55周年記念、初のオールタイムCD-BOX！

　日本を代表するボーカリスト・森山良子さんは、この1月20日でちょうどデビュー55周年。しかも本日1月18日は、なんと74歳のバースデーということで、衰えを知らない歌声はもとより、いつまでも若々しい美貌やスタイルに驚くばかりですが、このタイミングで、キャリア初となる8枚組のオールタイムBOX「 森山良子／MY STORY 」の発売（通信販売限定）がアナウンスされました！
 
　半世紀を超えるキャリアと実績から考えると、こういうBOX編まれてもおかしくない、いや周年ごとにどんどん出るべきアーティストではないかと思うのですが、良子さんの場合、アナログ時代から、BOXのみならず旧譜の再発や復刻となると初期のフィリップスレコード時代のものばかり。
　実際、CD-BOXもこれまで2種が通信販売限定でリリースされていますが、6枚組の「森山良子 ベスト・セレクション100」（1998年）も、5枚組の「森山良子 名曲大全集101」（2009年）も、フィリップス音源のみ。すなわち、収録曲はデビューから78年までの初期12年間に偏った音源構成となっていたのですね。
 
　良子さんの場合、79年にはCBS・ソニー（途中からソニーミュージック・エンタテインメントに社名変更）に移籍。その後96年から2000年まではポリドール、2001年から現在まではドリーミュージックと、移籍を繰り返しておりますので、そういうハードルがあったのも一因だとは思いますが、とにかく、全活動の軌跡を追うアンソロジーはこれまで皆無だったワケです。
 
　そこに満を持して登場したのが、このオールタイムBOXなのです！ これまでに在籍したレーベルの垣根を越えて選曲し、900を超えるレコーディング音源の中から159曲を厳選。まさに、森山良子史上、最大にして最高のBOXとなっております。
 
　シングル曲は「この広い野原いっぱい」から「6つの来し方行く末」まで、レギュラーシングルのA面全62曲を完全収録。
　アルバム曲は「この広い野原いっぱい／森山良子フォーク・アルバムNo.1」から「Ryoko ClassicsⅡ」まで、ライブ盤を含む各アルバムから、最低1曲はチョイスして全作を網羅。さらにアルバム未収録のB面曲に加え、今回初商品化となる主題歌や、蔵出しの未発表曲など、驚きのレア音源も多数収録。
　オリジナル曲や洋邦のカバーだけでなく、「ミエと良子のおしゃべり泥棒」での名コンビ・中尾ミエさんや、盟友のマイク眞木さん、やもりを組んだ矢野顕子さん、布施明さんとのコラボ音源など、活動のすべてをあますところなく押さえており、“モリヤマニア”と言われるコアなファンも納得の選曲になっていると思います。
　フォークソング、ジャズ、スタンダード、ミュージカルナンバー、クラシック、シャンソン…何でもござれでジャンルを縦横無尽に駆け抜け、シリアスもコミカルも自由自在にこなす“稀代のボーカリスト・森山良子”の魅力を存分に堪能できるBOXといえるでしょう。
 
　気になる初商品化音源は、松原智恵子主演の日本テレビ系ドラマ「颱風とざくろ」の主題歌「あこがれ」と挿入歌「並木よ」、内藤洋子主演の日本テレビ系ドラマ「めぐり逢い」主題歌の「愛のサンバ」という3曲。
　蔵出しのナンバーは、南佳孝との共作でCMでは流れたもののレコード発売はさなかった松本隆作品「昼下がりのテーブル」をはじめ、 諸事情でお蔵入りになったフランシス・レイ書下ろしのアルバム「Paris」から阿久悠が日本語詞を書いた「初冬(CES CHOSES 'LA)」と石坂浩二の日本語詞による「翔ける(QUAND MON AVIONSENVOLERA)」の2曲がお目見え。
　さらに、ニューヨークのカーネギーホールでミシェル・ルグランとデュエットした「シェルブールの雨傘」や、25周年記念コンサート音源からの「聖者の行進」など、ビデオソフトでは世に出ていた音源をCD化した音源など初CD化も多数チョイス。
　フィリップスやドリーミュージック以外は入手困難になっていた音源も多いので、今回初めてそろえようと思う人も満足できるBOXではないかと思います。
 
　個人的には、良子さんがデビューした1967年の生まれにつき、彼女の歌手人生の長さがまんま私の人生といえるのですが、乳幼児期に子守をしてくれた従姉が良子ファンだったせいでしっかりと刷り込まれておりますし、「今日の日はさようなら」を筆頭に、子どもの頃からの愛唱歌は数知れず。
　最も好きな路線は、ゴードン・ジェンキンス御大とリョーコ・モリヤマの得も言われぬゴージャスな一発録りの数々で、それこそ40年近く愛聴しておりますし、フィリップス時代ではアグネス・チャンのカバーから入った「遠い遠いあの野原」、ソニー時代では名曲名演ぶりに思わずシングルを買った「セ フィニ ～愛の幕ぎれ～」、ポリドール時代では筒美京平作品「かくれ恋人」、ドリーミュージック時代ではモノミュージカルみたいな「30年を2時間半で…」と、各レーベルでの思い出ソングもありますので、このBOXで自分の人生の軌跡も確認したいと思っております。
 
　ちなみに音盤は原音に忠実なBlu-specCD2で、ブックレットにはご本人のメッセージをはじめ、今回担当させていただいた4万字超えのライナー（解説、森山良子ヒストリー、参加ユニット、コラム）、詳細なディスコグラフィーも掲載。
　この内容でこのプライスというのは、本当にお買い得だと思いますので、ぜひ一家にひとつ、お求めくださいませ。 なお、 ソニーミュージックショップ では先着購入特典としてチケットホルダーがもらえるそうですので、購入をご検討の方はお早めに。
 
　思えば同世代の吉田拓郎さんが引退を示唆し、年下の髙橋真梨子さんや、まだ60代の中島みゆきさんさえツアーからの引退を表明している中にあって、良子さんの場合は、ツアーもレコーディングも、コラボもまだまだ意欲満々。コロナ禍を逆手に取って新しいことにもどんどんチャレンジされていますから、このBOXに連なる新曲も期待大。
　昨年末には、平原綾香さんらと組んでいるLA DIVAの一員として披露したBTSの「Dynamite」で度肝を抜かれましたが、LA DIVAの初アルバム「 LA DIVA -TV LIVE-」のリリースとコンサートも決定とのこと。55周年を迎えた大御所とは思えないバイタリティに感服しますし、これからの活動も応援させていただきたいと思っています！