アルバム復刻第3弾は、ライブ盤！

　デビュー50周年を記念して企画された、西城秀樹さんの全アルバム復刻。
　今後2年にわたり全てのアルバムが紙ジャケ復刻されることになっていますが、6月の第1弾5タイトル（ こちらで紹介）、9月の第2弾6タイトル（ こちらで紹介）で70年代のオリアルが完結。12月の第3弾は80年代のオリアルになるかと思いきや、ライブ盤5タイトル「 西城秀樹 オン・ステージ 」「 西城秀樹リサイタル/ヒデキ・愛・絶叫！」「 全国縦断サマーフェスティバル’75 ヒデキ・オン・ツアー 」「 西城秀樹リサイタル/新しい愛への出発 」「 MEMORY/西城秀樹20歳の日記 」とのこと！
　しかも発売日はクリスマスイブということで、白い教会で至上の愛を感じるような、ヒデキからのクリスマスプレゼントとなっております。
 
　日本の音楽シーンにスタジアムライブを定着させたり、武道館を制覇したり、前人未踏のコンサートを行ってきたヒデキですので、毎年のようにライブアルバムをリリースしてきましたが、CD化はといいますと、1994年のライブベストBOX「HIDEKI SUPER LIVE BOX」や、2012年の通販BOX「絶叫・情熱・感激」（ こちらで紹介）でベストチョイスされた音源が聴けるものの、アルバム単位では復刻されておりませんでした。
　よって今回はアルバムとしては全て初CD化！　ライブはヒデキの真骨頂ですし、ココで初めて食指が伸びるという皆さんも多いのではないでしょうか。
 
　さて、今回の5タイトルは一部オリジナルの発売順とは型番が異なりますが、まずは73年の大阪毎日ホールでのデビュー1周年記念コンサート実況録音盤「 西城秀樹 オン・ステージ 」。
　「青春に賭けよう」が最新曲だった頃、まだワンマンコンサートが珍しい時代ですし、バックのバンドも時代がかっていますが、構成は、ロックンロールを中心とした洋楽カバーと、ヒット曲をベースにしたオリジナルで、既にヒデキらしいコンサートスタイルがのぞいています。
　歌で応える質問コーナーなど、関西独特の熱気に包まれ、ブレイク前夜のまだ青いヒデキが魅力的ですし、全身姿のダブルジャケットがライブ写真でないのも時代を感じさせますね。
 
　続く「 西城秀樹リサイタル/ヒデキ・愛・絶叫！」は、73年11月、東京郵便貯金ホールにおける実況録音盤。五郎やひろみに遅れを取ったものの「情熱の嵐」でブレイクを果たし、続く「ちぎれた愛」で新御三家初のオリコン1位を獲得。新曲「愛の十字架」もいち早く披露し、波に乗ったヒデキの快進撃のムードまでもが録音されているかのよう。
　なお、オリジナルLPは2枚組でしたが、今回は1枚ものとしてのリリースとなっています。
　また、当時は内容をカットした4ch対応のレコードもリリースされていますので、今後SACD化にも期待です。
 
　そして2枚組のためか、今回の型番は逆になっていますが、順番で行くと「 西城秀樹リサイタル/新しい愛への出発 」。74年10月、これまた東京郵便貯金ホールにおける実況録音盤、オリジナルLP通り、2枚組でのリリースです。
　この年は「激しい恋」「傷だらけのローラ」で押しも押されぬスターとなり、紅白出場も決めるなど、風格すら漂わせるようになったヒデキ。前半の洋楽カバーもいいですが、後半のこれでもかと続けるヒット曲が圧巻です。
 
　「 全国縦断サマーフェスティバル’75 ヒデキ・オン・ツアー 」は、75年夏、富士山麓の特設野外ステージを皮切りに行われた初の全国ツアーの模様を収録。大がかりなステージセットにも負けないエキサイティングなライブパフォーマンスは、ドキュメンタリー映画「ブロウアップ ヒデキ」としても残されておりますが、このライブ盤はその映画公開前に発売。オリジナルLPは2枚組でしたが、今回は1枚ものとしてのリリースです。
　オリジナルと洋邦カバーを分けず、取り混ぜた構成によって、ヒデキのダイナミックさがより際立っているよう。よりこだわったステージングを目指すヒデキの志までを感じるといえば言いすぎでしょうか。
 
　そして、赤ちゃんだった頃のヒデキの写真をジャケットにした企画盤「 MEMORY/西城秀樹20歳の日記 」。20才の記念碑的アルバムといえる2枚組のベスト＆ライブで、生い立ちからレコード大賞までをナレーションと歌で綴ったこれまでの軌跡「ヒデキ20年のドキュメント」と、日本人ソロ歌手としては史上初の武道館ライブ「秀樹コンサート・ライブ」をパッケージ。
　今聴くとヒデキの声の若さに驚きますが、当代一の人気スターでも浮ついたところない、本当に真面目で誠実な人柄がしのばれます。
 
　という、ヒデキのライブ盤紙ジャケット復刻5タイトル。今回もGOH HOTODAさんによる最新デジタルリマスタリングですし、6タイトル まとめ買い の場合は、恒例の特典としてオリジナル缶バッジセットがもらえるそうです。
 
　コアなファンにとっては3カ月ごとのお楽しみになっているでしょうが、全タイトルは無理でも今回試しに買おうと思っている人や、リアルタイムのヒデキを知らない人には、最後の「MEMORY/西城秀樹20歳の日記」をオススメしたいと思います。