筒美アルバムにして屈指の名盤、紙ジャケで復刻!
日本ポップス史上に燦然と輝く屈指の名盤。むろん百者百様、いろんな答えがあるでしょうが、個人的なことを言えば真っ先に挙げたいのがやっぱりコレ!
筒美京平先生が全曲を手がけたあの名盤が、オリジナルパッケージの紙ジャケとしてついに復刻されることになりました。
そう、このたびコロムビアの昭和アーカイブス・紙ジャケこれくしょんシリーズが久々に復活し、世紀の名盤「 サウンド・ナウ! 」の紙ジャケ復刻が決まったのです!
収録曲自体は、2004年の「 しんぐるこれくしょん 」で全曲CD化が済んでいましたが、あの時はシングルベストのオマケという形でしたので曲順もバラバラ。
ブックレットの表4でジャケットも復刻されていたものの、アルバムとして堪能するには、プレーヤーのプログラム機能を使い並べ替えて聴くか、またはPCに取り込んで自家製プレイリストを作るか、というような状況でしたので、あのアルバムを愛してやまない人にとっては、今回のオリジナルのまま復刻というスタイルは何よりもウレシイ出来事ではないでしょうか。
さて、1971年、マチャアキのソロシンガーとしての出発を「さらば恋人」で見事成功させた筒美先生ですが、このアルバムがリリースされたのは翌72年7月。前年のレコード大賞では大衆賞を受賞、歌にドラマにバラエティーに、ハッチャキでシャカリキなマチャアキ全盛期です。
上り調子のアーティストパワーにもオーラを感じますが、注目すべきは、やっぱり洋楽の本歌取りというべき筒美マジックでしょう。
ナウなモータウンやフィリーソウルのサウンドをベースにした日本人好みのメロディーラインに、あの二枚目半のマチャアキのキャラクターや声質を見事に融合させ、キッチリとした黄金律を描いているんですよね。
肩幅も袖もアームホールもマチャアキにぴったり、まさに歌のオーダーメイドというべき完成度になっています。
メロウな「幸福への招待/誰でも愛を求めてる」、紅白でも歌われた「運がよければいいことあるさ/若い旅人」という先行シングルを筆頭にした12曲は、橋本淳さん、阿久悠さん、山上路夫さんら職業作詞家の詞世界も相まって、マチャアキのイチバン素敵な部分が心ゆくまで堪能できるはずです。
まあ、コレに関してはいつものゴタクをアレコレ並べてもしょうがないので、ポップスが好きという人でまだこのアルバムを聴いたことがない人がいらっしゃいましたら、とにかく一聴していただきたいです。理屈抜きに音楽って心弾む楽しいものだということが、実感できるはずですからね。
なお、今回の紙ジャケこれくしょんシリーズは全部で5タイトルで、ほかに弘田三枝子「 ヒット・キット・ミコ(第1集) 」「 ヒット・キット・ミコ(第2集) 」、いしだあゆみの「 ファンタジー 」「 アワー・コネクション 」も同時発売されるとか。
筒美フリークにとっては、マチャアキと併せ、あゆみちゃんがお嫁に持って行きたいアルバムと語った「 ファンタジー 」も必携ですね。
(2013.5.17)