80's千里の紙ジャケBOXが3度目のアンコール!
今やニューヨークを拠点に、ジャズピアニストとして活躍する大江千里さん。
自らSNSで頻繁に情報発信してくれてたり、何だか日本にいる時よりも身近な感じがしますが、来年のバレンタインには3枚目となるジャズアルバム「 Collective Scribble 」のリリースが決定。
今回は千里クンのピアノに、ベース、サックスを加えたトリオスタイルだそうで、”一筆書きのコレクション“という意味の千里クンらしいタイトルとともに期待は高まるばかり。今回の 初回生産限定盤 にはフォトブックとDVDもパッケージされているそうで、即予約した次第であります。
とはいえ、ジャズ千里を聴いた後にはポップス千里も聴きたくなってしまうもの。千里キッズの皆さんもきっと同じだと思いますが、歌うような千里クンのピアノを聴いてたら、千里クンの声も聴きたくなってしまうんですよね。
というワケかどうか存じませんが、ニューアルバム発売決定という絶好のタイミングで、80年代のアナログ盤オリジナルアルバムを紙ジャケ復刻したBOX「 Senri Premium ~MY GLORY DAYS 1983-1988 」のアンコールプレス受付が始まりました!
これは2008年のデビュー25周年時、オーダーメイドファクトリーのスペシャル企画として3月に候補に挙がり、速攻で商品化が決まったもの。
7月の発売後、クチコミで伝わったあまりの出来の良さと中古市場での高騰に、入手しなかったファンからリクエストが殺到。その翌月には当時としては異例のアンコールプレスが決定し、さらに2011年にも2度目となるアンコールプレスがなされております。
であるからして、わりと潤沢に流通していたと思っておりましたし、初期のアルバムの多くはBlu-spec CD2による名盤復刻シリーズにもラインアップ(こちらとこちらで紹介)されていますので、もうBOXの需要はないんじゃないかと考えていましたが、紙ジャケ、衝撃の告白満載の千里クン書き下ろしライナーノーツなど、プレミアム感満載ですので、やっぱり欲しいという人は多いようなんですよね。
特に、ジャズピアニストとして全米デビューを飾って以降は、アルバム発売、来日公演など、何かとメディア露出も増えましたので、ニュースを耳にして出戻ったファンもかなりいるそうですし。
もちろん内容の方は折り紙付き。太鼓判を押しますので、未入手だった方はぜひともご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。手前ミソではありますが、ブックレットにはワタクシのアルバム解説も掲載されておりますので、ぜひお読みいただけば幸いです。
せっかくですので、このBOXについて簡単におさらいしておきますと、83年のきらめくデビューアルバム「WAKU WAKU」から、カレッジポップスが極まったエバーグリーンなセカンド「Pleasure」、全国区でブレイクした大ヒットサード「未成年」、タイトルにドキッとしつつも素の千里がのぞく「乳房」、最も内省的な千里詩集「AVEC」、スポーティーな光があふれる「Olympic」、日本ゴールドディスク大賞で男性ソロポップス部門アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞した88年の最高傑作「1234」までのオリジナル・アルバム7作を紙ジャケ復刻。
この間に発表された「ロマンス/思いたったら吉日」や「Bed time Stories/MAN ON THE EARTH」(「MAN ON THE EARTH」はもちろん12インチのオリジナルバージョン)、「POWER/A DAY/TORCH 」「これから」など、アルバム未収録のシングル曲やシングルミックスバージョンも、ボーナストラックとして補完。
未CD化だったものを含み、88年までのアナログ盤でリリースされた全音源がそろうコンプリート・コレクションとなっています。
気になる音質は、当時の最新デジタルリマスター音源のうえ、ジャズ盤でも有名なマスターサウンド仕様。これに前述した読み物や、シングルのジャケ写も満載の別冊ブックレットが付属しておりますので、アルバムを全部持っている千里キッズでも大満足というBOXになっております。
そこにはお洒落で天真爛漫だったポップ少年が、やがて躓き、ひどく苦悩した末に、ひとすじの希望を見出し、音楽家としてはばたいていく…みたいな、希代の音楽家であり詩人である大江千里の軌跡が映し出されているように思います。
シンガー・ソングライターの特性、と言ってしまえばそれまでですし、個人的にも千里クンの紆余曲折をハイティーンの自分自身に重ねてしまっていたもので余計に思い入れが強いんですけど、少年が青年へと成長する過程の揺らぎや陰影が、ここまで繊細かつリアルに描かれている連作アルバムは他にないと思っていますので、強く推薦させていただく次第です。
明るく楽しく小ワザ満載のポップスも、苦悩する姿をさらけ出したバラードも、あの転調を多用した楽曲たちすべてがエバーグリーンな輝きに満ちあふれています。そしてそれは、今のジャズにしっかりつながっていることを実感できるはずです。
ポップスだろうが、ジャズだろうが、千里クンの音楽は一本筋の通った同一線上で繰り広げられているのですから。
なお、男ユーミンとも評された80年代千里ポップスの真髄は映像とともに成立するものですが、今ならこのCD-BOXと呼応したDVD-BOX「 Senri VISUAL Premium My GLORY DAYS 1983-1988 」(こちらで紹介)やその続編「 Senri VISUAL Premium My GLORY DAYS 1989-1999 」(こちらで紹介)もケイゾク販売されていますので、ぜひ併せてご鑑賞ください!
(2014.12.26)