発売30周年！平成の名曲が令和に復刻！

　昭和を代表する歌手を問われたら、誰もが迷うことなく筆頭に挙げる美空ひばりさん。
　平成元年にお亡くなりになってから30年。ラストシングルとなった｢川の流れのように／あきれたね｣のリリースからも30年が経ったワケですが、令和元年という新しい時代に｢川の流れのように｣発売30周年を記念した復刻盤、それもこの上ないコレクターズアイテムが登場することになりました！
 
　単品としては、当時発売されていたシングルレコード「 川の流れのように[EP] [Analog] 」、シングルCD（8センチ）「 川の流れのように[8cmCD] 」、カセットテープ「 川の流れのように[カセットテープ] 」という３アイテムに、マキシシングル（12センチ）「 川の流れのように[12cmCD] 」を加えた4アイテム。
　そして、これらにスペシャル盤（1989年2月7日に九州厚生年金会館で収録されたライブ音源、2000年の映画主題歌としてリリースされた久石譲によるニューアレンジバージョンとそのカラオケを収録）とブックレットを追加したスペシャルボックス「 川の流れのように[スペシャルBOX]（生産限定）（仮） 」が同時発売（Amazonでは限定特典デカジャケ付きの「 【Amazon.co.jp限定】川の流れのように[スペシャルBOX](生産限定)(仮)(デカジャケ付) 」も発売）されるというのです！　今後さまざまなアーティストのパッケージ復刻の行方を占う意味でも、コレは見逃せないのではないでしょうか。
 
　さて、今や老若男女に幅広く愛されている｢川の流れのように｣ですが、シングル「川の流れのように／あきれたね」としてリリースされたのは、結果的に１並びとなった平成元年1月11日。秋元康プロデュースにより新境地を開拓したアルバム「川の流れのように ～不死鳥パートII」からリカットされたナンバーでした。
 
　とんねるずの「雨の西麻布」や片岡鶴太郎の「IEKI吐くまで」を放った秋元康＋見岳章のコンビですから、当初はそっち方面の「ハハハ」がシングルカットされる予定が、お嬢ご本人たっての希望でオーソドックスな｢川の流れのように｣に決定したという有名なエピソードが残っていますが、あのコンビはおニャン子クラブ唯一の演歌担当、城之内早苗のデビュー曲にして名曲「あじさい橋」も手がけていますからね。当然と言えば当然の仕上がりだったように思います。
 
　リリース当初は、橋田壽賀子＋石井ふく子コンビの昼ドラ「ああわが家」の主題歌に起用されたもののすぐさまヒットしたワケではありませんし、「愛燦燦」の名曲ぶりと比べるとひばりファンの間でもそこまでの評価はありませんでしたが、やはり6月の逝去後の追悼といいますか、生前最後のシングルということで買い求める人が続出。フィナーレに重なる歌としてヒットしていったのでありました。
　そういえばミレニアムは森光子さん主演で映画化（秋元康監督）されたこともありましたっけ。
 
　戦後を代表する大歌手・美空ひばりの代表的なヒット曲として、現在、平成回顧の歌番組でも必ずと言っていいほど流れるこの曲。お嬢の静かなメッセージが伝わる達観の味わいといいますか、全盛期の濃さがスッキリ抜け落ち、まさに風姿花伝の最後を綴るような絶唱。末永く愛でるコレクターズアイテムにふさわしいナンバーだと思います。
 
　余談ですが、お嬢の晩年で思い出すのがとんねるずとの交流。ひばりさんの愛息であり、今ではひばりプロダクションの社長となった加藤和也さんが小学生の頃、大ファンだったことから始まったそうですが、とんねるずも秋元プロジェクトで大きくなったコンビですから、その縁がこの曲につながっていったような気がしています。
　ひばりさんの長年の付き人が範子さんというお名前で、ひばりさんが彼女を「おノリ！」と呼ぶたび憲武さんがドキッとしていたというエピソードに大笑いしたことも思い出しながら、この曲で平成を偲び、令和を祝いたいと思います。