復刻なるか、自身最高セールスのベスト盤！

　ポニーキャニオンの POP（パッケージ・オーダー・プロジェクト）といえば、その名の通り、ユーザーの希望に応えて過去のパッケージアイテムを復刻するプロジェクト。
 
　達成率が100％になった場合にのみ商品化されるシステムで、ソニーミュージックのオーダーメイドファクトリーやGREAT TRACKS Order Made Vinyl（グレイト・トラックス オーダーメイド・ヴァイナル）のポニキャン版、と言った方が分かりやすいと思いますが、人気のアナログレコード中心なのに意外と苦戦をしていて、シティポップブームに沸く松原みきさん（ こちらで紹介）は無事復刻されたものの、斉藤由貴さんのシングル4枚のアナログ復刻（ こちらで紹介）は頓挫。今やページすら消失していてもの悲しいものがありますが、ここに来て工藤静香の初ベスト「 グラデイション」が復刻候補に挙がりました！
 
　セブンティーンクラブ、おニャン子クラブを経て1987年にソロデビュー。おニャン子人気の終焉とともソロになったにもかかわらず、人気が爆発した静香さん。
　デビュー曲「禁断のテレパシー」はオリコン1位を獲得と、後藤次利のロック展開でさい先のいいスタートを切り、翌年からは中島みゆき作詞作品でまた一歩飛躍するワケですが、このアルバムはそんな1年のシングルAB面、すなわち「MUGO・ん…色っぽい／群衆」「FU-JI-TSU／夏がくれたミラクル」「抱いてくれたらいいのに／夜明けに見送られて」「Again／If 」「禁断のテレパシー／愛が痛い夜」を収録（ただし「If 」「禁断のテレパシー」はリミックスバージョン）し、新曲「X'masがいっぱい」を追加したベスト盤。
　クリスマス商戦に向け、88年11月30日に発売されており、トップアイドルとしての地位を固めた時期、まだヤンキー層に取り囲まれる前の象徴的アルバムといえるでしょう。
 
　当時はCD、LPレコード、カセットテープが出た後、オリジナル・カラオケ盤やゴールドCD盤もリリース。オリコンではレベッカとユーミンに阻まれて1位は獲得できませんでしたが、彼女のアルバムでは最大のヒットとなり、当時の印象では街中でもよく流れていましたし、多くの若者がこのアルバムを聴いておりましたっけ。
 
　今回はLPということで、オリジナルに忠実に復刻。帯が付くのはもちろん、見開き歌詞カード（4P）のほか、フォト・インナースリーブ、ポートレート3枚セットも封入されるそうです。
 
　このタイミングでのリリースにどんな意味があるのかわかりませんが、今年は中島みゆきのカバーアルバム第2弾となる新作「 青い炎」もリリース。このLPにもみゆき作品も3曲（「群衆」は本当に名曲名唱！）入っていますので、ご興味がおありの方はぜひ！ 予約締切日は短く、2021年11月末日とのこと。なんとか今回は実現しますよう、ご本人がある程度オーダーしてくれないものでしょうかね。