第2弾は花のトリオ! 百恵ちゃん初の完全AB面ベスト!
今夏、70~80年代女性アイドルファンの話題を独占したメーカー5社合同企画「ゴールデン☆アイドル」シリーズ(こちらとこちらとこちらとこちらとこちらで紹介)。
高品質CDもさることながら、仕様からしてドーナツ盤の雰囲気を再現し、ほぼ同サイズのシングルジャケット復刻ブックが付くというグッズ的な豪華仕様が受け、好評を博したのは記憶に新しいところです。
基本的に旧譜には無縁のオリコンでも、岡田有希子の79位を筆頭に、河合奈保子が141位、南沙織が204位、天地真理が234位、榊原郁恵が269位、麻丘めぐみが294位、石野真子が298位にそれぞれチャートイン。
まるでタイアップしたかのようなレコード・コレクターズ誌での特集(「 レコード・コレクターズ2014年09月号 」&「 レコード・コレクターズ 2014年 11月号 」のほか12月中旬には増刊「 アイドル・ソング・ベスト100 1970-1989 」も出るそうです)も後押しとなり、女性アイドルポップスへの再評価は、一般のリアル世代も巻き込んでますます盛り上がっているようです。
それに加え、郁恵ちゃんや優ちゃんら現役組はバラエティー出演時に発売告知を行ったり、真理ちゃんとシンシアがリリースを機に再会を果たしたというニュースが流れたり、ファンのみならずご本人たちも喜んでいるというのが何ともウレシイじゃありませんか。
特に郁恵ちゃんは、先ごろスタートした歌謡ポップスチャンネルの新番組「クリス松村の注文の多いレコード店」で、当時のシングルにまつわる秘話など、往年のファンやマニアが最も聞きたかったコアな思い出話をノリにノってしてくれたりして、大感激したことでした。
郁恵ちゃんがアイドル時代をとても大切にしていることをあらためてうかがい知れたのはホントに大きな収穫でしたし、そういう意味でもとってもいい番組で第2回ゲストは太田裕美さんとのことですので、視聴環境にある方はぜひご覧ください。
話を戻して、その「ゴールデン☆アイドル」シリーズ。第1弾のリリースが発表された時から続編が待たれていましたが、半年を経て第2弾が登場となります!
しかも「スター誕生!」から生まれ、70年代のアイドルブームの核をなした同級生同士の花のトリオ。森昌子、桜田淳子、山口百恵の3人がそろって出るというのですから、喜ばずにはいられません。
遠藤ミノルフォン(今回のリリースはポニーキャニオン)のマコ(こちらで紹介)や、ビクター純白の淳子(こちらで紹介)も、鼻息荒く一気に紹介したいのですが、ここは順を追ってということで、まずはトリオの末っ娘、“大きなソニー、大きな新人”の百恵ちゃん「 ゴールデン☆アイドル 山口百恵 」からまいりましょう!
4枚組のブルスペ2CDには、73年のデビューシングル「としごろ -人にめざめる14才-/叱らないでね」から、80年に出た現役時代のラストシングル「さよならの向う側/死と詩 death and poem」&引退記念シングル「一恵/想い出のストロベリーフィールズ」までの32枚に、引退後の82年にベスト盤「Again百惠 あなたへの子守唄」で蔵出しされ宣伝用にプレスされたプロモシングル「あなたへの子守唄」をプラスした65曲がギッシリ。
レココレの「日本の女性アイドル・ソング・ベスト100 1970-1979」ではキャンディーズの9曲には及ばずもピンク・レディーとタイになる8曲がランクインしましたが、その8曲(10位「ひと夏の経験」、13位「プレイバック part 2」、26位「横須賀ストーリー」、29位「乙女座 宮」、37位「夢先案内人」、58位「青い果実」、66位「美・サイレント」、80位「絶体絶命」)ももちろん収録。
B面にはオリアル未収録の名曲「春に吹かれて」「視線上のアリア」「賭け」 などもありますが、百恵ちゃんの場合それぞれのシングルレコードが売れていますし、カップリングに主演ドラマや映画の主題歌が入ることも多かったので、B面と言えどもほとんどおなじみのナンバーではないかと思います。
なおかつ世の中にCDソフトが登場してから32年。百恵ちゃんはLP時代からCBS・ソニーでは最も多数のベスト盤が出ているアーティストでしすし、最新デジタル・リマスタリングと言えども、ベスト盤やBOX発売を繰り返していますので音源的にも潤沢に出回っているものばかりですしね。
また「ゴールデン☆アイドル」シリーズのイチバンのウリであるシングルジャケット復刻ブックも、百恵ちゃんの場合はBOXの特典なんかで原寸サイズは作成済み、縮小に至っては8センチCDでの再現も終わっております。
そういえばA面集の「GOLDEN☆BEST 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション」(こちらで紹介)やそのカラオケ版(こちらで紹介)では、別カットを集約した懐刻ブックレットもありましたよね。
むろん篠山紀信さん撮影を中心にしたフォトジェニックなジャケットは、いつ見てもうっとりするものではありますけれど。
となると、ベスト盤の女王の異名を取る百恵ちゃんのCDとしては、さほど特別な感じがしないかもしれませんが、そうではありません。
実は今回こそ、コアなファンこそ切望していた内容。そう、BOX以外で百恵ちゃんの全シングルAB面音源が完全収録されたベスト盤が出るのは、意外にもはじめての出来事なのです。
あれ?と異論を唱える人は多いかもしれませんよね。
確かに目録をひもときますと、95年に引退15周年を記念した3枚組シングル全集「百惠辞典」が出ておりますが、実はアレ、収録時間短縮のため後奏のFOを早めにした編集盤。今となっては貴重ですが、ファンの間ではトンデモ盤的に扱われてきたものなんです。
であるからして、百恵ちゃんのシングルAB面を完全収録したCDは、デビュー20周年の93年に出た通販限定BOX「山口百惠全曲集」(余談ですがこのBOX、百恵ちゃんからお手紙が来た!と錯覚させるDM商法が秀逸でした)が最初で、それが唯一という状態が長く続いていたのです。
しかもそのBOXも例の「謝肉祭」自粛問題で「謝肉祭」がカットされ型番変更の上再発になるという事態を招くなど、一時的には百恵ちゃんの全シングルAB面をCDで入手することは不可能となった時代もありました…。
もっとも、それも2007年の通販BOX「Complete MOMOE PREMIUM」(こちらで紹介、2003年版の「MOMOE PREMIUM」所有者は同時発売の「MOMOE PREMIUM update」で同等の内容になるという企画でした)で解決し、翌年の通販限定BOX「コンプリート百恵伝説」(こちらで紹介)でもAB面網羅されたのですが、アイドルのトップに君臨する百恵ちゃんにとってシングルAB面を完全収録したベスト盤が存在しないという、意外や意外の状況が続いていたことは疑いのない事実です。
そんなところに、ついに発売となるのですから感慨もひとしおというワケなのですね。個人的にも長年、自家製のコンプリート・シングルAB面コレクションを愛聴してまいりましたので、ちゃんとした市販品、それも高音質のブルスペ2で聴けることが何よりウレシイのです。
むろん多くのファンが悲願としていた商品ですし、これまでにも水面下での企画は何度も持ち上がっていたと思いますが、商品発売頻度がダントツに髙い百恵ちゃんですので、その都度リリースのタイミングが合わず実現できなかったと見るべきでしょう。
もしかしたらホリプロの後輩・郁恵ちゃんがこのシリーズを大絶賛したことも、原盤サイドからの許諾が下りた一因だったのかもしれませんね。
あと、今回のシリーズの共通項として、花の高2トリオ時代に共演した映画「初恋時代」の主題歌として、唯一3人のために書き下ろされ、各人の音源が残っているナンバー「初恋時代」をボーナストラックに入れてくれていたら完璧なんですけど。
ちなみにこの曲、3人で歌ったバージョンは映画でしか聴けませんので、未聴の方がいらっしゃいましたら、単品ブルーレイ「 花の高2トリオ 初恋時代 [Blu-ray] 」かDVD「 花の高2トリオ 初恋時代 [DVD] 」(「初恋時代」も披露された高3トリオ卒業記念コンサートの映画の単品ブルーレイ「 出発 三人娘・涙の卒業式より [Blu-ray] 」は2015年1月13日発売予定だとか)、またはBOX「森昌子・桜田淳子・山口百恵/Memorial Box『初恋時代/出発(たびだち)』」(こちらで紹介)かブルーレイBOX「山口百恵 映画全集 1974-1980 Blu-ray BOX」(こちらで紹介)で、ダウンロードなら「 花の高2トリオ 初恋時代 」「 出発 三人娘・涙の卒業式より 」でご覧ください。
という百恵ちゃんの「ゴールデン☆アイドル」。第1弾では4枚組は仕様上パンパンに膨れ上がってしまっていましたので、それが唯一心配ですが、コンパクト盤のクローバー・シリーズを彷彿とさせるジャケットの絵柄も楽しみに発売を待ちたいと思います。
もちろん完全生産限定盤ですので、確実に入手されたい方は予約をお忘れなく。
(2014.11.14)
*2015年1月14日より、山口百恵のオリジナルアルバム、ライブアルバム、サウンドトラック、ベストアルバムなど映像作品を含む全42タイトル約700曲の配信が、
iTunes
や
amazonMP3ストア
などで一斉にスタートします。なお、上記の「ゴールデン☆アイドル 山口百恵」はパッケージ発売に先行する上、ハイレゾ音源での配信も行われます。(2015.1.7追記)
【ハイレゾ配信タイトル】
「ゴールデン☆アイドル 山口百恵」「伝説から神話へ 日本武道館さよならコンサート・ライブ」
【通常配信タイトル】
◎ベスト&企画アルバム…「GOLDEN☆BEST 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション」「GOLDEN☆BEST orikara 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション」「GOLDEN☆BEST 山口百恵 アルバム・セレクション」「ゴールデン☆アイドル 山口百恵」「コンプリート百恵回帰」
◎オリジナルアルバム…「山口百恵ファースト・アルバム としごろ」「百恵セカンド・アルバム 青い果実/禁じられた遊び」「15歳のテーマ 百恵の季節」「15歳のテーマ ひと夏の経験」「15才」「16才のテーマ」「ささやかな欲望」「17才のテーマ」「横須賀ストーリー」「パールカラーにゆれて」「百恵白書」「GOLDEN FLIGHT」「花ざかり」「COSMOS 宇宙」「ドラマチック」「二十才の記念碑 曼珠沙華」「A Face in a Vision」「L.A.BLUE」「春告鳥」「メビウス・ゲーム」「不死鳥伝説」「This is my trial」
◎ライブアルバム…「第1回百恵ちゃんまつり(1975年)」「第2回百恵ちゃんまつり(1976年)百恵・オン・ステージ」「第3回百恵ちゃんまつり(1977年)MOMOE IN KOMA」「第4回百恵ちゃんまつり(1978年) 百恵ちゃんまつり'78」「山口百恵リサイタルー愛が詩にかわる時ー(1979年)」「伝説から神話へ 日本武道館さよならコンサート・ライブ」
◎サウンドトラック…「オリジナル・サウンドトラック 伊豆の踊子」「オリジナル・サウンドトラック 潮騒」「オリジナル・サウンドトラック 絶唱」「オリジナル・サウンドトラック 赤い疑惑ーテレビドラマ名場面集ー」「オリジナル・サウンドトラック 春琴抄」「オリジナル・サウンドトラック 泥だらけの純情」「オリジナル・サウンドトラック ホワイト・ラブ」「オリジナル・サウンドトラック 古都」
【映像配信タイトル】
「伝説から神話へ BUDOKAN…AT LAST」