ヒデキは永遠！１周忌にシングルA面BOX！

　西城秀樹さんがお亡くなりなってから10カ月。
　逝去の報が流れてすぐ既発のベスト盤を求める人が殺到し、オリコンデイリーランキングでは3枚組の「 GOLDEN☆BEST deluxe 西城秀樹 」が1位を獲得。懐刻盤の「GOLDEN☆BEST 西城秀樹 シングルコレクション」（ こちらで紹介）もトップ10入り（ウイークリーでも最高10位を記録）するなど、配信も含め、ヒデキを偲ぶ人の多さとスーパースターぶりに改めて驚いたものです。
 
　我々世代にとってのヒデキは上の世代にとっての石原裕次郎さんや美空ひばりさんに相当する存在だったと実感し、時代を象徴するスターを失ったファンの気持ちを初めて理解できたように思ったり、その偉大さは時間の経過とともに一層大きく感じられますが、ついに追悼BOXが1周忌となる5月の命日に発売されることになりました！
 
　シングルA面曲を網羅した5枚のCDに、PV集のDVDをプラスした豪華BOX「 HIDEKI UNFORGETTABLE-HIDEKI SAIJO ALL TIME SINGLES SINCE1972(完全生産限定盤)(DVD付) 」！
　亡くなってすぐ報道されたように、追悼盤は早くから企画され、昨秋には出るという話もありましたが、なんたってヒデキは時代を代表するスターですからね。関係各所、納得のいくものをと検討されてきた結果でしょう。
 
　ヒデキの場合、生前から節目節目ごとに大型復刻企画が実現していて、シングルBOXだけを見ても、99年のシングルA面BOX「西城秀樹シングル・コレクション-77の軌跡-」、2007年のシングルAB面BOX「35th Anniversary Memorial Box HIDEKI Complete Singles 1972-1999」という２つのBOXが出ておりますが、いずれもRCA時代に限ったものでオールタイムとは言えなかったのも事実。
　今回は黄金期のRCAレーベル（RVC、BMGビクター、BMGファンハウスほか）のみならず、後期のキングやユニバーサル系に至るまで、初めてレコード会社の枠を超えてまとめられていますので、本当に貴重な追悼BOXといえるでしょう。
 
　5枚のCDには、1972年のデビュー曲「恋する季節」から2006年の「めぐり逢い」までのシングルリリースされたナンバーに、2015年の還暦記念の新曲として発表された「蜃気楼」を加えた87曲を発売順に収録。
　さらに各ディスクにはボーナストラックとして、フランス語バージョンの「傷だらけのローラ」、ボツバージョンの「炎」、野口五郎書き下ろしの「LOVE SONGを永遠に」、沢田知可子作詞の初商品化音源「遠き恋人の君」、2007年の後期ベストにボートラ収録されていた「青春」を振り分けて収められているとのこと。
　音源はグラミー賞受賞エンジニア・GOH HOTODAさんがリマスタリングし、Blu-spec CD2になるそうですからサウンド面でも満足できそうです。
 
　DVDは、PV全盛期の85年に制作された「ミスティー・ブルー」をはじめ後期作品のミュージッククリップ集が予定されているようですが、やっぱり注目はブックレット。
　あの「明星」でのグラフ撮影や、レコード会社に残っていたという未発表写真を含む100点以上を収めた96ページの写真集と、ヒデキのロックを認めていた音楽評論家・伊藤政則さんによるライナーノーツや、レコードジャケット、歌詞を収蔵した歌詞解説本の2冊が付くそうで、資料価値も大なるものがありそう。
　豪華な仕様のボックスも含め、やっぱり一家に1セット常備しておきたいBOXですね。
 
　なおオリジナル予約特典はどこで申し込むかによって異なるので要注意。ちなみに Amazon や Sony Music Shop などのショップでは先着でオリジナル・ポストカード・セット、 ワードレコーズ・ダイレクトでは伊藤政則さんとの対談DVD、 ファンクラブでは2005年のライブ映像の入ったDVDとなるそうです。
 
　ただ、ヒデキと言えばダイナミックでエキサイティングなアクション必須ですが、今回は黄金期の映像が入っていないようなので、補完品としてNHKでの歌唱映像集「HIDEKI NHK Collection ～若さと情熱と感激と～」（ こちらで紹介）やコンサート映像集「THE STAGE OF LEGEND～栄光の軌跡 ～ AND MORE」（ こちらで紹介）もぜひ。
 
　また、激しい“動”の歌唱映像だけだと、魅力半減のような気がするので優しい“静”のヒデキもお忘れなく。名作ドラマ「寺内貫太郎一家」（ こちらで紹介）なら、“寺内周平”という役柄を通してヒデキの温かい人柄が垣間見えますし、芸映の後輩・浅田美代子さんとのデュエット（「しあわせの一番星」「虹の架け橋」）や、悠木千帆（樹木希林）さん演じるばあちゃんとの掛け合いなど、若きヒデキの素晴らしさに感動すること請け合いです。
 
　もちろんコアなファンには悲願のアルバム完全CD化という夢もありますよね。ヒデキの場合、70年代のオリジナルアルバムは94年のオリジナルアルバムBOX「エキサイティング・エイジ'72～'79」で復刻済み（一部は単品再発あり）ですし、80年代も後期の5タイトルはソニーの通販限定で復刻されていますが、「SONGS」「BIG SUNSHINE」「ポップンガール・ヒデキ」「CRYSTAL LOVE」といった80年代初期は一部楽曲を除き未CD化なんですよね。
 
　ライブアルバムもライブBOX「HIDEKI SUPER LIVE BOX」や、通販BOX「絶叫・情熱・感激」（ こちらで紹介）でベストチョイスされた音源が聴けますが、アルバム単位では復刻されていませんので。
　今回のBOXが皮切りとなって、全アルバム復刻など、また新たな企画が進みますように。我らのヒデキはただ天国に行っただけで、これまでもこれからも永遠の存在ですのでね。