待望！超マニアックな筒美作品集パート１！

　シングル総売り上げ日本一の偉大なる作曲家、筒美京平先生がお亡くなりになって早いもので1年半の歳月が流れました。
 
　今春にはミュージック・マガジンの2022年3月増刊号「 筒美京平の記憶」が刊行され、今もってその功績と偉大さが広く再認識され、世代を超えた再評価が進んでおりますし、昨秋からだけでも岩崎宏美「筒美京平シングルズ&フェイヴァリッツ」（ こちらで紹介）、70年代の未発表曲に新たに詞をつけた「イエスタデイ・ワンス・モア」も収録した松本伊代の「トレジャー・ヴォイス [40th Anniversary Song Book] ～Dedicated to Kyohei Tsutsumi」（ こちらで紹介）、 未CD化だった筒美作品「帰り路」 を収録した薬師丸ひろ子「Indian Summer」（ こちらで紹介）、配信トリビュートライブを収録した小泉今日子のDVD＆ブルーレイ「 唄うコイズミさん」など、ゆかりのアーティストのリイシュー盤や新作もゾクゾク発売。
　今月には秘蔵っ子だった平山みきさんの「 トライアングル 筒美京平☆橋本淳☆平山三紀 3人の絆」もリリースされるなど、枚挙にいとまがありません。
 
　追悼盤としては昨年4月、コロムビア、ソニー、ビクター、ユニバーサルというレコード会社４社と、ゆかりの音楽出版社・日音、そして筒美音楽事務所の共同企画として「筒美京平 TOP 10 HITS」4タイトル（ こちらで紹介）ががリリース。
　あくまでシングル盤をヒットさせることが最大の使命であり目的であった筒美先生の信条に寄り添った内容につき、ベストテン入りしたヒット曲を集めたベスト中のベストという王道の構成でしたので、レア音源を求めてやまないフリークやコレクターの皆さんの中には食指が動かないという方も多かったのは事実です。
 
　ということで、10月には各盤のライナーノーツを担当した4名のセレクションアルバム「筒美京平 マイ・コレクション」（ こちらで紹介）が発売となりましたが、レア音源も一部ありましたが、選者の個性に寄った構成につき、フリークやコレクターの皆さんの食いつきはやっぱり悪かったようなのですね。
 
　そこに飛び込んできたのが、久々となるオーダーメイドファクトリーからのニュース！
　最初の「筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス」シリーズをはじめ「筒美京平作品集 GOLDEN HITSTORY」シリーズなど過去にリリースされた筒美京平作品集に収録されなかったレア曲のみを集めたコンピレーション「筒美京平 アーカイブス」シリーズが登場するというのです！ 
 
　Vo.1となる「 筒美京平　アーカイブス1 」は、先生が作曲家としてデビューした1967年から70年に発表した作品25曲を厳選。
　はつみかんな（しばたはつみ）「恋のタッチ・アンド・ゴー／ふたりぼっちの風」、新藤恵美「口笛ふいて／あなたの嘘」、尾藤イサオ「女の恋は／心の花びら」とシングル両面もありますが、ザ・ライジングサン・トリオ「海よ忘れて」、黒沢年男「ふたりの汐風」、ザ・ジャガーズ「恋のパスポート」「愛の夜明け」、江美早苗「あなたは遠くに」「夢のなかの彼」、徳永芽里「花の涙」、永田克子「愛のわかれ」、吉永小百合「雪の中のジュリエット」、松尾和子「銀座銀座でお別れね」、川奈ミキ「涙の夜明け」、川辺妙子「夜が終るまで」、アン真理子「悲しみの朝よ、こんにちは 」、ピーター「金曜日の奇跡」といったB面曲がずらり。
　また、黒沢年男「ミッドナイト神戸」、西田佐知子「女の坂道」といったアルバム曲や、リッキーと960ポンドによるいしだあゆみの「今日からあなたと」、ピーターによる橋幸夫の「京都・神戸・銀座」といったカバー曲も。
 
　時代的にほとんどが橋本淳さんとのコンビで、ほぼ筒美先生のアレンジとなっていますが、大半が初CD化。
　2012年に発売中止になった「筒美京平 GOLDEN HITSTORY ソニーミュージック編」の改訂版かと思いきや、各社の音源を網羅しており、データブックの名著「筒美京平の世界」や、データ完備の名ファンサイト「 筒美京平のページ＠たつぼーの演奏会」と首っ引きで音源収集している御仁が泣いて喜ぶであろう選曲となっています。
 
　筒美研究の第一人者にしてウルトラ・ヴァイヴの高護さんによる「 筒美京平全曲研究・全曲解説 高護」を拝読しながら、聴いていきたいこのシリーズ。OMFですが、すぐ規定数に達しそうな気がしますので、シリーズがどんどん進み、余すことなくCD化が進むことを願っています！