Blu-specも登場!伝説を紐解き、神話を聴き継ぐ決定版!
今や巷は高品質CDブーム。ユニバーサルとビクター、テイチク、ワーナーはSHM-CD、コロムビアやEMI、ポニーキャニオンはHQCD、ソニー、BMGはBlu-spec CDと、軒並み大量のリリースが続いています。
結局、SACDも本格導入しなかったワタシといたしましては、いつものプレーヤーで聴いてもいい音になるというハイクオリティなCDは願ったり叶ったりなのですが、既に持ってるモノの高品質CD化については、買い換えるべきか、買い増しするべきか相当迷っております。皆さんはいかがなものでしょう?
で、先にお知らせした松田聖子の80年代16タイトルをはじめ、この夏はソニーミュージックのBlu-spec CDリリースが目白押し。
今回は邦楽カタログがドーンと25タイトルほどラインアップ。ビギナー向けとでも言うべきBlu-specベスト盤が、完全生産限定で8月に一挙発売されるのです。
と言っても、新たな編集盤ではなく、ほとんどがG☆BシリーズなどのベストセラーベストのBlu-spec CD化という感じなのですが。
このサイト的にピックアップするだけでも、シンシアの筒美先生しばり全42曲「 ゴールデン☆ベスト 南沙織 筒美京平を歌う 」を筆頭に、太田さんのお手軽完全盤「 ゴールデン☆ベスト 太田裕美 コンプリート・シングル・コレクション 」、秀逸な選曲に全国の真理ちゃんファンが涙した「 ゴールデン☆ベスト 天地真理 コンプリート・シングル・コレクション・アンド・モア 」、キャンディーズ「 ゴールデン☆ベスト キャンディーズ 」、ナンノの必携盤「 ゴールデン☆ベスト 南野陽子 ナンノ・シングルスIII+マイ・フェイバリット 」などなど、おなじみソニーの看板アーティストのベスト盤がずらり。
オリジナル発売時にはどれも人気だったタイトルばかりだし、コレをお読みの方々はきっとお持ちのものも多いと思いますけど、Blu-specなのに発売済みの通常盤CDとは200円ほどの差ですし、大好きなアーティストのだけお試しで買ってみる、というのもテですよね。耳になじんだあの歌この曲が、もしかしたら新鮮な響きを連れてくるかもしれませんし。
そういう意味では、まさにブルーレイディスク用の素材やカッティング技術を応用した成果、すなわちどれほど音がよくなっているのかを体験するのにうってつけと言えますね。
というBlu-spec CDベストシリーズですが、中には新装盤といいますか、新しくリイシューされ直したものも何枚か含まれております。前に出たCD&DVDシリーズのCDのみという感じの「 ゴールデン☆ベスト 久保田早紀 シングルズ 」(6月24日には現在の活動のニューアルバム讃美歌集「 天使のパン くめさゆり・さんびか集 」がリリース!)もオススメではありますが、やっぱりイチバンは百恵ちゃん。
以前のG☆Bとは趣を異にする2枚組シングルコンプのBlu-spec CD「 ゴールデン☆ベスト 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション 」(通常CD盤「 ゴールデン☆ベスト 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション 」も同時発売)でしょう。
コアな百恵ファン以外からは「また!?」「いくらなんでも出し過ぎ!」なんて声がまた聞かれそうですが、どんなに相次いでも出せばきちんと売れるんですから。特に昨今の状況下にあっては、新商品が出るのはトーゼンですよね。
それに百恵ちゃんの場合、2枚組ベストCDもたくさん出ていますが、BOXを除き1タイトルで気軽にシングル全曲が聴けるベストがほとんどなかったように思いますので。初期はスルーされがちだし、「謝肉祭」の件もあったし、時間の都合でエンディングがFOされちゃったり、いろんなコトがあったですしね。こうやって全シングルA面抜かりなく入っているのは、もしかしてCD黎明期の2枚組以来ではないでしょーか?
で、今回はタイトル通り、73年の人に目ざめるデビュー曲「としごろ」から、引退後の結婚式当日に出た「一恵」までの全シングルA面32曲はもちろん、引退後の82年にベスト盤のために蔵出しされ宣伝用にプレスされたシングル「あなたへの子守唄」や94年のリアレンジアルバムからのシングルカット「惜春通り」までもを網羅。
さらには「ありがとう あなた」「赤い運命」といった”赤いシリーズ”のテーマ曲や「曼珠沙華」など、両A面っぽい扱いでよく知られたB面曲も追加収録されているとのことです。
神話しか知らない若い人にとっては、気軽ながらも、青い性にめざめて時代と寝るようになるまでの軌跡をつぶさに追え、聴き継ぐことのできる入門編ベスト。歌姫がマイクを置き、七年半の蒼い時が伝説へと変わる瞬間に立ち会ったリアル世代にとっては、大衆が見た山口百恵という側面を思い出とともに十二分に反芻できる完全ベストになっているのではないかと思います。
ああ、今回のラインアップがみんな既発タイトルのBlu-spec CD化なら我慢するのですけど、百恵ちゃんの新装盤を横目に見てしまうと、なんだかまたまた心がいじけそうな感じがするなあ。SACDハイブリッド盤も完璧に出て、Blu-spec CDでも新編が出て…。毎度のことですが、百恵ちゃんファンってつくづく恵まれていると思いますね。
しかも今回、さよなら公演武道館ファイナルの完全版ライブDVD「 伝説から神話へ 日本武道館さよならコンサート・ライブ-完全オリジナル版- [DVD] 」も同時発売。これは2003年発売のDVDに「謝肉祭」を追加したもので、ライブボックスでしか見られなかったDVDの単品発売版だそうです。
うーん、ここまでやってくれるなんて、ファンならば感謝以外の気持ちを持ったら絶対バチが当たりますよね。と、相も変わらずため息で終わる百恵ちゃんの紹介でした…。
(2009.6.2)