マーク追悼でガロのオリアル8枚セットをアンコール!
突然に届けられたマークの訃報。昨年37年ぶりに復活し、新作「 時の魔法 」を出したばかりでしたから、余計に嘆き悲しんでおられるファンは多いと思いますが、ワタシもその1人です。
当時からガロのファンで、マークの少女マンガから抜け出たような雰囲気も大好きでしたから、ここ数日、マーク作で最も好きだった「ロマンス」を、ガロのオリジナルはもちろん真理ちゃんやマコ、シーちゃんらのカバーバージョンを取り混ぜてリピートしたりしています…。
そんな折、オーダーメイドファクトリーでも哀悼の意を表するように、ガロのアンコールプレスの受付が始まりました。
そう、71年から75年までにリリースしたオリジナルアルバム8枚を、帯付きの紙ジャケット仕様で復刻した「 GARO ORIGINAL ALBUMS 1971-1975 」です。
前回候補に挙がったときにも書きましたけど、リマスタリング音源をはじめこのセットの原型となったのは、発売延期や商品回収の末、2006年の11月にようやくリリースされたDVD付きで11枚組の紙ジャケBOXでした。
完全生産限定盤だったのであっという間に完売し、すごいプレミアがついたことも話題に上りましたが、単純に言えば、そこからアルバム未収録曲集&未発表LIVE音源集のCD2枚と、TV番組出演映像集DVDの計3枚を抜いたのが、このセットということなんですね。
BOX時のカートンボックスと別冊ブックレットは残念ながらありませんが、その代わり帯が付きますので、アルバムを忠実に再現したという点ではこちらの方がコレクション性が高いかも。BOXのときは、ブックレットに帯の画像が掲載されただけでしたのでね。
とはいえ初回の商品化の際は、2009年4月に候補に挙がって実現したのは2012年2月と3年もかかっていますので、今回どうなるかちょっと心配ですけれど…。
BOXや前回発売時に買い逃した方や、アルファから出た昔のCDしか持っていないという方は、マークを追悼する意味でもぜひこの機会に。アルファをソニーのセンスで焼き直した仕様ですから、過去のCD化分とは全く質が違いますから。
で、肝心のオリアルですが、内訳は71年のやさしさにあふれたイノセントな1st「GARO」から始まって、後に大ヒットするあの曲とお得意の洋楽カバーが入った「GARO2」や個性際立つ「GARO3」に、ブレイクした後に出たライブの「GARO LIVE」をはさみ、これがパブリックイメージという感じの「GARO4」、コンセプトアルバムの「サーカス」、ガロmeets阿久悠の「吟遊詩人」、そしてそれぞれの道を歩くことになった75年の「三叉路」までの8枚。
ソフトロック再評価後では「GARO」と「GARO3」が人気のようですが、個人的なオススメを申し上げますと、4枚目の「GARO 4」。マイベストシングルが「ロマンス/二人だけの昼下り」なので、当然その2曲を収録したアルバムというワケでありますが。
このアルバム、エマーソン、レイク& パーマーの「トリロジー」にインスパイアされたジャケットでも有名ですけど、マーク、トミー、ボーカルというメンバーの作品に加え、No.1ヒット「学生街の喫茶店」&「君の誕生日」を書いた山上路夫+すぎやまこういちコンビ、アルファで育ての親でもある村井邦彦さんら職業作家陣の作品がバランス良く入っているので、歌謡曲ファンの方でも聴きやすい1枚だと思います。
なお、いきなりセットには手が出ないという方は、オリコン1位を獲得し最も売れたアルバム「 GARO 2 」が名盤復刻シリーズ(こちらで紹介)で復刻されていますので、そちらかダイジェスト盤の2枚組ベスト「 GOLDEN☆BEST/GARO アンソロジー 1971~1977 」でお試しを。
ホント、あの頃「学生街の喫茶店」や「ロマンス」とかがシングルで出なければ、ワタシみたいな子どもがガロのファンになって好きな音楽の幅を広げることなんてなかったでしょうから、ご本人たちが歌いたくなかった曲だったとしても、最初からのファンが認めなかった路線だったとしても、あの大好きな「二人だけの昼下り」を歌ってくれたことに心から感謝したいと思っています。
トミーもマークも逝ってしまって、もうボーカルだけになってしまったことに愕然としていますが、ボーカルこと大野真澄さんは太田裕美さん&伊勢正三さんとのユニット・なごみーずでも活躍中。
なごみーずが先月リリースした10周年&200回ライブ開催記念のアルバム「アコースティックナイト3rd」(ライブ会場のほか太田さんの事務所ブログからの通販でも買えます)には、ガロの「君の誕生日」のなごみーずバージョンも収録されていますので、往年のガロファンの皆さん、こちらもオススメいたします。
(2014.12.12)