30周年記念でボーカリストに徹したオリアルも登場!
私事で恐縮ですが、「中崎あゆむ」というペンネームを使うようになってから20年以上、サイト開設からは16年の月日が経ちます。
昔からよく「名前は中村あゆみさんから取ったんですか?」という質問が来たり、ギョーカイの方にも混同され「中村あゆむ」と呼ばれたり、間違って記載されたり。いつかはご本人と間違われメールが届いたこともあったりして…。
また、サイトを始めた99年春はちょうど“あゆ”が大ブレイクした頃で「浜崎あゆみさんのファンなんですよね?」とかと言われたこともあったり、中村&浜崎という2人のあゆみファンに違いないと思われたり、中森明夫さん的な理由でのネーミングと完全に誤解される節があり、今でも初対面の方に指摘されることも少なくありません。
正直、どちらにもまったく関係ないのですけれど、中村あゆみさんの方は同世代であり、個人的にもアルバム「Be True」(初期のハミングバード時代の作品はBOX「 BEST COLLECTION HUMMINGBIRD YEARS '84-'93 」でたっぷり聴けます!)は17才の初夏に聴きまくったほど大好きだったので、もしかしたら深層心理的に影響を受けてのネーミングだったかもしれません。
さて、そのあゆみさんですが、結婚、出産を経て2004年に再始動。
折からのカバ&名曲ブームの後押しもあって、カバーアルバムシリーズ「 VOICE 」「 VOICEII 」「 VOICEIII 青春の光と影 」などが話題を呼び、見事に第一線へと返り咲いた印象があります。
そして昨年にはデビュー30周年を迎え、記念のオール・タイム・ベスト(初回盤は「 Ayumi of AYUMI~30th Anniversary All Time Best【初回限定盤CD+DVD】 」、通常盤は「 Ayumi of AYUMI~30th Anniversary All Time Best 」)をリリース。
さらに先週には記念ライブのDVD「 Ayumi of AYUMI ~30th Anniversary PREMIUM BEST LIVE at ReNY 20140919 [DVD] 」が出るなど以前にも増して活発な活動を見せていますが、なんと今月には、かの吉田格さんがプロデュースしたというニューアルバム(初回限定盤「 chameleon(初回限定デラックス・エディション盤)(DVD付) 」、通常盤「 chameleon 」)がついに発売となります!
むろん復刻盤ではありませんが、彼女がいつものスタイルから離れ、ボーカリストに徹したというアルバムですし、そこはかとなく大人の歌謡曲テイストも漂っておりますので、ここはひとつオススメさせていただくことにいたしましょう。
吉田格さんのプロデュースということで否が応でも期待が高まるというものですが、今回のコンセプトの「中村あゆみの知らない“中村あゆみ”」。
おなじみのロックスタイルではなく、さまざまなタイプのナンバーをカメレオンのように変幻自在に歌うというイメージで、作詞はスーパーバイザーも務めた松井五郎さんが中心となり、作曲陣には尾崎亜美ちゃんをはじめ、昨年ブームを解散した宮沢和史さん、それに上田知華さんや伊藤銀次さんら、80年代のヒットメーカーたちが結集。あゆみさんのために楽曲を書き下ろすという趣向になっているのです。
今では古き良き時代のものとなってしまった、職業作家さんや気鋭のアーティストへの曲発注というスタイルからして、丁寧に作り込まれた印象がありますが、実際その通りなんですよね。
まず注目したいのが、今は亡き作詞歌・戸沢暢美さんの遺作をもとにしたという「おびえる果実」でしょうか。個人的にも「話しかけたかった」「新しい気持ち」「eyes」などの戸沢作品に感銘を受けてきましたのでお亡くなりになったときには本当に残念に思ったものですが、こうして新曲が生まれたことを心からうれしく思います。
そして何と言っても感銘を受けたのが、須藤晃さん&玉置浩二さんという黄金のタッグによるバラード「あゆみ」。
小泉亮のペンネームでも知られる須藤さんは玉置さんのソニー移籍時からのプロデューサーであり名作詞家でもありますが、2人の書き下ろし曲が入ることもスゴイのに、タイトル通りこれまた自叙伝風の名曲。80年代に青春を過ごしたアラフィフなら感涙してしまいそうな、大人のためのメッセージソングなのですね。
楽曲のレベルの高さもさることながら、主役となる中村あゆみの歌声が良いのは言うまでもありません。
彼女のハスキーボイスというと、一般にはパワフルでロックなナンバーというイメージが定着しておりますが、このアルバムではぐんと柔らかく変身。
どれをとっても中村あゆみであることに違いはないのですが、ソフトロックからシティポップスに加え、シャンソン風やジャジーなナンバーまで多様な曲調に合わせ、昭和歌謡的な“ため息”唱法とでもいうべきムードもモノにするなど、いい意味で期待を裏切っていると思います。
歌謡曲ファンにも受け入れらそうなこのアルバム。「あゆみ」1曲だけでも聴く価値がありますし、iTunes(「 Chameleon - 中村あゆみ 」)では予約&2曲の先行配信が始まっておりますので、アルバム全曲は…という人もこの1曲だけダウンロードしてみてはいかがでしょう。
なお、初回限定盤デラックス・エディション「 chameleon(初回限定デラックス・エディション盤)(DVD付) 」はCD+DVDの2枚組で、3方背BOX仕様、撮り下ろしフォトによるCDサイズ16P壁掛けカレンダー封入という豪華版。ちなみにDVDには、アルバムを象徴する3曲「あなたしか覚えてない」「Cry」「あゆみ」のミュージック・ビデオが収録されてるとのことです。
(2015.2.4)