シリーズ第7弾！ある意味最強の名曲コンピ

　今や名曲コンピの定番として、すっかりおなじみになった「心に響く唄」シリーズ。
 
　昭和40年代以降のナンバーを中心に、歌謡曲、フォーク・ニューミュージック、アイドルポップスなど、さまざまなジャンルから心の琴線に触れる歌を集めたコンピレーションアルバムとして、通販や生協のカタログなどを中心に、類似品とは一線を画す人気を得ているようで、累計出荷枚数は何と10万枚を超えるとか。
　CDが売れないと言われてはや幾年、これはまさに驚異的な数字ですから、いかに多くの人々の心に響いてきたかを証明するものといえるでしょう。
 
　思えば、2013年の「心に響く唄」（ こちらで紹介）を皮切りに、「心に響く旋律」（ こちらで紹介）、「心に響くご当地ソング」（ こちらで紹介）、「心に響くラブソング」（ こちらで紹介）と続き、2019年には集大成の「心に響く唄BEST」（ こちらで紹介）が発売。
　これでオーラスかと思いきや、昨年末には新たに「続・心に響く唄」（ こちらで紹介）として再登場。オリコンではこの類いとしては大ヒットといえる最高57位をマーク、好スタートでの仕切り直しとなったようで、今月には第7弾となる「 新・心に響く唄」がリリースされることが決定しています。
 
　今回はCD2枚に全34曲を収録。過去シリーズとの重複収録曲は一切ナシということで、従来のフォーク、歌謡曲路線からロック、ポップスもふんだんに取り入れた内容へとシフト。時代も少しだけおニューなセレクトがあったり、意外なアーティストが入っていたり、あの曲が！という感じの選曲になっていたりと、小ワザの効いたセレクトであることに間違いありません。
　解説を担当させていただいている身としては手前ミソになってしまいますが、ある意味過去最強のラインナップといえそうです。
 
　収録曲は 特設サイトなどで確認できますが、オープニングを飾る浜田省吾「もうひとつの土曜日」を筆頭に、オフコース「愛を止めないで」、佐野元春「バルセロナの夜」、大滝詠一「恋するカレン」、中島みゆき「わかれうた」など、こういうコンピにはなかなか入らないビッグネームがずらり。
　おなじみのアーティストにしても選曲の妙を感じるチョイスとなっていて、フォーク・ニューミュージック系は松山千春「銀の雨」、さだまさし「案山子」、五輪真弓「運命(さだめ）」、風「あの唄はもう唄わないのですか」、THE ALFEE「無言劇」、甲斐バンド 「最後の夜汽車」、ばんばひろふみ「速達」、中道や歌謡曲系は太田裕美「雨だれ」、西城秀樹「遥かなる恋人へ」、岩崎宏美「春おぼろ」、山口百恵は「曼珠沙華（マンジューシャカ）」、松田聖子にしても「ガラスの林檎」「抱いて…」など、確かに変化球ですよね。
 
　ご本人不在の場合でも、ユーミンはハイ・ファイ・セット「スカイレストラン」、竹内まりやは薬師丸ひろ子「元気を出して」、大江千里は渡辺美里「悲しいボーイフレンド」と提供曲で補完。名曲のツボとしては、柳ジョージ＆レイニーウッド「青い瞳のステラ、1962年夏…」、スターダスト☆レビュー「夢伝説」あたりでしょうか。
　なお、このシリーズは有名な大ヒット曲だけでなく、知る人ぞ知るマニアックなナンバーがこっそり収録されているのですが、今回それにあたるのが吉野千代乃「悲しみのタペストリー」。分かる人だけニヤリとすればいいという小気味よさも感じますね。
 
　さて、ジャケットは懐かしの水曜ロードショーや金曜ロードショーみたいな、なんともノスタルジックな夕陽の写真が続いてきましたが、それは今回も健在。リアルCDショップの店頭では、旧作とチラシのディスプレイが目立っていましたので、ぜひ店頭でチェックしていただければと思います。