祝45周年、コロムビア時代の音源網羅BOX！

　1976年にデビューして今年で45周年を迎えた庄野真代さん。早くから記念のBOXをリリースすることがアナウンスされていましたが、正式に発売日が決定！ DVDを入れた12枚組のスケールによる「 デビュー45周年記念 MAYO BOX～Nippon Columbia Days～ ［11CD+DVD］」として、10月に出ることとなりました！
 
　関西でヤマハのボーカルオーディションを経て、ポプコンナンバーの譜面歌手や風コーラス団の初期メンバーとしても活動していた真代さん。
　とはいえ、デビューのきっかけはヤマハではなく「全国フォーク音楽祭」。75年の関西・中国・四国地区代表として全国大会に進み、自作の「金魚草」を歌ってコロムビアにスカウトされ、翌76年5月にシンガー･ソングライターとしてシングル「ジョーの肖像」でデビューしたのでした。
　この年には、ゆいまこと名義で作詞した「グッドバイ・モーニング」が世界歌謡祭でグランプリを獲得するなど、自作曲にも定評のあった真代さんですが、ブレイクを果たすのはボーカリストとして。
　ユーミンのカバー「中央フリーウェイ」で注目を集めた後、筒美京平作品「飛んでイスタンブール」「モンテカルロで乾杯」などが連続大ヒット。後の活躍はご存じの通りですが、人気絶頂の80年に当時の夫君、小泉まさみさんと世界一周の旅に出たり、音楽を通じたチャリティー活動にも積極的で、ライブハウスを運営したり、昔から決断力や行動力もずば抜けているんですよね。そういえば参議院選挙に立候補したこともあるほど。
 
　そんな真代さんですが、今回のBOXは、76年から84年までのコロムビア時代を網羅した12枚組というスケール。
 
　内訳としては、まずデビューアルバム「あとりえ」、サディスティックスが参加したセカンド「るなぱあく」、「グッバイ・モーニング」のセルフカバーやべーヤン提供の「ラスト・チャンス」にユーミンのカバー「中央フリーウェイ」も入った充実サードの「ぱすてる 33 1/3」というひらがな三部作。
　続いて、ブレイク後の筒美系アルバム「ルフラン」「マスカレード」という世界旅行シリーズの大ヒット作に続き、中森明菜もカバーした「アデュー」を含むシンガー･ソングライター回帰の「私旋律（バラード）」、休業を決めてリリースされたライブ盤「L0AST SHOW」、とここまでが全盛期です。
　ほかは、世界一周の旅からカムバック後の「逢・愛・哀」「メイド イン トーキョー」「紅HOTEL」。これらアルバム10枚に、アルバム未収録のシングル曲＆レア音源集を加えた「SINGLES ＆ RARE TRACKS」がCD構成となっています。
 
　ちなみに、「ルフラン」「マスカレード」は90年代のCD文庫で、「るなぱあく」「ぱすてる 33 1/3」「ルフラン」「マスカレード」は近年の金澤寿和さんのLight MellowシリーズでCD化されていますし、あ～る盤やオンデマンドCDでCD-R盤の発売も盛んだったコロムビアならでは、残りの6枚もCD-R化はされていますがCD盤としては初となりますので、ファン待望の初CD化といえるでしょう（余談ですが、コロムビア時代のシングルはMEG-CDとしてCD-R化、A面集は「庄野真代 ゴールデン☆ベスト-シングル・コレクション+筒美京平作品集-」＝UHQ-CD版は こちらで紹介＝としてCD化されています）。
 
　BOXには、これらのCDにデビュー10周年コンサートの模様を収めた87年発売の映像ソフト「MAYO EXOTiC LIVE」をDVD化してプラス。
　さらに、本人監修によるブックレットは全128ページという大ボリューム。ロングインタビューやセルフライナーノーツ、活動年表、未発表を含む秘蔵写真なども掲載されるそうです。
 
　なお、コロムビアの後は、東芝EMIを経てファンハウスへ移籍した真代さん。デビュー40周年の2016年にリリースされた「GOLDEN☆BEST 庄野真代 愛情」（ こちらで紹介、解説＆インタビューを担当させていただきました）には、ファンハウス時代の筒美作品（セルフカバーを含む）をメインに、東芝での筒美作品も網羅されていますので、ぜひこの機会に併せてどうぞ。
 
　もちろん今も現役の真代さん。昨年はコロナ禍を逆手にとって、33年ぶりの完全オリジナルアルバム「 66」（太田裕美さんも詩を提供）を発表。
　４月の筒美京平トリビュートコンサートでも実感したことでしたが、同世代のアーティストの中でも全く衰えを見せず、ピカイチの安定したボーカルを聴かせています。
　10月9日には45周年記念コンサートも開催とのこと。成功を心よりお祈りいたします！