ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#1112
渡辺真知子/二雙の舟・カナリア
初回限定盤(MHCL-30744~5、¥3,000、オリジナルタンブラー付)/通常盤(MHCL-30746、¥1,320)
*2022.9.21発売、Blu-spec CD2シングル、価格はいずれも<税込>

45周年シングルは、中島みゆき「夜会」を歌う!

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 1977年11月1日。74年の太田裕美さん、76年の清水健太郎さんという同じ11.1デビューで大成功した先輩たちにあやかり、「'78 CBS・ソニー第三の切り札」というキャッチフレーズでデビューを飾った渡辺真知子さん。
 験を担いだ甲斐あって、デビュー曲の「迷い道」は大ヒット。歌謡界に鮮烈な衝撃を与えた様子は今もハッキリと覚えておりますが、早いもので今年でデビュー45周年。コロナ禍にも負けず、パワフルな活動を続けておられます。
 
 長いキャリアを持つまっちゃんですが、元々はヤマハ・ポプコン出身で、中島みゆきサンとは同期。そんな縁もあってか、2019年にはみゆきサンのライフワーク「夜会 VOL.20 リトル・トーキョー」の相手役として直々のご指名を受け、世間をあっと驚かせたのは記憶に新しいところです。
 
 これまで、「夜会」にはまっちゃんクラスのビッグネームが出たことがなかったせいか、共演者がみゆきサンに貫禄負けしてしまうのは当たり前でしたが、そこはなんてったって、かもめからラドンへと進化を遂げた(?)まっちゃんのこと。実年齢はみゆきサンより年下のまっちゃんですが、舞台ではみゆきサン演じる杏奴(あんぬ)の姉・李珠(りず)役として、圧倒的な声量と存在感で堂々とわたり合うどころか、時には杏奴を食ってしまうほどのパワーで大喝采を浴びました。
 そのへんはDVD「 夜会VOL.20「リトル・トーキョー」(DVD)」やブルーレイ「夜会VOL.20「 リトル・トーキョー」(Blu-ray Disc)」にもしっかり記録されておりますので、にわかには信じられないとお思いの方はぜひご確認いただければと思います。
 
 さて、あれから3年。まっちゃんのデビュー45周年の記念企画として、ビックリするリリースが決定しました! なんと中島みゆきの「夜会」作品をまっちゃんが歌う両A面シングル「二雙の舟/カナリア」(「 二雙の舟<初回生産限定盤>」&「 二雙の舟<通常盤>」)が出るというのです!
 当然復刻盤ではなく新譜ですが、ここはガンガンプッシュさせていただきましょう。
 
 まず1曲目、泣く子も黙る「二雙(にそう)の舟」(元々の表記は「二隻の舟」ですが2006年あたりから変更)は言わずと知れた「夜会」のテーマソング。先の舞台ではクライマックスでのショートバージョンで、みゆきサンを中心に登場人物たちが歌声を重ねていき、まっちゃんはみゆきサンの次に歌いましたが、今回は、まっちゃんだけのフルコーラス。
 そもそもが8分を超える長い歌ですが、まっちゃんのシングル曲としても最長の大作に仕上がるとのこと。多くのみゆきファンから根強い人気を博す超名曲を、ステージを下りたまっちゃんがどのように歌うのか、大いに期待したいと思います。
 
 もう1曲の「カナリア」は「夜会」のために作られた作品で、まっちゃん演ずる李珠がオレンジカナリアのような髪色で登場した第1幕第1場のオーラスを飾ったナンバー。
 劇中では元タカラジェンヌ・植野葉子演ずる梅乃が1番を歌い、李珠はツーコーラス目のみの披露となりましたが、今回のリリースにあたってまっちゃんがフルコーラスを歌うということで、ファン待望の音源化となります。
 
 楽曲のプロデュース&アレンジは、みゆきサンのプロデューサーとしてもおなじみの瀬尾一三さんが担当。一家言お持ちのコアなみゆきファンもうなずく、オフィシャル感たっぷりの仕上がりとなること請け合い。
 「夜会」の舞台では、日頃のどうしても豪快さが前面に出てしまうステージでは隠れがちな、まっちゃんのデリケートで繊細な部分も見え隠れしていましたし、普段のビタミンボイスとはまた違った包容力豊かなベルベットボイスも聴かれましたから、今回のCD化ではそんな部分にも期待したいと思います。
 
 なお、今回のシングルには45周年記念ということで、通常盤「 二雙の舟<通常盤>」のほか、オリジナルタンブラーがセットになった初回生産限定盤「 二雙の舟<初回生産限定盤>」も発売されるそうで、まっちゃんにとっても45周年という節目を飾る、新たなターニングポイントとなるでしょう。
 
 ちなみに、シンガー・ソングライターとしてデビューしたまっちゃんですが、ポプコンでは譜面歌手を務めいろんな曲を歌っていますし、デビュー時からコンサートでは洋楽を歌ったり、最初から自作だけにこだわるアーティストではなく、ボーカリストとして活躍してきたんですよね。
 その骨頂がカラオケブームの90年代後半、準レギュラー的に出演してた日本テレビの音楽バラエティー「THE 夜もヒッパレ」でしょうし、ステージでは美空ひばりから童謡、ラテン、ジャズやポピュラーのスタンダード、クラシック、昭和歌謡やJ-POPまで、ノージャンルで歌いこなす実力は折り紙付きなんですよね。
 ぜひ、これを機に「渡辺真知子、中島みゆきを歌う」というカバーアルバムも企画していただけたらと思います。
  
 近年、デビュー月の11月には東京国際フォーラムホールで記念コンサートの開催が恒例となっていますが、今年は「デビュー45周年記念 コンサート2022~青空に誓って~」と題して11月23日に開催。圧巻で知られるまっちゃんのステージですが、今年はラドンの羽音にもびくともしない「二雙の舟」が聴けそうですね。
 なお、みゆきサンの場合は、コロナ禍でラストツアーが途中でやむなく終了となってしまいましたし、「夜会」の新作や「リトル・トーキョー」の再演にも期待したいところです。
 
 

(2022.7.25)
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