レココレ特集上位曲も網羅した廉価盤アイドルコンピ！
今夏、ドーナツ盤の雰囲気を再現した豪華仕様のメーカー合同企画「ゴールデン☆アイドル」シリーズ（こちらとこちらとこちらとこちらとこちらで紹介）も予想以上に好評の様子で、オリコンでは岡田有希子の79位を筆頭に、河合奈保子が141位、南沙織が204位、天地真理が234位、榊原郁恵が269位、麻丘めぐみが294位、石野真子が298位にそれぞれチャートインと軒並み大健闘。各社ともに続編のリリースが待たれています。
さらに、かのレコード・コレクターズ誌では「 レコード・コレクターズ2014年09月号
」の70年代女性アイドル特集に続き、「
レコード・コレクターズ 2014年 11月号
」では続編となる80年代女性アイドルの特集が決定するなど、賛否両論はあるものの、昔の扱いを思えば天変地異レベルといえる出来事さえ起きています。ファン層は当時を懐かしむ中高年だけでなく、今の地下アイドルに魅力を感じない若年層にまで広がっているといいますし、巷ではアイドルポップスの再評価はますます進んでいるようです。
時折こちらにお寄せいただくメールやメッセージの中にも「アイドルのヒット曲を簡単に追えるオススメコンピを教えてください」という、マニアではない一般の方らしき方からのお便りもあったりして、ブームの確かな手応えを感じている昨今です。
さて、そういう声に対してオススメしたいのが、ポニーキャニオン発“決定盤!! ベスト”シリーズの最新リニューアル版にして、32曲を収録した2枚組「 決定盤!! 「歌謡ポップスの時代」ベスト
」です。“決定盤!! ベスト”シリーズいえば、2008年から怒濤のように発売されてきた廉価盤ベストとしておなじみ。
アイドルポップスから、歌謡曲、フォーク、ニューミュージック、映画音楽、純邦楽、ハワイアンクラシック、童謡、イージーリスニング、軍歌、落語まで、幅広いジャンルのラインアップで、3年周期でプチリニューアルを繰り返した感がありますが、なんと合計186のタイトルがリリースされているそうです。
今回はその中から売れ筋ベスト上位50タイトルを厳選し、リパッケージ盤として発売されるもので、アイドル系としては3度目の焼き直しという感じ。
タイトルは「歌謡ポップス」となっていますが、2008年に出たオリジナル盤「 決定盤!!「歌謡ポップスの時代」ベスト
」と2011年の続編「
決定盤!!::アイドルの時代 ベスト
」を一つにまとめて編み直したような構成で、1970～80年代に活躍したアイドルヒットの入門編となっています。ポニーキャニオン発のコンピですからトータルでは当然ポニキャンのアーティストが中心ですし、男性アイドルも含みますが、キャニオンがまだ新進のレコード会社で成功者が少なかった70年代は他社のアイドルばかり。よって2枚組のうち1枚目は、70年代のアイドルポップスを総括するのにぴったりの内容なのです。
実際、先のレココレ「日本の女性アイドル・ソング・ベスト100（1970-1979）」特集と照らし合わせてみますと、1位の太田裕美「木綿のハンカチーフ」、2位の南沙織「17才」、8位の木之内みどり「横浜いれぶん」、9位のキャンディーズ「微笑がえし」、11位の岩崎宏美「ロマンス」、12位のピンク・レディー「渚のシンドバッド」、13位の山口百恵「プレイバック part 2」、19位の岡田奈々「青春の坂道」、20位の桜田淳子「はじめての出来事」、34位の天地真理「恋する夏の日」、45位の松本ちえこ「恋人試験」と、ベスト50にランクインした人気曲がズラリ。
50位以下でも、81位にランクインした中原理恵「東京ららばい」が入っておりますので、あの特集を読みながら聴くにはうってつけではないでしょうか。
なお、今回のリパッケージで収録曲の揺り動かしがあったようで、2011年版ではこっちに入ってた24位の山本リンダ「どうにもとまらない」と53位のあべ静江「みずいろの手紙」は「 決定盤!! 歌謡曲の時代 ベスト
」へと移動（32位の高田みづえ「硝子坂」はカットされた模様）していますので要注意です。また、同じく2011年のシリーズですが女性アイドルのみに特化した「 決定盤!!::アイドルの時代 ベスト
」には、3位の麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」、4位のキャンディーズ「年下の男の子」、7位の小林麻美「初恋のメロディー」、14位の天地真理「ひとりじゃないの」などが収録されていますから、在庫があるうちにセットで入手してもいいかもしれません。という廉価盤ベストのタイムリーなリパッケージ再発。アイドルのベスト盤やBOXをコレクションしているフリークの皆さんにとってはスルーされる内容だとは思いますが、いつでも聴きたくなったときに重宝する手軽なコンピ盤として手元に置いておくのもいいのでは。
なお80年代編のディスク２はポニキャンに偏ってはいますが、レココレ80年代編で上位確定の松田聖子「青い珊瑚礁」も入っていますし、80年代後半のアイドルブームはフジサンケイグループが牛耳ったと言っても過言ではないと思いますので、しっかり楽しめると思います（ちなみにレココレ11月号「日本の女性アイドル・ソング・ベスト100（1980-1989）」特集と対照しますと、1位の原田知世「時をかける少女」、9位の松本伊代「センチメンタル・ジャーニー」、14位の斉藤由貴「悲しみよこんにちは」、16位の岡田有希子「くちびるNetwork」、22位の松田聖子「青い珊瑚礁」、24位のおニャン子クラブ「セーラー服を脱がさないで」、27位の石川ひとみ「まちぶせ」、30位の新田恵利「冬のオペラグラス」が収録されています／2014.10.10追記）。
とは言いつつ、現在入手可能なお手頃アイドルコンピの中で最もオススメしたいのは、手前ミソながら「永遠のアイドル」（こちらで紹介）という2枚組。この機会に便乗し再プッシュさせていただいておりますので、ご興味がおありの方はぜひそちらもチェックしてみてください。
（2014.9.25）
