CD誕生から33年の歳月を経て、初ベスト発売!
昨年末からスタートした、ビクターのG☆BシリーズSHM-CD化。
先月発売されたのヒロリン(こちらで紹介)をはじめ、折に触れてご紹介してまいりましたが、既発のG☆Bを単にSHM-CD化したタイトル以外にも、今月リリースの田中星児(こちらで紹介)など新編成もの含まれていますが、諸事情で予定が変更になるケースも模様。
発表後の発売中止や変更はファンにとって確かに堪えるものでありまして、今回該当するアーティストのファンの皆さんをヤキモキさせているようですが、そのせいで差し替えや繰り上がりのごとく、思わぬ収穫が得られるという状態になっております。
その筆頭と言ってよいのが、まさかの仲雅美。CDの誕生から33年の歳月を経て初のベストCDとなる「 ゴールデン☆ベスト 仲雅美 」です!
仲雅美と言えば、史上最年少のシンガー・ソングライターという触れ込みでデビューした天才姉妹デュオ・チューインガムのネーミングの由来を思い出してしまいますが、70年代初頭に人気を博したアイドル俳優というか、青春スターの1人。
歌手としても、TBSの木下恵介劇場「冬の雲」をきっかけにレコード化されたロシア民謡というかソ連の赤軍行進曲「ポーリュシカ・ポーレ」がオリコン3位をマークしていますので、1曲といえども大ヒットを持つ、れっきとしたスター歌手です。
ただ、その「ポーリュシカ・ポーレ」さえ昔オムニバス盤にちょこっと収録されただけで、長年音源の入手が困難な時代が続いておりましたし、2000年代のコンピ盤ブームで久々にCD化が相次いだときには「沖雅也は知ってるけど仲雅美って誰?」という人の方が多い時代になっていました。
事実、近況を聞くこともなくなっていましたから、CD化なんてもう無理なものと思っていたのですね。
しかし、2年ほど前のこと。TBSの「爆報!THEフライデー」への出演をきっかけに、にわかに話題に上るようになったのです。
確かにあの番組には賛否両論あるようですし、かつての仲雅美を知る人ならショッキング映像以外の何ものでもない感じでしたが、間髪を入れずに改名前のミノルフォン時代を含むシングル「 しあわせ呼ぼう (MEG-CD) 」「 若い旅路 (MEG-CD) 」「 だから愛して (MEG-CD) 」「 北に消えゆく二人 (MEG-CD) 」「 ポーリュシカ・ポーレ (MEG-CD) 」「 涙のジャーニー (MEG-CD) 」「 君を愛す (MEG-CD) 」「 ふたりは奇跡の中で (MEG-CD) 」「 さすらいが呼んでる (MEG-CD) 」「 海が見えたら (MEG-CD) 」「 八時発準急電車 (MEG-CD) 」「 陽は落ちる (MEG-CD) 」とLP「 仲雅美とあなた (MEG-CD) 」「 哀愁のロシア民謡を歌う (MEG-CD) 」「 君を愛す (MEG-CD) 」「 青春の詩(うた) (MEG-CD) 」「 [Vol.1]仲雅美デラックス (MEG-CD) 」「 [Vol.2]仲雅美デラックス (MEG-CD) 」「 PANEL DELUXE Ⅰ (MEG-CD) 」「 PANEL DELUXE Ⅱ (MEG-CD) 」、おまけにコンパクト盤「 君を愛す(ビクター・ステレオ・コンパクト盤 4曲入) (MEG-CD) 」までが一挙MEG-CD化されるなど、まるで仲雅美復活ののろしのような出来事として、かつてのファンもどんどんカムバックしてくるという状況を作り出したのであります。
ただ、MEG-CDって、なぜかアナログ盤の音にこだわるがゆえに盤起こしが基本らしく、個人的には全然食指が伸びないのでスルーしておりましたけれど、待てば海路の日和あり。ここに来てビクターからの純正ベストが出ることになったという次第なのです。
今回のベストは合計22曲というボリュームたっぷりの内容。
最大ヒットとなったシングル「ポーリュシカ・ポーレ/苦しき夢」を筆頭に、仲雅美に改名してのデビュー曲「だから愛して」から「北に消えゆく二人/恋は血の色」、師事していたチャーリー石黒作品の「涙のジャーニー」「君を愛す」、筒美京平作品「 ふたりは奇跡の中で」、山上路夫+平尾昌晃作品「さすらいが呼んでる」、小谷夏(故・久世光彦さんのペンネーム)+都倉俊一作品「海が見えたら」「八時発準急電車」「陽は落ちる」とシングルA面をしっかり網羅。
これにファーストアルバム「仲雅美とあなた」から「また逢う日まで」、セカンドの企画もの「哀愁のロシア民謡を歌う」から「ともしび」、サードの「君を愛す」から「母の想い出」「トランペットの子守歌」「北国行きで」、そしてビクターらしい新録入りベスト「デラックス」から「 別れの朝」、これまた新録入りの豪華パネル仕様デラックスベストシリーズ「パネルデラックス」から「出逢い」「君をのせて」「雪は降る」「待ちくたびれた日曜日」と、オリジナルのみならず尾崎紀世彦、朱里エイコ、ペドロ&カプリシャスらのカバーも含み、幅広くセレクトされています。
長年待ち続けたファンの方はもちろん、爆報で興味を持たれた人も、この機会にぜひどうぞ。MEG-CDを既に買ったという方も、価格の面でも、音質や仕様の面でも、雲泥の差があると思いますので、ぜひビクター純正に買い換え、買い増しをどうぞ。
(2015.5.14)