百恵ちゃんに次ぐ、ソニーのナンノ四季ベスト！

　1985年のデビューから数えて、昨年が35周年のアニバサーリーイヤーだったナンノこと南野陽子さん。
 
  あいにくのコロナ禍で、準備していた企画が延期になったり、流れてしまったりというようなことを漏れ聞いて勝手に心配おりましたが、ようやく動きが出て参りました！
　なんと、新曲2曲入りの自選四季うたベスト「 Four Seasons NANNO Selections(仮)＜初回限定三方背スリーブケース仕様＞」（初回盤は三方背スリーブケース仕様「 Four Seasons NANNO Selections(仮)」）がリリースされるというのです！
 
　今回の企画は、タイトル通り四季を感じさせるナンバーを、シングル、アルバムを問わず数多くのレパートリーの中からナンノ自身がセレクトするというもの。
　春なら「春景色」「話しかけたかった」「桜詩集」…、夏は「パンドラの恋人 」「雨のむこうがわ」「それは夏の午後」…秋なら「秋のIndication 」「神様がいない月」「Lonely Night（夜想曲）」…、冬は「ガールフレンド」「メリー・クリスマス 」「僕らのゆくえ」というように、春夏秋冬、季節ごとに8曲ずつ合計32曲の四季うたが選ばれるということですが、今回の目玉は何と言ってもボーナストラックとして収録される新曲2曲（シーズンイメージは夏と冬とのこと）。
 
　歌手活動も大事にしてきた彼女の場合、近年も歌い直しのリメイクや、トリビュートアルバムへの参加など、レコーディングは機会あるごとに行ってきましたが、まったくの新曲は2005年の「最終オ－ダー」以来、16年ぶりになるんだとか。おそらく吉田格さんをトップとするナンノプロジェクト復活ということでしょうから、新曲のクオリティも大いに期待できるのではないかと思います。
 
　アイドル時代のナンノといえば、70年代の南沙織から日本のアイドルポップスを確立させてきたCBS・ソニーの所属。レーベルのそもそものテーマとして同世代感と四季折々の季節感がありますし、タガが外れたようにやりたい放題になっていった80年代後半という狂乱の時代にあっても、ナンノの作品は王道、正統という言葉がふさわしい名作ぞろい。
　であるからして、こういうセレクションも難なく成立するんですよね。
 
　レーベルメイトでは昔から松田聖子がさまざまなコンピを出してきましたが、別格の聖子以外では、2017年に出た「山口百恵／GOLDEN☆BEST 日本の四季を歌う」（ こちらで紹介）に次ぐタイトルとなるのではないでしょうか。
　そういう意味でも、南野陽子は、70年代の南沙織から始まり80年代の松田聖子へと続いたCBS・ソニーの由緒正しき継承者であり、最後の正統派アイドルなんですよね。
 
　また、忘れてはならないのが、百恵ちゃんと同様にナンノ作品でもメインでサウンドプロデュースを担当した萩田光雄さん。CBS・ソニーのお家芸といいますか、文芸的な楽曲制作の一端は、同じCBS・ソニーの太田裕美らも含め、重用されてきた萩田さんが中心になって創り上げてきたといっても過言でない気がします。
 
　11月に出る萩田さんBOX（ こちらで紹介）にはナンノも対談で参加していますし、萩田さんが早くから明かしている情報では、35周年に企画されていたナンノのライブツアーには萩田さんも参加する予定だったそうで、その公演の延期開催が今年の暮れに行われるとのことでしたが、このタイミングで正式に発表。Billboard Live公演として12月の開催決定しています。
　萩田さんはナンノの作品には特別な思い入れがあるそうですし、ナンノ自身も昔から萩田さんとずっと音楽を創っていきたいと公言していましたから、相思相愛という感じで、ライブも期待大。バッキングも豪華で、萩田さんが信頼を寄せるスタジオミュージシャンが勢ぞろいするとのこと。
　コロナ禍もまだ油断できないのでどうしても慎重にならざるを得ませんが、このベストを予約して開催を待ちたいものです。