30周年で歌手活動再開の桃子、テレビ歌唱映像集!
1984年4月にシングル「青春のいじわる」で歌手デビューしてから、今年でちょうど30年を迎えた菊池桃子さん。
ウイスパーボイスを武器に、アイドル歌手としてオリコンNo.1ヒットを連発した彼女は、80年代アイドルを代表するビッグネームの1人です。
話題沸騰中の「 レコード・コレクターズ 2014年 11月号 」での特集「日本の女性アイドル・ソング・ベスト100 1980-1989」でも、38位の「卒業-Graduation-」を筆頭に、52位に「青春のいじわる」、84位に「雪にかいたLOVE LETTER」、91位に「BOYのテーマ」と4曲ものソロ曲を送り込み、ボーカルを務めた伝説のロックバンド、ラ・ムーの「愛は心の仕事です」をロックバンドにもかかわらず86位にランクインさせるなど、業界周辺での支持の高さを見せつけました。
むろん女優としての活動は言わずもがな、結婚・出産後はママドルとしても大活躍。近年は伊代ちゃんも出た母校・戸板女子短大の客員教授を務めるなど、おっとりしたイメージとはうらはらに、確固とした目的意識をベースに、いつも前向きで自立した生き方を実践している印象があります。
長年休んでいた歌手業の復活にも意欲的で、40周年記念日には、新曲を含むセルフカバーアルバム「 青春ラブレター~30th Celebration Best~ 」を発表し、見事オリコン20位をマークするヒットを記録。さらに実に27年ぶりというソロライブも敢行し、往年のファンを大喜びさせています。
その根底にあるのは、ハイセンスなシティポップスをベースにした音楽性もさることながら、やっぱり歌声とともに変わらないルックスだと思いますが、ここにきてラ・ムーを含む歌唱映像を集めた2枚組DVD「 30th anniversary 菊池桃子 in トップテン―日本テレビ秘蔵映像集― [DVD] 」も発売となります。まるで桃子からのクリスマスプレゼントのように!
日本テレビ系のVAPレコードに所属した桃子さんですから、もちろん日テレの番組が中心。合計約190分にもおよぶ桃子ちゃんまつりという感じで、お腹いっぱいになること請け合いです。
ディスク1は「ザ・トップテン」および「歌のトップテン」から、出演映像全52回分を完全収録。デビュー曲の「青春のいじわる」から「SUMMER EYES」「雪にかいたLOVE LETTER」「卒業-GRADUATION-」「BOYのテーマ」「もう逢えないかもしれない」「Broken Sunset」「夏色片思い」「Say Yes!」「アイドルを探せ」「Nile in Blue」「ガラスの草原」までのソロ曲に、ラ・ムーの「愛は心の仕事です」「少年は天使を殺す」が網羅されるほか、本人によるコメンタリーも収録予定とのこと。
トップテンをまとめたDVDとしては、2010年に南野陽子の通販限定企画「ナンノ アニバーサリー25th」がありましたが、ナマで公録というテンションが如実に分かるシチュエーションはもとより、あらためて見ると珍セットも多かったりして、とても楽しめましたので、桃子バージョンもいろんな意味で充実していることと思います。
一方、ディスク2は、歌ゲストとして出演した日曜お昼の「スーパーJOKEY」と、土曜朝の「うるとら7:00」で映像を収録。こちらの方もスタイルが確立された番組ですので、歌以外でも楽しめそう。個人的にはお客さんとの距離が近く、バンドではなくカラオケを使用する「スーパーJOKEY」はオススメです。
なお、このディスクには菊池桃子写真展で上映されたというメイキング映像も入るそうです。
パッケージはデジスタック・クリア三方背仕様という特別仕様で、全シングルレコードのジャケット写真などを掲載した豪華ブックレットのほか、封入特典も予定されているとか。
桃子さんの場合、既発のライブ映像や映画、ドラマなど既発売の映像ソフトのDVD化は、2つのBOX「 菊池桃子 プレミアム・コレクション LEGEND [DVD] 」「 菊池桃子プレミアム・コレクション BRAND [DVD] 」などで進んでいましたが、今回は商品化自体が初めてとなりますし、「ザ・トップテン」や「歌のトップテン」はCSで再放送されてきたりしましたけど、再放送でオンエアがなかった回も多く含まれているでしょうから、ファンは必携ですよね。
思い返せば、2003年の桜田淳子BOXが先鞭を付け、CD-BOXの目玉的存在として普及していったアイドルのテレビ番組歌唱映像集。
その後もスタッフの関係が愛情いっぱいの「スター誕生!」ファミリーを中心に続々と実現され、TBSの「ザ・ベストテン」やフジの「夜のヒットスタジオ」での出演回を集めた歌手&番組別の完全収録BOXなどに発展しましたが、一回りした最近は停滞しているのも事実です。
でも、テレビでの歌唱映像がDVDになった70〜80年代の女性アイドルを挙げると、南沙織、天地真理、麻丘めぐみ、桜田淳子、山口百恵、キャンディーズ、伊藤咲子、岩崎宏美、ピンク・レディー、石野真子、柏原芳恵、三原順子、松本伊代、中森明菜、本田美奈子、南野陽子ぐらいなんですよね…(VHSを含めるとアグネス・チャン、太田裕美らもありますが)。
映像はいろんな権利がフクザツでなかなか難しいようですが、これを機に、さまざまなアイドルのテレビ歌唱映像集のDVDやブルーレイのリリースが再び盛んになることを願っています。
やっぱりカラーテレビを舞台に大活躍した70~80年代アイドルは、歌唱映像があって初めて成立するものだと思いますし、それもライブよりもテレビで歌う映像があれば言うことありませんからね。
特に80年代は70年代とは比較にならないほど映像が残っている率が高いようですので、ターゲットの購買力が盛んなうちに各社続いてほしいものです。
「ゴールデン☆アイドル」の映像版が出た日には、全タイトルをコレクションしちゃうんだけどな。
(2014.10.20)