40周年の真打ち、花のトリオの映画もBlu-ray化!
ともにデビュー40周年を迎えた淳子が復活の狼煙を上げた今、否が応でも御神酒徳利の百恵ちゃんのことを思わずにいられませんが、ここに来て主演映画のブルーレイBOX「 【Amazon.co.jp限定】山口百恵 映画全集 1974-1980 Blu-ray BOX(完全数量限定) [Blu-ray] 」の発売が正式にアナウンスされました!
百恵ちゃんの映画というと、三浦友和さんとのゴールデンコンビを中心に、文芸大作が目白押し。百恵ちゃんの映画を機に原作に触れ文学少年少女になった人も多いでしょうし、PTAも推奨したり、学校で割引券が配られたこともありました。確かアイドル映画では珍しい文部省選定にもなった作品もありましたよね。
個人的にも百恵ちゃんの映画というと、初主演作にして相手役募集など鳴り物入りだった’75お正月映画「伊豆の踊子」から、引退後の公開で最後の最後の百恵フィナーレとなった「古都」まで、公開前の盛り上がりや同時上映のアイドル映画、追随した淳子などのライバル映画を含め、たくさんの思い出があります。
中でも本編よりも鮮烈に覚えているのは、わずか4カ月後の公開となった主演2作目のGW映画「潮騒」の話題性。元々、中年男性たちからエッチな視点で語られることの多かった百恵ちゃんですが、この時のイヤらしさといったら。歌と違って実際に見えるものだからしょうがないにしても、週刊誌とかじゃなくテレビ番組ですらひどかったですからね。それでも毅然というか、クールに、時には笑いながら受け答えしている百恵ちゃんってスゴイと、後になるほど感心したことでした。
本編で好きな作品は、幼心にも泣きまくった「絶唱」。気位の高いいとさん「春琴抄」にはドM開発された初体験のような気もしますし、期待していた同時上映がヒドかった分大感動した「炎の舞」、二役の百恵ちゃんの演技力と美しさに息を呑んだ「古都」など、やはりお正月映画の文芸ものです。
さて、これまでにも、テレビ映画「野菊の墓」を含む14作品(そのほか「伊豆の踊子」「潮騒」「絶唱」「エデンの海」「風立ちぬ」「春琴抄」「泥だらけの純情」「霧の旗」「ふりむけば愛」「炎の舞」「ホワイト・ラブ」「天使を誘惑」「古都」)のBOXは、ビデオ、LD、DVDとメディアを変えて繰り返しリリースされてきましたし、コアなファンやコレクターの皆さんはその都度入手されてきたことでしょうが、今度はハイビジョン画質のブルーレイ。
しかも今回は2011年にDVDとして初商品化(こちらで紹介)された花のトリオの2作品「花の高2トリオ 初恋時代」「出発 三人娘・涙の卒業式より」も入った全16作品が入っているといいますから、百恵ちゃんファンでなくとも食指が伸びてしまうところ。淳子やマコのファンの皆さんも清水の舞台から飛び降りる人も多そうです。
初ブルーレイ化といっても、古いものだけ元々の画質の悪さが気になりますが、今回は最先端のデジタル処理を採用し1コマずつノイズ除去や色彩補正された作品もあるそうですから、DVDに比べてもとぐんとクリアになること請け合いです。
ちょうど今月から、ケーブルテレビの日本映画専門チャンネルで「映画女優・山口百恵の世界」が始まりましたが、あれを録画したもので我慢はできそうにもありませんからね。
さらに今回見逃せないのが、特典として付くBlu-specCD2。「伊豆の踊子」「少年の海 -出逢い-」「山鳩」「野菊の墓」「子守唄(ララバイ)」という初ブルスペ2化となる主題歌5曲入りだそうのですから、歌だけを追ってきたファンも必携かも。
もちろんカラー80ページの映画解説集も付きますし、各ディスクには予告篇と宣伝ポスターやスチール写真のギャラリーなども収録されるとのこと。
とはいえ、BOXのためかなりなお値段に、ちょっと二の足を踏んでしまう感じですよね。単価的には決して高額ではないと思いますが…。ただ、Amazon限定となったためか当初予定されていた価格より割安だし(ただし独占販売なので割引はない模様)、冬のボーナス大枚をはたいてみる価値があることは間違いありません。
「スター誕生!」の決戦大会の頃から女優としての資質が注目されていたそうですが、やっぱり映画女優として大成させていこうとしたホリプロの目の確かさと、それに堂々と応えた百恵ちゃんの才能をあらためて鑑賞してみるのが、百恵ちゃん40周年のフィナーレにふさわしいファンの行動ではないかと思ったりしています。
なんたって朝ドラの「あまちゃん」のおかげで、百恵ちゃんの「潮騒」と百恵ちゃんの海女ちゃん姿が再認識された記念すべき年でもありますから。
(2013.11.8)