名曲コンピシリーズの第6弾、新作登場！

　巷では相変わらずブームが続く昭和歌謡や昭和ポップス。今や当時を知らない若い世代にまで浸透し、１つのジャンルを形成したといえますが、CDでその中心を担ってきたベストセラーコンピ「心に響く」シリーズの新作「 続・心に響く唄」が登場することになりました。
 
　このシリーズは、まだヒット曲がみんなのものだった昭和40年代以降のナンバーを中心に、歌謡曲、フォーク・ニューミュージック、アイドルポップスなど、さまざまなジャンルから心の琴線に触れる歌を集めたもの。
　振り返れば、2013年の「心に響く唄」（ こちらで紹介）を皮切りに、「心に響く旋律」（ こちらで紹介）、「心に響くご当地ソング」（ こちらで紹介）、「心に響くラブソング」（ こちらで紹介）と続き、2019年には集大成の「心に響く唄BEST」（ こちらで紹介）までがリリースされ、今回で第6弾となります。
 
　当初は全く売れる気配がなかったように記憶しておりますが、タイトルの勝利なのか、懐かしの水曜ロードショーや金曜ロードショーみたいなジャケットの効果なのか、生協チャネルでは度々プッシュされるなど地味に売れ続け、いずれもロングセラーを記録。
　「心に響く唄」は発売から5年経ってオリコン最高位となる78位をマークし、2018年に出た「心に響くラブソング」は43位にランクイン。そして昨年の「心に響く唄BEST」は38位と、この類のCDでは大ヒットと呼べる売れ行きを示し、まさに名コンピシリーズの仲間入りを果たしたといっても過言ではありません。
 
　今回もCD2枚組で、収録曲は全38曲。既発の5タイトルと重複曲は一切なしで、「泣ける歌」をテーマにセレクト。
　コロナ禍で癒やしの再評価が高まった松田聖子「瑠璃色の地球」や、歌手デビュー40周年で今またクローズアップされている薬師丸ひろ子「Woman～『Wの悲劇』より」といったタイムリーなナンバーをはじめ、おなじみの曲が多数ではありますが、松山千春「大空と大地の中で」、よしだたくろう「人生を語らず」といったシングルではない有名曲、元々は松田聖子へのプレゼント曲だった五輪真弓「熱いさよなら 」、村下孝蔵がファンだった中森明菜をモチーフにしたといわれる「少女」などエピソード的に面白い作品もチョイス。
 
　今や大御所のさださん、正やん、チンペイさんがグループにいたときのナンバーや、ユーミン、みゆきサン、大瀧御大、小田さんの提供曲やカバー曲もあって、歌謡曲とニューミュージックの融合というあの時代ならではの雰囲気を感じますし、筒美京平先生と、阿久悠さんとのコンビによる大橋純子「たそがれマイ・ラブ」や松本隆さんとの太田裕美「最後の一葉 」、すぎやまこういち先生が山上路夫さんと組んだガロ「君の誕生日」など、職業作家がニューミュージック側にアプローチしたプロフェッショナルな作品も一緒にパッケージされていて、なんと贅沢な時代だったことを実感。
 
　さらに、シモンズ「ひとつぶの涙」、谷山浩子「サーカス」、タケカワユキヒデ「白い街角 」、クリスタルキング「セシル」、永井龍雲「桜桃忌-おもいみだれて-」など、フツーのコンピ盤には絶対に入らないであろう隠れ名曲も収録されていますので、好事家の皆さんも楽しめる内容になっていると思います。
 
　なお、名曲コンピとしては、オリコントップ10入りも果たしたメガヒットシリーズ「クライマックス」の新作として、90年代総集編といえる超お買い得な2タイトル「 ザ・ベスト・オブ・クライマックス [50 J-POP TRACKS] '90-'94」「 ザ・ベスト・オブ・クライマックス [50 J-POP TRACKS] '95-'99」も今月発売。年末年始のお供に、併せてどうぞ。