ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#907
大江千里/Senri VISUAL Premium My GLORY DAYS 1989-1999 <再プレス>
(2018.11.12再プレスDYBL-1861、¥21,000+税)*DVD-BOX オーダーメイドファクトリーで条件をクリア、再プレス決定!

祝35周年! POPS時代後期のDVD-BOXが再プレス!

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 今年でデビュー35周年。それを記念し、9月にポップス時代のナンバーをジャズピアノでセルフカバーしたアルバム「Boys & Girls」( こちらで紹介)をリリースする大江千里さん。 
  10月には母校の関学と東京で記念の凱旋ライブが開催されることも決定しておりますが、このタイミングでポップス時代後期、90年代のライブソフトのDVD-BOX「 Senri VISUAL Premium My GLORY DAYS 1989-1999 icon」がオーダーメイドファクトリーに再エントリーされました!
 
 2009年のDVD-BOX( こちらで紹介)の続編として2012年に商品化が実現した映像集BOXですが、アンコールプレスされたことはあったものの、近年は入手困難となっていたアイテム。
 今回のジャズによるポップス回帰をきっかけにファン復活を遂げる千里キッズを見込んでの再エントリーではないかという気がしますが、何せレア映像満載ですからね。未入手の方はぜひこの機会に、大きな変遷を遂げるポップス時代後期の千里ライブをコレクションしてみてはいかがでしょうか。
 
 内容について以前に書いた文章のコピペで紹介しますと、このBOXは1990年から1999年までのディケイドに発売された、未DVD化のライブビデオ7タイトル。
 すなわち「“red monkey yellow fish” TOUR 1989-1990」から「more APOLLO武道館ライヴ」「HOMMEマラソンfilmed NIHON BUDOKAN 30th,march.1992」「Chic again from concert tour chic」「 mickey watches me SENRI OE ‘Giant Steps’」「Double Twisted」「Single Twisted」まで。
 しかも、ボーナストラックとして、未DVD化のビデオクリップ「木枯らしのモノクローム」(「Chic」より)、「何度も叫んだ」(「NEW YORK HARAJUKU LONDON」より)、「碧の蹉跌」「冬の背骨」「ハレルヤ」(「FLOWER」より)も収録されております。
 
 全盛期のピカピカキンキラキン武道館コンサートを中心に、恒例となった小劇場クリスマスライブや、熱気ムンムンのライブハウス、現在の活動につながるアコースティックツアーまで、今見ると同じアーティストのものと思えないほどバラエティーに富んだライブがずらり。
 底抜けに明るいポップ少年と、苦悩に満ちた若き哲学者の両面を持ち、そのバランス上を行ったり来たりして、1粒で2度おいしい的な音楽を展開してきた千里クンですが、ライブの時に表に出てくるのは好奇心いっぱいでチャレンジャーのポップ少年が、一流のエンターティナーに変身した姿でした。
 
 特に、今は亡きヒデキも真っ青のV!・O!・C!・A!…で突き抜けたというか、開き直ったというか、あそこからの何でもありのパワーは元気をくれること請け合いですし、ピークの「HOMME」まで、どんどん大がかりで豪華になっていくセットと、何が何だかエスカレートして奇妙キテレツになっていく衣装は、さすが男ユーミンというか、本家を凌駕するようなオリジナリティがほとばしっています。
 ちなみにあのエンタテインメント千里は、ご母堂の影響なのだとか。千里さんって宝塚にもやたら詳しいんですが、お母様のエピソードを聞くに連れその辺も含め納得であります。
 
 早変わりや瞬間移動、フライングやマジックなど、サプライズも満載で、何をやっても許されるところまで上り詰めた、そんな時代の“ザ・大江千里”が堪能できますが、あのとどまることを知らないパワーや突き詰め感には、やっぱり時代というものが大いに関係したような、そんな印象を持ってしまいますね。
 
 年代を追うに付け、だんだん渋くなっていくんですが、それは動員だとか予算だとかということでなく、あれほどまでのことをやり尽くした人だからこそ達することができた境地、というものではないかと思っています。
 その証拠にシンプルな内容になっていくに連れ、表現されるものは研ぎ澄まされ洗練されていきますし、アコースティックライブでは、もはやわびさび感さえ醸しているよう。
 DVDのクリアな映像ならば、そういうものもハッキリ体感できるんじゃないかと思います。
 
 また、見逃せないのが髪型やメガネの変遷。アメカジ風からバッサリいった坊主頭、タンタンヘア、ロン毛に無造作、無精髭とか、この10年間の恐るべき変化は必見です。代名詞のボストンメガネでさえ、ウェリントン、アイブロー、ハイパータイプまでどんどん進化していきましたからね。
 多くの保守系女子があこがれていた王子様なのに、その立場に安穏も迎合もしなかった思いきりの良さと、それを受け入れた女性ファンに脱帽します。
 あくまで当時のライブ空間を共有した者としての個人的な意見ですけど、それは女性の千里キッズたちに、メガネ男子を手にかけるイマドキの肉食系じゃなく、真面目で傷つきやすく思いやりのある女の子が多かったからだと思っておりますが…そのへん、千里さんはどうお思いでしょうか。
 
 さて、武道館ファイナルをライブ化することが毎度のお約束になっていることでも分かるように、これほどの規模のライブが毎年当たり前に行われていたことに今さらながら驚きますが、個人的には飛ぶ鳥を落とす勢いに連れて、厳しいチケット争奪戦が繰り広げられたことを懐かしく思い出します。
 この当時は自らのキラキラ青春時代と重なりますもんで、感慨深いというか、今回久々に見直したら当時のことが次々にオーバーラップしてきて、感情の振れ幅がハンパなかったです。
 なので、当時の千里ライブに参戦された経験のある方も必携ですぞ。
 
 とはいえ、90年代のライブをこうして2018年の視点で見直してみると、10年いや20年経って出会ったその時の懐かしさだけじゃなく、いろんな発見があるんじゃないでしょうか。
 生きていくということは大変で、つらいこともあって、でもやっぱり楽しくって、そういうのもひっくるめて面白くて尊いもの―そんなことまでも感じさせてくれるように思うのですが、それもまた千里クンらしい。
 届くはずのなかった未来を追い越してさえも、また道を示してくれる…うまく説明できないけど、そんな感じなんですよね。
 
 個人的にも、実際に出かけて不完全燃焼のように思った「Giant Steps」ツアーが、今回見直していちばん心に響いたくらい、その時の視点とはまったく違ったものが見えたりして。
 ワタシとしては「年をとると自分の一生が見えるようになる」という千里クンからのエールのように勝手に思っております。
 
 ともあれ、今となっては貴重な千里ライブの初DVD化。豪華版ではありますが、今回も、別冊ブックにはファン感涙、秘話満載のご本人書き下ろしのエッセイと、背景をひもといた解説(担当させていただいております)も掲載されておりますし、ライブビデオだけをここまで一気にそろえ直す機会はなかなかないと思いますので、どうぞお申し込みください!
 そしてまた千里の道も一歩から、昔と同じくマイペースでジャイアントなステップを歩み続ける千里クンに日本からフレーフレーとエールをおくろうじゃあ~りま千か!
  
 それでも迷っている方は、OTONANOに、BOXの詳細がわかる 特設ページが開設されていますのでそちらも参考にご検討ください!
 
 
 

(2018.8.31)
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