オススメ復刻盤「麻丘めぐみ/ゴールデン☆アイドル」


ナツメロ喫茶店

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 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#680

麻丘めぐみ/ゴールデン☆アイドル

(2014.8.27発売、VICL-70119、¥3,800+税)  *SHM-CD・2枚組  7.30→8.27に発売延期

*ビクター編ではピンク・レディー/ゴールデン☆アイドル」(VICL-70121)、「石野真子/ゴールデン☆アイドル(VICL-70123)も同時発売!

ジャケ写とともに愛でたい、ビクターのアイドル第1号!

 いま巷のアイドルファンの間では話題騒然だという新シリーズ「ゴールデン☆アイドル」。

 ソニー、コロムビア、ユニバーサル、ビクター、ポニーキャニオンの5社連動によるシリーズですが、高品質CDにドーナツ盤のAB面を完全収録し、アナログシングル・サイズの紙ジャケット仕様に各ジャケットのレプリカブックを付けるという特別仕様は、あの頃ドーナツ盤のジャケット写真を眺め、歌詞を目で追い、AB面ひっくり返して聴いてきたことを懐かしいと思う人にはたまらないものだと思います。

 当時1枚500~700円だったシングル盤でも、あれこれ欲しいモノが多かった小中高生にとっては決して安くはない金額でしたから、あれを買おうか、これを買おうか、棚から取っては戻し、戻しては取っていた思い出を持つ人は多いんじゃないでしょうか。

 復刻など夢のまた夢だったCDの普及期には、ビクターのCDファイルのように、当時のジャケットがブックレットに復元されるだけでうれしかったし、ミニチュアを愛でる日本人のDNAとしては、食玩のCDシングルにも興奮したものですが、記憶の忠実な再現という点ではやっぱりサイズ感が重要。
 LPの復刻ではCDサイズの紙ジャケより、オリジナルと同じでかジャケの方がアドレナリンの分泌が高いような気がしますからね。

 そういう意味では、この「ゴールデン☆アイドル」シリーズの仕様はバッチリ。
 逆に言えば、今回つい手が伸びてしまう人はリアルタイムでそういう思い出を持っている人に限りそうな気がしますが、AB面コレクションという収録内容だけでも押さえておきたいアイテムだと思いますので、お早めにどうぞ。
 また、決断している方は迷ってる方のためにも早めにご予約を。予約の動きが早ければプレス数にも反映され、そうなると、それだけ多くの人が手にできることに貢献できるワケですしね。

 さて、予定されているラインアップには、各社を代表する70~80年代のビッグアイドルが並んでいますが、前回のコロムビア(こちらで紹介)に続いて今回ピックアップさせていただくのがビクター。

 当初の予定からちょっと変更になったようですが、デビュー順に72年の麻丘めぐみ「 ゴールデン☆アイドル 麻丘めぐみ 」、76年のピンク・レディー「 ゴールデン☆アイドル ピンク・レディー 」、78年の石野真子「 ゴールデン☆アイドル 石野真子 」というラインアップで、各SHM-CDの2枚組となっております。

 ビクター時代のアナログシングルは、めぐみさんが5年余りで19枚、PLが4年半で22枚、MAKOちゃんが引退後と復帰後も入れて21枚。

 ただ、いずれもBOXなどでシングルAB面はとっくにCD化済みですし、近年の「ゴールデン☆ベスト」シリーズでは三者とも「 ゴールデン☆ベスト 麻丘めぐみ 」や「 ゴールデン☆ベスト ピンク・レディー~コンプリート・シングル・コレクション 」、「 ゴールデン☆ベスト デラックス 石野真子 」(「明日になれば」のB面「マコ・パック(メドレー)」は未収録)というAB面コレクションがリリースされ絶讃発売中。

 しかも各人のシングルはみんなMEG-CD化されていますし、めぐみタン初BOXのブックレットにはジャケ写両面が掲載されていましたし、MAKOちゃんのBOXには原寸大のシングルジャケ写が付いていましたし、PLに至ってはCD黎明期の「CDファイル」シリーズに始まって2011年には究極のシングルBOX「Singles Premium」も出ていましたからね。

 今回はSHM-CDでいい音になるといえども、音源的には珍しくはないので、やっぱり前述のノスタルジーおよびグッズとしての位置づけというのが購入ポイントではないでしょうか。

 思えば70年代初頭に、歌という分野でアイドルポップスというジャンルを開拓したのが新進レコード会社のCBS・ソニーであり、その成功を追いかけるように力を入れ、好敵手となったのが老舗のビクター。
 新時代のビクター音楽産業のアイドルポップス第1号(ガムシリーズ)が麻丘めぐみだったのですから、ここはやっぱり彼女を推すことにいたしましょうか。ある意味ソニーの南沙織のライバルであり、同じ筒美京平先生がデビューから手がけた重要な歌手でもありますしね。

 先に歌手になったお姉さんとは違って、もともとやる気がなかったという彼女ですが、初期の筒美作品を中心にホントに名曲多し。

 ちなみに筒美作品は、元ヴィレッジ・シンガーズの笹井一臣さんディレクションのもと、デビューシングルの「芽ばえ/素晴らしき16才」から、魔の日劇転落事故直後のリリースとなった「白い部屋/ウェディング・ドレス」、そして復帰作にして路線変更した「悲しみのシーズン/ひまわりの花」までの連続9枚にプラスして、ディスコ・イン・めぐみのプロモーションを頑張った「夏八景/黄昏のテラス」。

 当時のことを思い起こしても子ども心にもカッコよかった「森を駈ける恋人たち/そよ風のテラス」や、唯一のNo.1ヒット「わたしの彼は左きき/ひとりの私」も大好きですが、個人的には「アルプスの少女/ヘイ・ミスター」がベスト。歌い出しのヤッホーや振りも含め、あの歌を初めてテレビで見た日のことは忘れません。
 余談ですが、モデル出身らしくファッションセンスもよくって、幼なじみの女の子が母親に縫ってほしいとねだっていたのは、決まってめぐみさんの衣装でしたね。

 と、シンシアと双璧をなす感じで、とにかく曲に恵まれていましたが、歌手・麻丘めぐみのイメージは、やっぱり千家和也さんが生命を吹き込んだと言えそう。
 「芽ばえ」の男性目線による自立とはほど遠い依存的女性像とか、「女の子なんだもん」から「ときめき」へと向かったちょっとエッチな方向性(青い性典として百恵ちゃんへと引き継がれることになります)とか。昔、楽曲制作の背景にウーマンリブで強くなった女性へのアンチテーゼがあった、なんていうこじつけの一文を書いたことがありましたが、千家さんが手がけた初期の作詞を読むと、ホントに殿方向けだと実感したりして。

 また、後期の大人びるというよりも、急にオンナになって、ミズっぽくなっていった経過もフォトジェニックなめぐみさんならでは、ジャケットと併せて楽しめそう。

 そういえば、ビクターのジャケットの歌詞面ですが、アイドルポップスであっても70年代前半は縦書きのものも結構多かったので、今回はそういうのも一興かも。果たして70年代までビクターおなじみの絹目テクスチャーが再現されるかどうか、「芽ばえ」のジャケ写はガムシリーズのレーベルなのか、そんなマニアックな期待も募りますね。

(2014.5.26)


*ビクター編のみ2014.8.27に発売延期となりました。ご注意ください。

*「ピンク・レディー/ゴールデン☆アイドル」(VICL-70121)は発売中止となりました。ご注意ください。


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