ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#1136
中森明菜 ワーナーイヤーズ・全アルバム復刻シリーズ 4
BITTER AND SWEET +2WPCL-1344950、¥2,750<税込>)・D404ME +4WPCL-134512、¥2,750<税込>)・MY BEST THANKSWPCL-13453、¥2,200<税込>)
2023.2.22 発売

カラオケ付き!40周年のアルバム再発第4弾!

 デビュー40周年を迎えての再始動宣言に、俄然大きな注目が集まっている中森明菜さん。
 とはいえ、今夏、ファンを騒然とさせたツイッターも開店休業状態で、まことしやかに囁かれた紅白復帰もフタを開ければ出場者リストに名前はなく、ファンクラブも新事務所へと移行せず現在のものは今年いっぱいでいったん終了し、また新たに立ち上げられると伝えられたり…。明菜をデビュー前から支え、育ての親とも呼ばれたプロデューサーのご逝去も絡め、本人不在の中で話題ばかりが先行している感がありますが、それも昭和という時代を駆け抜け、トップに立ったスターの宿命のような気がして、しみじみと感慨深いものがあります。
 
 期待した分拍子抜けしたというか、ぬか喜びというか、モヤモヤを抱えているファンも少なくはないでしょうが、ウレシイことに古巣のワーナーによって進められている記念リリース企画「中森明菜デビュー40周年記念 ワーナーイヤーズ・全アルバム復刻シリーズ」(第1弾は こちら、第2弾は こちら、第3弾は こちらで紹介)だけは頓挫することなく、第4弾のリリースがアナウンスされました!
 
 このシリーズは、ワーナー時代のオリジナルアルバム14タイトル、ベストアルバム4タイトル、ミニアルバム5タイトルを、約2年にわたって再発するというビッグな企画。
 音質はラッカーマスターサウンドで、タイトルによってはアルバム未収録のシングルカップリング曲などボーナストラックや封入特典も復刻されるというサービスぶり。さらには、ファン待望の全曲オリジナル・カラオケ(2022リマスター)付き、解説など読み物も充実しているにもかかわらず、2枚組(ミニアルバムは1枚もの)で3,000円を切る廉価も魅力となっています。
 
 今回リリースとなる第4弾は、「 BITTER AND SWEET AKINA NAKAMORI 8TH ALBUM(+2)」「 D404ME(+4)」「 MY BEST THANKS」の3タイトル。
 
 まず7枚目のオリアル「 BITTER AND SWEET AKINA NAKAMORI 8TH ALBUM(+2)」は1985年4月リリース。
 井上陽水作品「飾りじゃないのよ涙は」では、明菜独特のリズム感やグルーブ感をベースに、誰にも真似できず誰も寄せつけないワンアンドオンリーな世界を構築しますが、この曲を“ニュー・リミックス・ヴァージョン”で収録(シングル「飾りじゃないのよ涙は/ムーンライト・レター」はボートラ収録)。
 アルバム書き下ろし曲の作家陣も豪華で、EPO、角松敏生、飛鳥涼、松岡直也、久保田真琴、神保彰、吉田美奈子ら、一癖も二癖もある面々が参加していますが、いずれも明菜流に消化しています。
 有線放送でも人気を博したASKAの名曲「予感」など、その歌唱力から、歌詞のメッセージやメロディーを重視していると思われがちですが、実はサウンドと自身の歌唱を融合させる独自のアプローチを進めていった明菜。それは、フュージョン色の濃いこのアルバムから始まっていったようにも思います。
 
 そういう意味では、わずか4カ月後に出た次作「 D404ME(+4)」が実に示唆的。
 いつにも増しててんでバラバラな作家陣や、タイトルに「出し惜しみ」という読み方があることでも分かるように、シングル候補のボツ曲の寄せ集め的な印象もありますが、一見脈略がないようでいて、さまざまなサウンドと明菜ボーカルの融合の妙を集めた実験作と言えなくもありません。
 打ち込みが主流になっていった時代だからこそ、サウンドのトレンドが如実に反映されているのも聴きどころ。明菜流テクノポップ「BLUE OCEAN」など、この路線を持って聴いてみたいと思わせる中毒性のあるナンバーも入っていて、唯一無二の歌姫ぶりが証明されておりますが、この時期は聖子が結婚休業で不在の頃。本作には、この年のレコード大賞に輝いた「ミ・アモーレ(Meu amor é・・・)」の特別バージョンも収録、中森明菜が名実ともに女性ボーカリストトップの座に就いた記念碑的な意味合いもあるように思います。
 
 最後の「 MY BEST THANKS」は、明菜恒例の年末ミニアルバム。
 有線放送でも人気を博した「予感」のリマスタリング・リミックスバージョンを筆頭に、アルバム未収録の新曲「ありふれた風景」「Don't Tell Me This is Love」を収録。
 BOXでのCD化は何度も行われてきましたが、単独のCD化としては88年以来34年ぶりとのことで、コレクションという意味でも押さえておきたいパッケージですね。
 
 いずれのタイトルもLP発売時の封入物も再現されるそうですが、オリアル2枚の初回プレス分にはさらにカセットテープのみに封入されていたフォトカードも封入されるとのこと。濱口英樹さん渾身の解説も楽しみなシリーズですので、やっぱり買い替え、買い増し必至です。
 なお、12月21日リリースの第3弾CDと同時発売が予定されていた書籍「 オマージュ〈賛歌〉 to 中森明菜」は1月31日に発売延期となっていますのでご注意ください。
 
 

(2022.12.22)

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