabberwocky」の再収録もありますが、「ABC」「Head and Shoulders, Knees and Toes」などおなじみのカバー曲以外はゴダイゴ御用達の奈良橋陽子さんと、タケやミッキーさんも参加。再収録曲以外ゴダイゴは演奏をしておらず、ちょっとチープな印象が否めませんが、まさにアグネスmeetsゴダイゴのスピンオフ盤という感じで、ゴダイゴにとっても「ビューティフル・ネーム」の姉妹編といってもいいかもしれませんね。
 ボーナストラックは、全曲ではありませんが、マスターテープに残っていたという11曲のインストを追加収録しているそうです。 
 
 もう1枚は79年11月リリースのレギュラー盤で、同時発売のシングル「春不遠(はるとおからじ)」をフィーチャーした「 美しい日々 +7」。
 かつてアグネスのバックバンドにいた矢野顕子さん(当時はYMOのサポートメンバーとしてワールドツアーに出ていました)書き下ろしの大名曲「ひとつだけ」の初出アルバムとして、アッコちゃんファンにはおなじみの1枚ですが、あの曲の印象度は低く、トータル的には全盛期のニューミュージックを意識し、サウンドも含め本来のアグネスの路線に戻ったフォーキーなアルバムという感じです。
 
 元々がフォーク志向で、香港時代から自作もしていたアグネスですし、この頃はトレンドに乗ってシンガー・ソングライターとしての活路を見出そうとしていましたが、その手ほどきを行ったのが、このアルバムのコアチューン「かくれんぼ」などを提供した阿部敏郎さん。
 「あせるぜ」のスマッシュヒットで知られるシンガー・ソングライターで、このアルバム制作を通じてアグネスと急接近。熱愛報道も出るなどファンをやきもきさせたことでしたが、彼の手によってアグネスのソングライターとしての資質が開花したことは確かです。
 その成果は今回ボーナストラック収録された「言葉が消えた」(「春不遠」B面)や、次作シングル「ぼくの海/Children of the Sea」にきっちりと表れていますので、アグネスの軌跡の中では大きなターニングポイントといえるでしょう。
 
 ちなみにボートラは前述の「言葉が消えた」や、「100万人のジャバウォーキー/風まかせ、愛まかせ」というアルバム未収録のシングル曲に加え、「不思議の国のアグネス ~AGNES IN WONDERLAND~」に入っていた「 Woops,What‘s This ?」イントロフルバージョンなど計7曲になるとのこと。
 個人的には「Wonderland」の単独バージョン(98年の「ヒット・コレクション」に収録)を補完していただきたいので、次回に期待です。
 
 余談ですが、新進レコード会社・SMSにとって、アグネスは小柳ルミ子さんと並ぶ稼ぎ頭だったけに、この79年のリリース数には驚くばかり。レギュラーの新譜としてはシングル3枚とアルバム3枚、ベスト盤としては「ザ・ベスト・オブ・アグネス・チャン」と2枚組の「美・美の四季」に加え、コンセプトベスト「DIARY」という3作。
 さらには、全て廃盤にしたワーナー時代の作品を再発。シングルは「ひなげしの花/妖精の詩」から「グッド・ナイト・ミス・ロンリー/アゲイン」までというカップリング盤を一挙リリース。アルバムは「草原の輝き」「ハッピー・アゲイン」「愛のメモリアル」「フラワー・コンサート」というオリアル、ベスト、ライブ盤をカラーレコードで限定発売。ルミ子さんも同様のリリースでしたが、レコード店の棚がスゴイことになっていたのを思い出しますね。
 というワケで、アグネスのSMS時代のオリアル復刻、次はいよいよ80年代に突入です。
 
 

(2022.1.27)

 
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